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『週刊文春』元エース記者と現役記者を逆直撃!「本当にタブーってないんですか?」

文春が「張り込み」に力を注ぎ始めた背景

中倉:
 一般的に政治ネタや芸能ネタなどのスクープを撮るというと、「張り込み」というイメージがあるのですが、実際にどのように張り込みって行っているんですか?

中村:
 元々文春では張り込みをする文化がなかったんですよ。僕が文春に来た当初の1995年時点では、張り込みは直撃をするための張り込みであって、スクープを激写するための張り込みではなかった。後者は写真誌や女性週刊誌の専売特許だったんですね。ですから、我々は先輩から「張り込みに行くくらいなら、事件の現場に行ってこい」というようなことをよく言われていました。文春は他の週刊誌、写真誌から来た人や新聞社から来た人などで構成されていますから、世間のゴシップやエンタメに関する関心が高くなるにつれ、「できる人がいるんだからやってみるか」という流れになって、張り込みをするようになった。

文春くん:
 あと、もう一つ張り込みをするようになった理由として考えられるのは、ネット民によるところが大きい。君たちのせいなんだよ!(笑)

文春くん:
 文春の新しい張り込みチームって、自分が中心になって作ったものなんですよ。なんでそこまでするようになったかというと、しっかり取材した上で事務所も認めているAKBのスキャンダルをすっぱ抜いたときに、「妄想だけで記事を書きやがって」と言われた。ふざけんなよ!って(笑)

一同:
 ははっはははは!

文春くん:
 だったら、証拠写真を撮ってきてやるよ! って火がついた! それで張り込みをして写真を撮るようになったんですよ。AKBに「恋愛禁止」っていうルールがなければ、これほど証明するためにムキになっていなかった(笑)。写真を撮ったら撮ったで、今度は「合成だ!」とか言われるし、ふざけてますよ!(笑) とは言え、写真を撮ることで記事の信憑性が増したことも事実。

中村:
 一切扱わないと「物足りない」って言われるし、扱ったら扱ったで「夢を壊しやがって」とか言われちゃうんだもんね(笑)。

中倉:
 そういう苦心を経てできたものが記事になって店頭に並ぶわけですね。

中村:
 でもですね、張り込みって本当につらいんですよ。一週間やって何も成果が上がらないときは、「俺は今何をやっているんだろう」ってつくづく思います(苦笑)。

中倉:
 経費などは出るんですよね?

中村:
 もちろん、仕事だから出ますよ。こんなこと好きでやってたら、人間として“サイコパス”ですよ。

文春くん:
 うはははっはは! ホントですよ!

中村:
 お風呂にも入らないで、ずっとやっているんですから。

文春くん:
 でも、撮れたときの達成感たるや気持ちいい!

「張り込み」のつらすぎる実態

中村:
 張り込みに関しては、写真誌は本当にプロですね。現在、文春でも活躍している宮嶋茂樹さんは、元々はFRIDAYのパパラッチです。福山雅治さん主演の「SCOOP!」という映画がありましたけど、まさにあの世界。余談ですけど、あの映画はよく再現されていましたね~。カメラマンと記者で張り込むケースが多いのですが、まず音を立てちゃいけない。ですから真冬でもエンジンを切るので、寒くて仕方ない。

文春くん:
 クソ寒い。

中村:
 寝袋にくるまりながら、ターゲットが出てくる一点だけをずっと見続ける。厳しいカメラマンの場合は、音を立てただけで殴られます(苦笑)。

文春くん:
 ですから、プリウスのおかげで大分助かっています(笑)。でも、窓が曲線だから撮りづらいんだよなぁ。

中村:
 そうそう。ゲレンデヴァーゲンというベンツの四駆があるじゃないですか。あれって直面ガラスなので(自分たちが)写り込まないんですよ。窓越しに撮りやすいから、パパラッチ憧れの車なんです。

文春くん:
 もちろん価格が高いですから乗れるカメラマンは限られますけどね。さっきコメントで「アンパンと牛乳ですか?」って書き込みがありましたけど、そんなことはない(笑)。

中村:
 昔はけっこうあったけどね~。そもそもご飯さえ、食べさせてくれないこともあったけど。まぁ、徒弟制の名残ですよね。

文春くん:
 お腹がいっぱいになると眠たくなってしまうので集中力が切れるんですよね。あと、ウンコに行ったりするときにやたらとターゲットが出てきたりする!

