トランプ政権の黒幕は元・右翼メディアのボス? バノン首席戦略官が本物の破滅主義者だと話題に
1月20日の就任以来、数々の大統領令に署名をしているトランプ大統領だが、政権を影で操っているのは、右派ニュースサイト「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」の前会長である、スティーブン・バノン首席戦略官なのではという声が相次ぎ、twitterでは、#StopPresidentBannon(バノン大統領を阻止せよ)というハッシュタグが拡散されている。
この話題を受けて、2月6日放送の『ニコ論壇時評』では小飼弾氏と山路達也氏が、バノン首席戦略官について言及。「バノンはガチの破滅主義者なんです」と語った。
本当にアメリカをぶっ壊したい人がいる
小飼:
今回の大統領令というのは、ほとんど遂行してない。こうすれば嫌がられるだろうけど、こうすれば断れないだろう。というように詰めてないわけ。
山路:
それって、怖いですよね?
小飼:
怖いですけれども、なんでこうなっているのかという人ですね。本当に怖いのはトランプではないんですよ。
山路:
ではない? それはどういうことなんでしょう? トランプ自身の公約でもありましたよね。移民を制限するとか、大統領令にでてた話というのは。
小飼:
こういうのも何ですけども、トランプは言いました。「Make America Great Again(アメリカを再び偉大にしよう)」と、そこは、間違ってないです。ただし、彼にとってのアメリカというのは、実際のアメリカよりもずっと小さいものなので、脳内のアメリカですから。だから、脳内のイメージで語っていますから。
山路:
それは、昔のイメージのアメリカだったりするんですかね?
小飼:
代用現実とでも言えばいい。
山路:
バーチャルリアリティとはちょっと違うと。
小飼:
最強のアメリカを取り戻したいと、トランプ自身にとってグレートなものにしたいという。そこは簡単でしょ?
山路:
そのイメージって、アメリカの黄金時代。昔のアメリカの彼がイメージするこの時代の黄金時代があるわけですか、彼の脳内にはなんとなく。
小飼:
脳内には、あるんでしょうね。
山路:
例えばそれは、1950年代とか、そういうような。50年代60年代みたいな感じなんですか?
小飼:
もっと前かもしれない。
山路:
戦前とか、第二次世界大戦前とか。
小飼:
そこは、いいんですよ。ひとつ困ったことに、その人の隣には、本当にアメリカをぶっ壊したい人がいるんですよ。
山路:
どなたですか?
小飼:
バノン(スティーブン・バノン)【※】ですね。
※アメリカ合衆国の実業家、右派のインターネット・メディア経営者。アメリカ合衆国首席戦略官・大統領上級顧問。
山路:
右翼ニュースの編集長だった人ですか? かなり過激なヘイトニュースなんかを出していた人ですよね?
小飼:
だから、「Make America Great Again」というのが、彼の上司のスローガンだったら、バノンの本当のスローガンは、本人が言ったわけではないですけど、本音がこう思っているというのは間違いないのは、「screw her」。この場合の「her」というのは、米国のことを指します。
山路:
グルグル大混乱に突き落とすって意味ですか? 今のは。screwというのは、ぐるぐる回す混乱させる
という。
小飼:
いや、「fuck!」という意味です。これいいのかな、この放送で言っちゃって。でも、本当にこういう人なんだからしょうがない。本当にそういうふうにインタビューで言っているもの。
山路:
どんな感じのことを言っているんですか?
小飼:
もう、ぶっ壊さなきゃいけないと。
山路:
それは、アメリカを? 世界を?
小飼:
それは世界をなんでしょうね。本物のガチの破滅主義者なんです。彼は。それを通して創造をしたいとか、そういう人じゃないの。だから、大統領令を出しまくりました。それがバンバン裁判所で止められています。
あるいは、現場の連邦職員がそれにあまりきちっと従ってくれていません。要は、現場とオーバルオフィスですごいぶつかり合いがあるんですけども、これじゃ仕事にならんだろうと思うでしょ? まさにそれが彼がしたかったことなんです。
バノンの目的は国内の混乱・機能停止
山路:
そんなことってあり得るんですか? つまり、少なくとも最低限の国の政府の機能とか、国内の機能とかの停止というか、混乱みたいなことが目的で。
小飼:
機能不全にしたいの彼は。
山路:
にわかに信じがたい行動原理ですけれども。
小飼:
じゃあ、逆に問いましょう。何を作りたいの? 何を創造したいの?
山路:
彼がですか?
小飼:
まだ、トランプはわかりますよ。
山路:
まだ白人主義みたいなことだとわかりやすい?
小飼:
彼は、白人主義者でもないんです。なぜ白人主義者をあげるかというと、それが良く壊れるから。一番それが憎悪の炎をよく燃やすから。
山路:
しかも、数的には下り坂になりつつあって、不満を抱えている人たちも多いからみたいなことで、白人をある意味持ち上げて、他のところとの憎悪を煽るということなんですかね。
小飼:
そこまで深く考えているかどうかというのもわからないけれど、とにかく白人至上主義というのをぶち上げれば、必ず燃えるんですよ。
山路:
アメリカ国内が炎上して。
小飼:
そうそう。絶対に炎上するの。
山路:
はいはい。でも、バノンの方針が破滅主義にあるというのは、どういうところから思ったんですか?
小飼:
だから、本人がそう言っているんだってば。でも、それは口先だけだって多くの人が思っていたでしょ? 僕ですら、そう思っていたわけですよ。違うんです。
山路:
ただ、過激な物言いではない。
小飼:
はい。「本気だぞ」と。例えば壁を作るとういのも、あくまでも移民を制限するというのをシンボリカルに言っただけであって、本当に壁を作るなんて、しかもそれをメキシコに払わせるなんてと思ってたでしょ?
山路:
思っていました。本気で混乱のためにそれをやろうとする。
小飼:
バノンはね。
山路:
ちなみに、トランプはそれを理解しているんでしょうか? そこがポイントじゃないですか?
小飼:
理解力あるのか? 理解力があるかどうかはわからないけれども、少なくともどんなことがグレートかというのは、わかりやすいですよね。