『BANANA FISH』主人公の魅力をアニメ大好き芸人ハライチ岩井が語る「辛さを与えられるほどアッシュ・リンクスは色気を増していく」
お笑いコンビ ハライチの岩井勇気氏がお届けする、本音でアニメを語る番組「ハライチ岩井勇気のアニ番」。
第98回の放送ではラジオパーソナリティーの二ノ宮市丸氏をゲストに迎え、2018年夏クールアニメ総合ランキングを発表しました。岩井氏の選ぶ1位には『BANANA FISH』、2位に『ハイスコアガール』、3位に『ヤマノススメ』がランクイン。
番組では岩井氏が『BANANA FISH』の主役であるアッシュ・リンクスの魅力について語る一幕も……。
※本記事には『BANANA FISH』、『ハイスコアガール』、『ヤマノススメ』のネタバレを一部含みます。ご了承の上で御覧ください。
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3位『ヤマノススメ』
岩井:
『ヤマノススメ』って、山登りのアニメで、純朴アニメで見やすいんですけど、ひなたちゃん、あおいちゃんという同級生の女の子が山を登ると、それでかえでさん、ここねちゃんという女の子も一緒に登ったりして。今回ちょっと珍しく不穏な空気が流れたというか。
二ノ宮:
あら『ヤマノススメ』なのに。
岩井:
いつも楽しそうにわちゃわちゃ山を登ったりしているんですよ。でも、なんか本当に萌えアニメなわけじゃなくて、俺はめちゃめちゃいいなと。金持ちが出てきて何か買ってくれることもないし、ちゃんと等身大の女子高生の金銭感覚でやっていくというところが、俺は好きなんですね。
でも、今回ひなたちゃんという、いつも明るい女の子が、あおいちゃんという女の子がバイトしだして、なかなかスケジュールが合わなくなって、それでもいつも全く嫌なところを出さずに文句は言うけれども、「何よ、全然スケジュール取れなくて」みたいな。「いいよ。一人で行くもん」みたいな感じの消化の仕方だったんですね。ちょっとやっぱり陰になってきて、「何なの。全然スケジュール取れないのに、他の女の子と遊びに行ったりして」みたいな焼きもちを焼くんですよね。
それが沸々と続いて、最後みんなで山を登ったときに、それが爆発して不機嫌なまま登って行って、それでひなたちゃんが膝を痛めちゃうんですよね。
それで、仲間に言えずに登っていたら、もう本当に限界がきちゃって。「もう登れないから、私は降りる。みんなで行ってきて」って言ったときに、「じゃあ、私が一緒について降りる」って、いつも一緒にいるあおいちゃんが言って、「わかった」って、二人で降りることになったんですけど、その途中で「本当は焼きもちを焼いちゃってって」みたいなことをちゃんと素直に言う。
――(二ノ宮)係長?
二ノ宮:
アニメの話でよかった(笑)。
――(笑)
岩井:
本当にちゃんと仲直りするんだなって(笑)。よかったーって思って。
二ノ宮:
なるほど。
岩井:
次の回で、ひなたちゃんの誕生日をみんなで祝おうってあおいちゃんが企画をする。仲良しだなって。
二ノ宮:
愛玩動物目線なんですよね。
岩井:
そうですね。
二ノ宮:
素敵な。癒されたいというね。
岩井:
なんか萌えさせられるわけじゃないんですよ。
二ノ宮:
そうですよね。萌えって、ちょっと性的なあれが入っているんですよね。
岩井:
性的なやつではないです。ほのぼのと……。
二ノ宮:
慈愛ですよね。
岩井:
そう。慈愛ですね。完全にね。子供を見るような感じですね。
――でも、ここですよね。『ヤマノススメ』って、たぶん萌えアニメなんですよ。世間一般の人、多くの人が好きな人って。そこで見てないから。
岩井:
僕が、刺さってんのはそこじゃないんですよね。
2位『ハイスコアガール』
TVアニメ「ハイスコアガール」最新キービジュアルを公開!