文春くん:
 いろいろと「今出ないでよ!」みたいな(笑)。とにかく明るい安村さんに直撃したときも、僕と一緒に張り込んでいた相方がウンコにいっていたんですよ。

中倉:
 トイレね(笑)。

文春くん:
 ウンコじゃダメ!? で、戻ってきた相方にせっかくだから「パンツ履いてますか?」って聞きましたね(笑)。

中倉:
 うまいことネタみたいになってしまった(笑)。

中村:
 間違いなく言えるのは、張り込みは……つらい。。

中倉:
 しみじみ言いますね(笑)。

中村:
 本当にね、何時間もガタガタと震えながら車中にいると、「何やってんだろう……」って自分に問いかけちゃうんですよね。家にも帰れないから、交代で銭湯に行って、戻ってきたらずっとファインダーを覗くだけ。

中倉:
 ほぼ路上生活者みたいな感じですね。

やりたくないことを乗り越えてこそ一人前になれる

中村:
 ほんとそんな感じなの。だからこそ、撮れたときの一瞬はうれしい。根性は必要ですけどね(笑)。

文春くん:
 やりたい仕事ばかりできるわけじゃないですからね~。

中村:
 週に一回休みはあるけど、ないようなもんです。週に一度の会議で必ず5本のプランを用意しておかなければなりません。ネタを考え、取材をして、聞き込みをして、それで原稿を書く。休める余裕はほとんどないかなぁ。

中倉:
 ユーザーの皆さんも、出版業界、しいては文春のハードなスケジュール内容にびっくりしているみたいですね。

文春くん:
 でも、やりたいことをしているわけで、やらされているわけじゃないからなぁ。

中村:
 お金がいいとか割に合う仕事って他にたくさんありますよ。この仕事が好きじゃないと続けられないでしょうね。憧れて入ってきたものの、早々に辞めていった人もたくさん見てきました。ものづくりをする場所っていうのは、少なからずブラックなところはあると思いますね。我々で言えば、9時~17時で仕事をしていたら取材になりませんからね。

中倉:
 そうですよね。

中村:
 僕らは17時からネタ元と会食をしたりするわけで、さらに二次会、三次会に行くことで人脈が広がる。それを短期間じゃなくて、ずっと続けていくわけですからね。やっぱり憧れだけではやってはいけないです。やりたくないこともやれるようにならないと、一人前になれないですよ。いっぱしの記者になれない。

文春くん:
 そういった積み重ねが信頼になって、仕事を任されるようになる。「こういうことがしたいんです」って言ったところで実績がなかったら任せてくれませんよ。

脱サラ戦士、女性記者……バラエティに富んでいる週刊文春

中村:
 あと、一般常識は持っていないといけません。僕はもともとアパレル業界にいて、脱サラしてこの業界に入ったのですが、文春って意外とそういう人が多いんですよ。

中倉:
 えええぇ!? そうだったんですか? 文春くんは?

文春くん:
 僕は大学時代に水商売……バーみたいなものを経営していて、そのときにアルバイト感覚で文章も書いていて、それでこの世界に入るようになった感じですね。

中倉:
 へぇ~!

