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『ロックマン』の“しゃがみ操作ができない仕様”に込められた「カプコンの教え」がおもしろ深イイ件

ロックマンが「しゃがむ」ことができない理由

ピサロナイト:
 ロックマンと同じカプコンの『大神』でディレクターを務めた、神谷英樹さんがとあるインタビュー記事で、「ロックマンが“しゃがむことができない”仕様には理由がある」と語っていました。

 その記事では理由は語られなかったのですが、『逆転裁判』や『逆転検事』の制作に携わっている、カプコンの山崎剛さんが、ある講演のなかで、その理由について語っていました。

 それは、「敵の攻撃をよける際、ロックマンをしゃがませるような、消極的なプレイをしてほしくなかった」という理由です。

ピサロナイト:
 「ゲームの仕様や企画には、明確な理由が必要であり、プログラマーやデザイナーに納得してもらうための、確たる必然性を要する」

 カプコンに入社した新人の皆さんは、こういった教えを、先輩から受けるのだそうです。 

ピサロナイト:
 そして、その教えを受ける際の、例として挙げられるエピソードが、「ロックマンがしゃがめない理由」であり、山崎剛さんも、新人の時に、逆転裁判を手掛けていた巧舟さんに、その心得を教わったそうです。

「しゃがみ」からみる『スーパーマリオブラザーズ』とのゲーム性の違い

ピサロナイト:
 『スーパーマリオブラザーズ』が、“敵を避ける”ことに主眼を置いた、「タイミング重視型」のアクションであるのに対し、『ロックマン』シリーズは、“敵を倒す”ことに主眼を置いた、「反射神経重視タイプ」のアクションです。

ピサロナイト:
 敵の行動パターンが複雑で、予測が難しく、一部例外はありますが、多くの敵は、ロックマンのスピードを完全に上回っているため、とっさの判断と、指先の反射神経を要する操作が必要になります。

 そういった、敵を倒すことに主眼を置いた、指先の反射神経を要するゲーム性が、優れた操作性を実現しているのです。

 普段、プレイしていてもあまり気に留めることはなかったであろう「しゃがみ」の有無。そこには、『ロックマン』というゲームを、スリルを感じながらプレイすることができる秘訣と、カプコンという会社でゲームを作る際の教訓までもが込められていました。

 知れば知るほど深い、『ロックマン』に関する解説動画。ノーカットでご覧になりたい方は、ぜひ動画を視聴してみてください。


【【ロックマン1・2】ロックマンがしゃがめない理由-ゲームゆっくり解説【第35回前編-ゲーム夜話】】


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