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超パーティーの超バンドへの参加がきっかけでニコ生を始めた

——専門学校を出られて、BINECKSを経て、現在のセッションミュージシャンとして活動につながると思うのですが、どのようにお仕事を展開していったのでしょうか?

BOH:
 BINECKSは初めはサポートとして加入したんです。2008年5月にアミューズに所属してデビューする時に正式メンバーになりました。そして2010年10月に活動休止になって、アミューズの先輩のアーティストであるサンプラザ中野くんのサポートをやらせていただいたり、BINECKS時代に知り合った、舞台監督の人から電話がかかってきて、ニコニコ動画内で有名な赤飯という人が居て、その赤飯がバンドメンバーを探しているからやってみないか?と言われて、そちら(赤飯ロマン横丁:セキハンロマンアベニュー)に参加したりだとか。その赤飯とバンドをやっていた時のバンドマスターのVomosさんがプロデューサー業もやっていて、ニコニコ超パーティーの仕事を取ってきたんです。

——そこから超バンドにつながるわけですね。

BOH:
 そうです。それまでニコニコ動画という名前は知っていましたけど、一度も見たコトがなくて、それが何なのか?というのはあんまり良く分かっていなかったんです。YouTubeの日本版かな?というようなそれぐらいの感じでしか把握していませんでした。

 それでニコニコ超パーティーの話が来た時に、それが何者なのか分からないのにやる、というのは仕事のやり方として何か自分の中で気持ち悪くて、じゃあもう登録してどういうものなのかというのを知ろうと思ったのが、最初にニコ動を知ったきっかけですね。でも、その時はまだニコ生とかはやっていなかったと思います。

ニコ生「BOHの大暴走!!!…35暴走目(B・o・H)」より

——コミュニティを始めて、ニコ生も始めたのは何故なんでしょうか?

BOH:
 それまでアメーバブログはやっていて、あとはTwitterとかはちょうどそれ位からやりだしたんですけど。超パーティーでニコ生が何かというのを知って、自分で放送、自分から発信できたら何か今までお世話になったファンの皆様方とも、繋がれると思ったんです。あとはやっぱり文章だけでは伝わりきらない、ニュアンスとかも直接の言葉だと伝わったりするので、何かを発信するときに変な誤解を与えないで済むなというのもあったりだとか。

 やり始めたばかりのときは、全然見ている人数も少なかったんですけど、だけど、続けていくと何かがあったりするのかな?と思っていました。自分の夢の一つとして、僕らみたいなアーティストのサポートというバックミュージシャンが、もっとこういうものだよというのを世の中に知って欲しいというのがありました。音楽が面白いことになっていた80年代、90年代、有名なスタジオミュージシャンが一杯居て、一つの憧れの的みたいな感じになっていた時代があったんですけど、そこまではならなくても良いから、セッションミュージシャン=バックミュージシャンってただ後ろでアーティストの演奏をしているだけじゃないというのを、知って欲しい、そういうものを伝えたいという想いがあるんです。

——ニコ生を始めて、変わったことはありましたか?

BOH:
 一番変わったのは街中でファンの方にあったりとか、イベントとかで「ニコ生見てます!」「大暴走見てます」って言われるようになったことですけど、自分個人としてはやっぱり、ブログとかだったら何回も書き直したり確認できますが、結局、ニコ生って一人だけの発信じゃないですか? 視聴者の方から書き込みとかはありますけど、一方的に喋ることになるので、こんなことは言っちゃダメとか、これは言っても大丈夫だろうとか、そういうことに物凄く気を遣うようになりましたね。

 現に、僕はニコ生をやるときとかは、お酒飲みながらの放送なんですけど、だからこそコレは言ってはイケナイというNGワードをメモに書いて横に置きながら放送しています。書いて見ておけば、酔っ払っても口が滑らない。例えばそれがないと、僕の性格的にムカつくコトをムカつくって絶対に余計なコト言っちゃうので(笑)。でもニコ生でそういうキャラでは居たくないなというのもありますね。

——セッションミュージシャンというお仕事柄というのもありますよね。

BOH:
 そうですね。やっているアーティストとかにもご迷惑かけてしまうので。今ってネットですぐ広まるじゃないですか? 良いコトよりも悪いコトの方が秒速で広まっていくので、それだけは避けたいなという。