中村:
 文春っていかにも文系な人ばかりが集まっているように思われるかもしれませんが、女性記者もいますし非常にバラエティに富んだ人間が集まっているんです。「メディアとはこういうものである」みたいな人こそ、一番危なっかしい。社会人としての教養やバランス感覚に優れていることが求められると思います。

中倉:
 僕はずっとアナウンサーをやっているので、マズいですね……(苦笑)。

中村:
 僕、ゴールデン街とかで議論を吹っ掛けてくるような人ってすごい苦手なんですよ(笑)。

文春くん:
 あ~苦手ですね!(笑)

中村:
 多様な価値観が集まるからこそ、政治ネタから芸能ネタまでさまざまな記事が書ける。同じような人が集まるマスコミ研究会やセミナーみたいなところに行っても、あまり人脈は増えないし、スキルも身につかないと思いますね。「メディアとは」「マスコミとは」みたいな考え方が凝り固まると正義が狂暴化するというか、バランス感覚を失いますよね。

中倉:
 なるほど。最近はアナウンサーも「アナウンス研究会に入ってます」みたいな人よりも、業界・分類問わずいろいろな視点を持った人をアナウンサーとして採用する風潮がありますね。

下世話な人間だからこそ週刊誌が好き

文春くん:
 ……あ! アナウンサーと言えば、やっぱりアナウンサーってコネ入社が多いんすか!?

中倉:
 な、なんぞ!?

中村:
 あーNHKはコネが多いよね。石を投げれば政治家のコネにあたるみたいなね。

中倉:
 ………。

文春くん:
 放送局ってコネが多いっすよね!?

文春くん:
 「あいつはコネだ」とか、みんな陰では言ってるんでしょ!?

中倉:
 うう、うん、まぁ、陰では……じゃない! 言わせないでください(笑)

中村:
 週刊誌って人間の下世話な部分を引き受けているんで、僕らも含めて大した人間じゃないんですよ(笑)。

文春くん:
 そうそう!(笑) スクープを上げているからカッコいいとかではなく、ただのゲスです!

中村:
 スキャンダルについて書いてますけど、僕らもそういう人間ですから「不倫はするよね」「お金はもらっちゃうよね」とか理解できる部分が多々あります(笑)。自分たちが下世話な人間だと自覚しているので、今日は出演するにあたって、相当誹謗中傷を書かれると思っていたんですよ。でも、そんなことはないコメントばかりでありがたかったです(笑)。でも、書かれたとしても、そりゃ当たり前だろうなって思いますよ。

文春くん:
 今日は優しい(笑)。ニコニコの「文春砲live」に比べたら、なんて常識人が多いんだ! って思いましたよ(笑)。公式はいいなぁ! 「文春砲live」だとボロクソに言われますからね。でも、そう言われるのも納得なんです(笑)。

中村:
 何度も言いますが、けして立派な人間ではない(笑)。

来週か再来週にファンがざわつく系の文春砲が発射される!?

中倉:
 今日は週刊文春についていろいろお話を伺ってきましたが、本当にネタが尽きない(笑)。とは言え、そろそろお時間が迫っているので締めに入りたいと思うのですが、先ほど話に上がった張り込み関連で、文春くんが仕込んでいるネタがあるとか、ないとか……誰を狙っているのですか?

文春くん:
 それは言えませんよ!(笑) でも、来週か再来週に一つ面白い張り込み系の写真記事が出ます、とだけは予告しておきます。

中倉:
 お! それを探すのも楽しみですね!

中村:
 内部にいたから、僕なんかは記事を読めば、「この記事が文春くんが書いた記事だ」って、文章のクセや構成で分かる(笑)。

文春くん:
 (笑)

中倉:
 ユーザーの皆さんも、今日の放送で文春くんの人となりや得意ジャンルが分かったかもしれませんから、来週か再来週に載る張り込み系の記事を見つけて、「これが文春くんの記事か!?」なんて予想するのも楽しいかもしれませんよ(笑)。

文春くん:
 ヒントとしては記事に載っている人物のファンはざわつく系ですね~。

中倉:
 ということは芸能系ですか!?

文春くん:
 大きいのはまだ潜っている最中ですけど、その前菜みたいなもんですかね。

中村:
 事務所の人がこの放送を見ていたら、ざわついているかもしれない(笑)。

中倉:
 でも、最後の最後まで情報は出ないという。

文春くん:
 直撃するかもしれないですから、芸能人の方、そのときはよろしくお願いします!

今回ご出演された中村さんの著書
スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ

 

ニコニコチャンネル「週刊文春デジタル」

 

ニコニコドキュメンタリー総力特集「文春砲」公式サイト
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