話題の記事

“ハーレム”は『ラブひな』から始まった――現代アニメ作品の“萌え”の起源となった濃ゆすぎる「平成ゼロ世代アニメ」を総ざらい

21世紀に突入した年のアニメ作品の特徴

おたささ:
 『グラップラー刃牙』とかもこの辺だったんですね。『爆転シュート ベイブレード』が2001年入ったところで始まりますね。あと、ここ面白いんですけど『地球少女アルジュナ』と『地球防衛家族』っていうのが同時に始まるんですよね。やっぱり21世紀に入ったところで、地球規模というか、でっかいくくりを出したくなったんだなみたいな。

天海:
 (笑)

おたささ:
 『地球少女アルジュナ』は、不思議な作品でしたけど、環境破壊とかも扱ってたりする。河森さんどうしたの? みたいなところあったんですけど面白かったですね。あと、『地球防衛家族』と『破壊魔定光』が並んでるのもちょっと面白いですね。あと、『Dr.リンにきいてみて!』は、風水ですよ。小学生とかの層っていうのは本当に風水に、はまったりしたのかな?っていうのはね(笑)。

天海:
 どうなんでしょう。

おたささ:
 2001年、4月1日。『機動天使エンジェリックレイヤー』、これはちょっと触れておきましょうか(笑)。

『機動天使エンジェリックレイヤー』
(画像は機動天使エンジェリックレイヤー DVD-BOX Amazonより)

天海:
 お願いします。

おたささ:
 80年代に『プラレス3四郎』という作品がありまして、いわゆるちっちゃいロボットでプロレスをして戦うみたいなアニメがあったわけですよ。そして、2000年代になって、『ガンダムビルドファイターズ』が出てくるじゃないですか。その間にエンジェリックレイヤーがあった。

天海:
 あったんですね。

おたささ:
 乱暴な評価ですけど。でも、『プラレス三四郎』とか『ガンダムビルドファイターズ』っていうのは、どっちかっていうとおもちゃの延長としてみんな遊んでるんだけど、その中でエンジェリックレイヤーは一応、医療機器開発の副産物、義肢とか義手とかっていうのが面白かった。

天海:
 なるほど。

おたささ:
 エンジェリックレイヤーに関しては、ある意味男の子アニメだと思うんですけど、女の子もCLAMP作品なので、読んでいたと思います。でも、CLAMP先生の男らしさは、ポイント高いんじゃないかなって思う。レイアースも出てきますしね。だからCLAMP先生は、心に男を持つ乙女なのかなっていう(笑)。あと、同じ日にコメットさんも始まってるんですけど、これの実写版があったのって知ってる?

天海:
 少し聞いたことありますけど。

おたささ:
 よく懐かしのテレビ番組みたいので紹介されたりするじゃないですか。実写版のコメットさんが2代ぐらいあって、この『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』が始まるんだけど、今でも昔の作品をアニメにするとかあるじゃないですか。

天海:
 あります。

おたささ:
 最近だと『SSSS.GRIDMAN』もあるよね。特撮作品をアニメにしたとかあったんですけど、その中でベースみたいなポイントはつかんでるんだけど、中身的には結構違う話も織り交ぜながらうまくアニメ化している。また、メテオさんっていうライバルキャラクターが出てきて、色んなことをしちゃう。でも、憎めないところがあって泣かしてくれるんですよね。そういう意味では、リメイク作品とかを作るときには、参考にしてほしい作品ですね。

天海:
 コメットさん、押さえておきましょう。

萌えの時代とメイドの認識

おたささ:
 そして、『こみっくパーティ』。PCゲーム、いわゆるエロゲーっていうやつですね。

『こみっくパーティ』
(画像はこみっくパーティー DVD-BOX Amazonより)

天海:
 なるほど。

おたささ:
 エロゲーベースっていうのがアニメ化される時代がだんだんとやってくるんですよ。

天海:
 2001年からなんですね。

おたささ:
 テレビアニメとしては、この辺からなんじゃないかなと思います。また『こみっくパーティ』っていうのが、いわゆるコミックマーケットをベースにしてる。九品仏大志っていうキャラクターが出てくるんですよ。「貴様!」みたいな。

天海:
 眼鏡キャラなんですか。

おたささ:
 ちょっと中二っぽい感じの、「こみっくパーティはいいぞ」みたいな、そういうキャラが出てきます。俺の地元が自由が丘の近くなんですけど、隣の駅に九品仏っていう駅があって出身幼稚園が九品仏幼稚園っていうんです。それで『こみっくパーティ』を見て、運命かなって思った。

天海:
 運命です(笑)。

おたささ:
 あと、『ジャングルはいつもハレのちグゥ』なんかもこの辺なんですね。「大丈夫か!? この作品……」って常に思いながら見てました。

『ジャングルはいつもハレのちグゥ』
(画像はEMOTION the Best ジャングルはいつもハレのちグゥ Amazonより)

 そして、『魔法戦士リウイ』なんかもここですね。そして2001年、4月4日に重大な番組が始まります。『シスター♥プリンセス』。

天海:
 懐かしい。

『シスター♥プリンセス』
(画像はシスター・プリンセス 15th Anniversary Blu-ray BOX Amazonより)

おたささ:
 12人の妹ですよ。今聞いてもおかしいなと思うけど、当時は全員が「?」という状態ですよ。今でこそ妹ってアニメのタイトルに入っても、「妹物ね」みたいな感じだけどさ。そんなシスプリが始まって、ラブデスティニーが大ヒットするわけですよ。ある意味、萌えの時代で、ラブひなからシスプリへ。