ニコ生「BOHの大暴走!!!」の名物 ハゲ弾幕

——広まるといえば、BOHさんのニコ生では名物になっているハゲ弾幕【※】がありますけど。

※ハゲ弾幕
ニコ生「BOHの大暴走!!!」で毎回、BOH氏がお酒の氷を取りに行くなどで席を外すと、一斉に流れ始める「ハゲ」の弾幕。

BOH:
 ハゲ弾幕! あれ誰が始めたんだ!? いつの間にかに、いつだったかは忘れましたけど、僕が席を立って、戻ると、「おせーぞ、ハゲ!」とか「いなくなんじゃねぇ、ハゲ!」とかっていうのが、ちょっとずつ流れていて、最初、「バカ野郎! ハゲって、言うんじゃねぇ!」とか言っていたんですけど、その度にどんどんそれが増えていって……。

「BOHの大暴走!!!」名物のハゲ弾幕

——そう言われたら、逆に書きたくなってしまいますよ!

BOH:
 「もうイイわ!」って思って、放っておいたら凄いコトになりだしたという。あれは面白いから是非やってもらいたいです。

——ハゲに関してもう少しお話しお聞きしても大丈夫ですか?

BOH:
 全然、大丈夫です。

——ハゲ始めたのっていつぐらいからになりますか?

BOH:
 23歳の終わりぐらいの時に、ちょうど中島美嘉さんがやっていたNANA starring MIKA NAKASHIMAの『一色』という曲のサポートで入ったんですけど、映画『NANA2』に登場するドラマーがアニメでも映画でもスキンヘッドじゃないですか? 見た目的にスキンヘッドがいると良いのですが、普通ミュージシャンってスキンヘッドにしたくはない。でも僕は中学校の時もスキンヘッドにして遊んだりしたこともあって、抵抗はなかったので、じゃあ久しぶりに剃っても良いんじゃないかと思って、「僕が剃りまーす!」という感じで、ふざけて剃ったんですよ。

——その時ってまだキテはいなかったんですか?

BOH:
 別にまだ全然。気づいてなかっただけかもしれないですけど。でもその後、スキンヘッドもずっとやっていると疲れるので、じゃあ伸ばそう!ってなった時に、「あ、コレは何かちょっと毛根が死に始めているかもしれない!」というのに気付いて、そこからずっと剃っていますね。24歳から1cmも伸ばしたコトないですね。剃り続けていますね10年間。

——もうハゲてしまっているのは確実なんですか?

BOH:
 確実です。結局、生えてこないじゃないですか? ちょっと伸びてくると生えてくる場所と、生えてこない場所があるので。

——頭のケアはどのようにしていますか?

BOH:
 毎日、剃るというのと、化粧水も頭から掛けますし、あとは家にいる時とかもタオルを巻いたりだとか、普段から何か被っておかないと、ぶつけたりとかしたら簡単に血が出ちゃうので、ちょっとしたトコロでもスッて擦ったら傷が付くじゃないですか。それが頭皮だと血が出だすとなかなか止まらないので、あんまり頭を怪我しないようにはしています。あと夏の暑い日とかも、そのまま出てしまうと頭が火傷になってしまうので何かを被るようにしていますね。夏場とか眩しい時にサングラスかけて帽子被らないで外に出ていると、職務質問なんですよ。それを避けたいというのが、一番外では気を遣いますね。

——スキンヘッドはそれなりに相当気を遣わなければいけないんですね。

BOH:
 簡単に職務質問に遭うので。

——自分も10代の頃に一度だけやったことがあるんですけど、初めての時は風邪ひくかと思うくらい頭が寒かったんです。

BOH:
 ですね。でも、スキンヘッドを続けるとなると結構根気がいりますからね。ヒゲと同じで1日で伸びてくるじゃないですか。なので、毎日剃らなければいけない。でもまあ、よく考えたら風呂入ったらみんな絶対ドライヤーで乾かすし、手間だと思えば大したことはないですね。もうさすがに10年やっているんで、そんな手間だと思わなくなりましたけどね。

——自分は面倒臭くて止めてしまった方ですね。

BOH:
 でも、ハゲているミュージシャンなんて少ないので良いんじゃないかなと思いますしね。


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