— TVアニメ「ハイスコアガール」公式 (@hi_score_girl) June 1, 2018
中学生になったハルオと大野、そして小春も登場!そして背景には懐かしいあのゲームたちも…!#ハイスコ pic.twitter.com/SihxilR5oA
二ノ宮:
僕ら世代よりもちょっと上なんですよ。ゲーセンの直撃は。だけど、僕らがターゲットにかすっているというか、若干片足が入っているじゃないですか。なんか懐かしいというか、「楽しかったな、その時代」って、学生の過ごし方も近いじゃないですか。だから、感情移入しやすい世代というのと、みんな良い子だから。
岩井:
そうなんですよね。
二ノ宮:
俺も日高ちゃんにゲームでボコボコにされたい。
岩井:
日高がいいんですね。
二ノ宮:
どっちもいいですよ。
岩井:
俺は本当に日高が良くて、なんか男では、ない感覚じゃないですか。見ているだけで楽しいという。
二ノ宮:
そうですよね。
岩井:
横で見ているだけでいいというのは、女の子だなって。女の子のこれは何なんだろうって、毎回思うんだよな。妹とかもね、「横で見ているだけで楽しい」ってよく言うじゃないですか。
――でも、妹は近いかも。
岩井:
女の子って、「横でいい、全然やらなくても見ているだけで楽しい」って言いますけど、それなんかすごくいいなってなるんですよね。
二ノ宮:
日高ちゃんの私のことを見てくれてないから、じゃあ、あなたが好きなゲームで力をつけて自分を無視できないようにしてやるって、何その前向きな、超好きじゃんみたいな(笑)。いいなぁって。そんな好かれんのいいなって(笑)。
岩井:
それいいですよね。女の子が、男が薦めたゲームちゃんと上手くなるって、めちゃくちゃ良くないですか?
二ノ宮:
いいですよね。本当、男の夢だな。『ハイスコアガール』は男の夢だな。
岩井:
夢ですね。本当に。ちゃんと上手くなってくれるというね。毎回やってね。CGみたいなのも、ちょうど良かったですよね。
二ノ宮:
ちょうどいいですね。そんなに違和感ないですよね。シンプルだからなのか分からないですけど。
岩井:
作画にされて、ちょっと崩れるよりはこっちの方が良かったかもしれない。
1位『BANANA FISH』
岩井:
面白いわ。あんな昔の作品がこんだけ面白いかと。辛いんですけど、人も死にますし。ショーターが死んだところとかもめちゃめちゃ辛いんですけど。お父さんの奥さんが殺された時とかも辛いんですけどね。
なんかその辛さを与えられれば与えられるほど、アッシュ・リンクスという男は色気を増していくんですよね。
二ノ宮:
影がね、出てくるだよね。
岩井:
本当にこんな時代の漫画・アニメに、こんな色気のある男が出てくると思うかねと思いながら見ていましたね。
二ノ宮:
ここ数年のなかで、アニメ界で一番セクシーな男。
岩井:
そうですね。それが80年代の男ですからね。
二ノ宮:
そうですね。随時に女の子のフェチズムが入ってんなというシーン、いろいろあるじゃないですか。タキシードだったりとか、縛られたりとか、ちょい悪どころか極悪なんですけど、そういうのが垣間見えるんですけど、なんか大人なアニメですな。そっちの店、僕はあんまり入んないですけど、なんのあれもなく普通に気になって。
岩井:
別にめちゃめちゃムラムラしてとか、前のめり前のめりじゃなくて、さらっとハプニングバーに飲みに行くみたいな。
二ノ宮:
ごめんなさい(笑)。どういうことですか(笑)? ちょっと分かんなかったんですけど……。
岩井:
嗜みとして、「面白い飲み屋あるから行こうか」みたいな感じでハプニングバーに飲みに行くみたいな感じ(笑)。
二ノ宮:
えっ(笑)? 分かんない(笑)。
――これは告白ですか(笑)? どういうことですか?
岩井:
違う違う(笑)。行ったことはないんですけど。なんか、そんなさらっと大人の遊びするんだみたいな感じ。
二ノ宮:
あぁ~!
――なるほどね。
二ノ宮:
あと、露出の多いエロという感じではなくて、すごくフォーマルな格好をしている時の色気ってあるじゃないですか。たぶん女性とかは上半身裸のいい体の男に対して、エロスは感じると思うんですけど、全く肌を見せてないシャツもきちっと閉めて、ネクタイもキュッとやっている、何も肌色がない時に感じるエロさがあると思うんですよね。
岩井:
んん~!
