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「しみけんとの馴れ初めは? なぜ事実婚?」 はあちゅう氏の吉報を受けて事の経緯をあれこれ訊いてみた【話者:中川淳一郎・ヨッピー・はあちゅう】

はあちゅうが事実婚を選んだ理由

中川:
 もう一つ、はあちゅうさんにお聞きしたいのが、事実婚について。はあちゅうさんとしみけんさんのタイミングに合わせたかのように、NHKの「おはよう日本」でも事実婚カップルを取材した特集が放送されたんですけど、事実婚ってどうすればできるのか。そして、普通の結婚とどう違うのかを教えていただければ。

はあちゅう:
 私も実際にしてみるまでは、籍を入れずに、ずっと一緒にいることが事実婚だと思っていたんですね。

ヨッピー:
 僕もそうだと思っていました。事実婚=内縁の妻的な。

中川:
 3年以上付き合っていて、ほぼ妻状態であれば内縁の妻であって、これを事実婚と呼ぶ……ものだと思っている人って多いですよね。

はあちゅう:
 いろいろ調べていたら、手続きをした事実婚は、住民票に「妻(未届)」って書くことができるらしいので、これはいいなって。

中川:
 それによって、どちらかが亡くなったときに遺産なども与えられるようになるんですか?

はあちゅう:
 自動的に遺産が付与されるわけではないんですけど、遺言書の中に一筆書いてあれば権利はあるということに。

中川:
 あとは、お子さんが生まれた場合は、親権はどうなるんですか?

はあちゅう:
 私の苗字になって、私の子どもということになるんですけど、(彼から)認知をしてもらえれば問題は特にないようですので、私自身、事実婚という選択をしてみて、あまり普通の結婚と変わらないのではないかという印象を覚えていますね。

中川:
 フランスなどでは事実婚の方が多いんですよね?

はあちゅう:
 PACS(パックス)と呼ばれていて、日本に比べると認められている権利も多いみたいです。日本では、事実婚そのものがあまり周知されていなくて、結婚できない事情があるカップルとか愛人のためのものというイメージがある。あと、私が事実婚を選んだ背景として、苗字を変えたくなかったというところが大きいんです。

中川:
 ほうほう。

はあちゅう:
 伊藤という苗字ですから、特に気に入っているとかではないのですが、伊藤から清水に変わっても面白くないですし。特に面白くもないのに、結婚するとやたらと面倒くさい(苦笑)。
 私はフリーランスですから、取引先すべてに名前を変えてもらわなければいけないですし、パスポートや銀行口座なども名義変更しなくてはいけません。また、法人(会社)をいくつか所有していますので、それを変更するとなると、けっこうなお金がかかってしまいます。そのデメリットを上回るほどのメリットが苗字が変わってしまう従来の結婚にあるのか考えたところ、ないだろうって思いました。

当事者だからこそ、事実婚の現状や課題を伝えていきたい

中川:
 事実婚をいちいち説明しなければいけない面倒臭さってないですか?

はあちゅう:
 それはありますね。事実婚と伝えたときに、「それってちゃんと結婚できないってこと?」とか「なんで結婚にしないの?」って聞き返されたり。

ヨッピー:
 そんなこと聞いてくる!?

中川:
 高齢者などはなかなか理解できないでしょう。

はあちゅう:
 男性が責任を持たないというようなイメージもあるみたいです。友だちからも、そういったことを含めて聞かれますね。

中川:
 となると、それ以外は特にデメリットは感じていない?

はあちゅう:
 今のところは。もしデメリットを感じたら、それを発信していければいいなって。

中川:
 同性カップルを「結婚相当」とするパートナーシップ制度では、証明書を発行しますよね。社会が変容していくことで、知らないことがたくさん出てくる。当事者だからこそ発信できるものもあるわけで、はあちゅうさんが事実婚を選んで実際に感じたメリットやデメリットなどを、今後、伝えていくということは大事かもしれませんね。

ヨッピー:
 うんうん。

はあちゅう:
 私は勝手にパートナーシップ制度が私達にも適用できるのかと思って、窓口にいったら、「この制度はLGBTの方々だけです」と言われて、事実婚は特に証明書みたいなものがないということをはじめて知りました。住民票を出すと「妻(未届)」とは書いてあるものの、ただの住民票なので、手続きだけだとあまり実感はわかなかったです。

中川:
 戸籍ってどうなるんですか?

はあちゅう:
 独身のままです。婚姻だと戸籍課に行くんですけど、私たちは住民票で転居手続き扱いとなるため、戸籍課ではなかったです。

中川:
 なるほどね。

はあちゅう:
 住民票で転居手続きをする中で、「妻(未届)」という表記が保険証に記載されるなど変わっていくだけ。ただ、職員の方が、お互いの本籍地に電話をかけて、双方がきちんと独身であるという確認は取ります。双方の合意がないといけませんから、片方が勝手に進めて、ある日突然、気が付いたら「妻(未届)」と表記される事実婚になっているということがないような対応はしてくれます。

ヨッピー:
 そうなんだ!

はあちゅう:
 当事者になって、はじめて分かることがあるんですよね。場合によっては、事実婚という形を利用した重婚というケースもありえるのかな、などなど疑問もわいてきます。体験者として感じたことや疑問に思ったことなどは、今後、お伝えしていければ。事実婚をした私たちだからこそ、いろいろな形で発信していければと思っています。

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