映画『暗黒女子』主演の飯豊まりえが泣きながら女優として乗り越えた課題。「セリフ1つのために2週間リハやらせた」監督・耶雲哉治が明かす
新進女優・タレントが週替りで番組MCをつとめる映画情報番組 『シネマのミカタ』が4月5日にスタートしました。第1回の放送では映画トーク番組『生シネ』の映画解説名コンビの中井圭さん、放送作家の鈴木裕史さん、そして女優の清水くるみさんがMCを担当しました。
4月1日に公開された映画『暗黒女子』で監督をつとめた耶雲哉治さんをゲストに迎え、原作との違いや主演をつとめた飯豊まりえさんへの演技指導など裏話をたっぷりと紹介していただきました。
原作通りと思わせる構成作りに2年。反響の多さに「してやったり」
中井:
作品を簡単に説明します。あるセレブ女子高の中で白石いつみ(飯豊まりえさん)という、一番綺麗で、しかも学校の経営者の娘がいるんですよ。その女の子が、ある日、学校の屋上から落ちて亡くなってしまいます。彼女は生前に文学サークルを主宰していまして、その文学サークル内に犯人がいるんじゃないか? というところで、サークルのメンバーが、死んでしまった女の子についてそれぞれ物語を書いて、それを朗読していくことによって、真相を掘り下げていく、というミステリーですね。
中井:
元々はミステリー小説で、しかも構成が複雑。脚本面でどういう風に整合性を取るのか、また決められた時間の中に収めるというのは、大変だったんじゃないですか?
耶雲:
原作の小説では、登場人物が実は1人多いんです。その登場人物を実は削っています。メンバーの告白が次々に続いていき、その告白が「実は……」という。その「実は……」に早く行きたいという狙いがあったので。
鈴木:
でも(登場人物を)1人削ると、辻褄が合わなくなったりするじゃないですか。
耶雲:
そうなんですよ。そこがすごく難しくて。実は、脚本を作るのに2年ぐらいかかりました。脚本家の方と、プロデューサーと一緒に、原作を構成の尺に収めるということと、映画ならではのスピード感を出すために、どうするか話し合いました。辻褄合わせのところも、映画ならではの辻褄、みたいに作っています。
耶雲:
だから、ストーリーは原作通りじゃないです。原作を読んでいた人から「原作通りですね」という感想をよく聞いています。「原作のイメージにすごく近い」とか「原作通り!」みたいな。何を見てんだよって感じなんですけど(笑)。
鈴木:
原作ファンも「これ原作通りじゃん!」って言ってくれたから、(監督としては)しめしめ……っていう感じですか?
耶雲:
それはもう、してやったりですね(笑)。