二ノ宮:
それがずっと危険な感じで漂っているから。
岩井:
やっぱり危ういのが色気に繋がっていくんですかね。
二ノ宮:
そうでしょうね。
岩井:
マフィア同士の抗争なんですけど、ストーリーも面白かったな。
二ノ宮:
目を離したすきにどこかいなくなって、二度と会えなくなっちゃうんだろうかという危うさ。精神的にもたないんじゃないだろうか、無理しているんじゃないだろうかという危うさと。
岩井:
なんかアッシュって、我々が経験してないことをずっとやってきているじゃないですか。この人と一緒にいたら新しい世界を教えてくれそうという感じがすごいする。
二ノ宮:
そう。だから女性が好きなここじゃないところに連れて行ってくれそうな感じですよね。自分の知らないものを見せてくれるんじゃないかというね。あれ、いい男なんですよ。幸せになれないんだろうけど、なってほしいな。
岩井:
それ大事ですね。それ大事にしよう。
二ノ宮:
ん? それどういうことですか(笑)? 岩井さんがどこかに連れて行ってもらいたい感を出していくということですか(笑)?
岩井:
そうそう。この人、私の知らない世界を結構知っているというところを出していくというね。
二ノ宮:
(笑)。なるほど。
――でも、なんかモテる男の要素の一つですもんね。単純に言えば、食べたことないものを食べさせてくれるとか。そら高い安いに限らず。こんなところ連れて行ってくれたとか。
岩井:
海辺の倉庫に行ってみたら、第三金曜日の夜だけバーみたいになっているとか。分かる? ダサ(笑)。
一同:
(笑)
――すげぇダサいこと、童貞みたいなこと言っているけど、どういうこと(笑)?
二ノ宮:
それ、だって岩井さんにはどうしようもないじゃないですか(笑)。そのバーがまずないと(笑)。
岩井:
そういうのを知っている感。
――どこか行ったら、こんなところにお店あるのって、ガチャって開けたらすごく大人がお酒の飲み方が上手くて、お酒が美味しいお店が実はこんなところに、「こんなところを知っているのすごい」みたいな感じが一番近いんじゃない。
岩井:
でも、その時一番怖いのは「いつもありがとうございます」って言われた時に「すごい来てんだな」って、女に思われてんじゃないかなって。
二ノ宮:
なるほどね(笑)。
岩井:
「よく女連れて来てんな、こいつ」みたいな。
――私じゃないやついるんだろうみたいな。それはそうですね。
二ノ宮:
『BANANA FISH』の話じゃないじゃん(笑)。
――コメントで、「アッシュ17歳ですよ」。
二ノ宮:
そうそう。
――そこは1個魅力でしょうね。
岩井:
かわいい男子。
――(コメント)「アッシュが図書館好きってところに、萌える」という人もいます。
二ノ宮:
だから、いろいろあるんですよ。押さえているんですよね。なんか上手いんですよ。突然、眼鏡を掛けだしたりするじゃないですか。
岩井:
する。
二ノ宮:
パソコンいじりながら。眼鏡好きの子も押さえるんだみたいな。
――ボスにボコボコにやられちゃいそうな時に、一回食事食うみたいな。きちっとタキシード着て白シャツをバシッと来た時に「美しい」って(笑)。いやいや、お前今からやっちまおうとしてるのに「美しい」って言うのみたいな。
岩井:
傷があるのもいいんですよね。
二ノ宮:
分かりますよ。あれを見て「堪らん」という女性のみなさん分かりますよ。いないから、あんなの。
――いないんですか?
二ノ宮:
いないでしょう。裏社会は、僕は分からないですけど、どうですか? 芸能界の人間ですから、そこらへんのね。世間の画面に出ているイケメンは、たくさん見ているでしょうから。
岩井:
芸能界にあんなのがいたら、枕感めちゃめちゃ出ると思いますよ。
二ノ宮:
あぁ~。だって、歩いているだけでたぶんエロいんでしょうね。
岩井:
アッシュ・リンクスの暴露本みたいなのを出して、終わりますよ(笑)。
二ノ宮:
(笑)
――たしかにな。ホストとかって、醸し出すオーラがある人いるじゃないですか。でも、プロ感があるんですよね。
二ノ宮:
ホストは?
――ホストは。プロ感がないから、天然であれをやっている感じがいい。
二ノ宮:
だから、その未成年というところですよね、きっと。
――未成年というところも含めて、天然でやっているのがいい。
二ノ宮:
だからそうですよ。プロは危うい感じがしないからですよ。
岩井:
なるほどね。
二ノ宮:
崩れていきちゃいそうな。
――そうね。そこの差はあるね。