天海:
 続いていくんですね。

おたささ:
 そのあと色々ありますけど、そんな感じの流れがありました。あと、『ノワール』とかがこの辺で始まる。ダーク系というかガン=カタで、ガンアクション的な見せ方をする作品っていうのもちょっとずつ増えていったりします。

天海:
 増えてきていますね。2001年から。

おたささ:
 その辺の時代を象徴するような作品がいろいろあるんですよね。『ギャラクシーエンジェル』なんかもこの辺ですね。懐かしいな。ラジオやってました。もし聞いてくれた人がいたらありがとうございます(笑)。『ギャラクシー☆Bang!Bang!』とか流行りましたもんね。そして、『鋼鉄天使くるみ2式』と『花右京メイド隊』がこの辺なんですね。

『花右京メイド隊 Blu-rayBOX』
(画像は花右京メイド隊 Blu-rayBOX Amazonより)

天海:
 (笑)

おたささ:
 『花右京メイド隊』とか、一般にメイドが受け入れられるようになった。だって、今でこそメイドカフェとかが存在するじゃないですか。当時は世の中には存在しないもので、お手伝いさんとか家政婦かなみたいな認識だったのが、みんなの共通認識でメイドとはこういうものっていう像が確定してきた。

天海:
 ここからメイドという認識になる。

おたささ:
 『学園戦記ムリョウ』なんかも始まりまして、『オフサイド』もありましたね。『チャンス〜トライアングルセッション〜』、『フィギュア17 つばさ&ヒカル』。AT-Xの始まりぐらいですよね。

天海:
 確かに。

おたささ:
 番組で宣伝した覚えがあるんで(笑)。そう、AT-XとかWOWOWとか新規のジャンルが参入してきて、いろんなアニメを独自枠で作る流れがどんどんカオスになっていく。そして、ここ重要なので覚えておいてください、2001年の7月4日、7月5日。

天海:
 はい。

おたささ:
 ここ、テストに出ます。2001年の7月4日。『シャーマンキング』と『スクライド』が始まります。7月7日には『フルーツバスケット』が始まります。テレ東6時台の黄金期がスタートします。この頃のテレビ東京のアニメ強かったし全部面白かった。

天海:
 『フルーツバスケット』は、またリメイクされますからね。

漫画をアニメ化する流れを作った人気サークル

おたささ:
 あと『魔法少女猫たると』。これ、読み方があるんですよ。

天海:
 このままじゃないっていうことですよね?

おたささ:
 うん、何となく雰囲気で。

天海:
 マジカル。

おたささ:
 マジカルニャンニャンタルト。これが始まったりするんですが、さっきの『鋼鉄天使くるみ』は、介錯さんっていう漫画家さんで、10月から始まる『まほろまてぃっく』が、ぢたま先生。平野耕太先生の『HELLSING』も始まりました。あと『月詠』の有馬啓太郎さんとか。コミケでいわゆる壁サーといわれる、人気サークルになった作家さんの作品っていうのが漫画化されてアニメ化されていく。その裾野がどんどん広がっていく流れはこの辺ですね。あと『旋風の用心棒』、『しあわせソウのオコジョさん』とかもありましたね。

天海:
 ありましたね、オコジョさん。懐かしい。

おたささ:
 あと『ちっちゃな雪使いシュガー』。泣きましたね。あと『FF:U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜』。そう、FFがアニメ化されてる。マイナーだけど地上波なんですよ。

天海:
  『おとぎストーリー 天使のしっぽ』、見てました。

おたささ:
 後に、ハルヒの声優をする平野綾さんが、子役だった頃にしたアニメデビューした作品がこちらですからね。

天海:
 天使のしっぽから始まる。

おたささ:
 その頃に、一回ぐらいお会いしてるような気がするんですよね。あと『ナジカ電撃作戦』。これは世にいうパンチラアニメといわれるやつなんですが、パンツじゃないから恥ずかしくないという流れのベースにある。パンツが見えていることに違和感を感じなくなって、これは普通のことなんだと納得していくアニメ。ある意味、人として最高なアニメ。

『ナジカ電撃作戦』。
(画像はAmazon | ナジカ電撃作戦DVD-BOX | アニメより)

天海:
 がっちり見えてますね。パンチラどころじゃない。

おたささ:
 見えてるのが自然。

天海:
 (笑)

おたささ:
 これが、UHF枠。いわゆるU局といわれるやつですね。『くるみ2式』とか『花右京メイド隊』はちょっとありますけど、『PROJECT ARMS』もやってましたね。そして、2001年10月10日、俺の32歳の誕生日ですね。テレビ東京で『テニスの王子様』と『ヒカルの碁』が始まります。

天海:
 しかも同じ日に。

おたささ:
 恐ろしいよね。テニプリとヒカ碁って、二画面についてるんだよ。

天海:
 2001年、濃すぎますね。

おたささ:
 この時代は、アニメファンとかオタクたちの色々な思いがあって、本当に混沌とした感じが最高。

天海:
 お話聞いてて、いわゆる今のアニメの基盤になったものが、2000年代の初めにあったんだなっていうのが凄い感じました。

おたささ:
 ここから2、3年の間に今のアニメの流れっていうのがほとんど出てくるんじゃないかなという気はします。

▼記事化の箇所は56:20からご視聴できます▼

おたっきぃ佐々木と天海由梨奈の やっぱ、アニメでしょう

―あわせて読みたい―

エヴァ・CCさくら・To Heart…平成前半を象徴する名作アニメを一気に復習! みんながアニオタになったきっかけはどのアニメ?

巨人の星、キャプテン翼、SLAM DUNK…スポ根アニメから“必殺技と汗臭さ”が消え“爽やかイケメン”要素が台頭する歴史をおたささが語る

「アニメ」の最新記事

新着ニュース一覧

アクセスランキング