異世界ものや腐女子系作品の人気高し! “次にくるマンガ大賞2018”ノミネート作品の傾向から見る今年のwebマンガ主流ジャンルとは
6月22日より7月2日の期間にかけて、今後ブレイクしそうなマンガをユーザーからの投票によって決めるユーザー参加型のマンガ賞“次にくるマンガ大賞2018”の本投票が開催されています。
今年は、コミックス部門1862作品、webマンガ部門1849作品のエントリーの中から、それぞれ50作品がノミネート作品として選出されています。
ここでは、webマンガ部門をフィーチャーし、ノミネートされた作品をリサーチ。
どのようなジャンルが多くノミネートされているのか、今年のwebマンガでアツいジャンルはなんなのかを調査し、とくに多かったジャンルをピックアップして紹介していきます。
【ピックアップジャンル一覧】
●異世界ファンタジー系作品
●日常系作品
●腐女子系作品
●美少女・百合系作品
●シブいオジサマ登場系作品
異世界ファンタジー系作品
webマンガ界隈でいまもっともアツいジャンルと言えば、異世界ファンタジー作品! アニメ化される異世界もの作品もあり、やはり注目度は高いようです。
『とんでもスキルで異世界放浪メシ』
中でも話題作は、『とんでもスキルで異世界放浪メシ』でしょう。こちらは、勇者召喚に巻き込まれた27歳独身サラリーマンが、固有スキル“ネットスーパー”を駆使して大活躍するトンデモ冒険譚。
“小説家になろう”で年間1位を獲得した作品のwebマンガ版が、待望のノミネートとなりました。
『今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いする漫画』
異世界ラブコメ『今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いする漫画』も外せません。
最強の女騎士・レオが、言い寄られて照れまくる姿はカワイイのひと言! ニコニコ静画のユーザー投稿作品としてスタートし、瞬く間に反響を呼んで公式連載化された注目作となっています。
『魔界ガチャは今日も渋い』
『魔界ガチャは今日も渋い』といった異色作もノミネート。地球侵略にきた魔王が、“魔界ガチャ”で召喚したバニー怪人ラビィさんなどとくり広げる、ドタバタ侵略劇は必見です。
このほかにも、『死神坊ちゃんと黒メイド』や『王様ランキング』など、独特のタッチで描かれる異世界作品も目白押し。どれも見ても「次にくるかも!?」という気にさせられる強豪カテゴリと言えるでしょう。
日常系作品
気軽にページをめくれるwebマンガでこそ読みたいのが、いわゆる日常系マンガ。このジャンルもやはり強いです。
『宇崎ちゃんは遊びたい!』
まず注目は、『宇崎ちゃんは遊びたい!』。態度やら何やら、いろいろデッカい宇崎ちゃんの登場するラブコメが、ついにノミネートとなりました。気まぐれ小悪魔なウザカワ後輩。その魅力に抗える者は、恐らくこの世にいないでしょう。
『ふしぎねこのきゅーちゃん』
続いて紹介するのは、ゆるふわ男子の主人公と、どこか不思議な拾い猫のきゅーちゃんを、優しげなタッチで描く『ふしぎねこのきゅーちゃん』。散りばめられた“飼い猫あるある”と、ときどき妙に人間じみた動きを見せるきゅーちゃんが、読んでいてたまりません。
『うちの変態メイドに襲われてる』
中には、『うちの変態メイドに襲われてる』のように、「こんな日常あってたまるか!」と叫びたくなるうらやまけしからん作品も。
変態押しかけメイドが暴走しまくるというぶっ飛んだストーリーですが、独特の生活感というか、男女の生々しさというか……何にせよ読み進めれば日常系であることはわかっていただけると思います。
そのほか、肉親を亡くした女子高生を主人公に据えた作品が、奇しくも2作品ノミネート。一方はオネェ系の叔父に引き取られる『あたらしい家族ができました。』、もう一方はクールな倫理教師に引き取られる『せんせいのお人形』と、展開は大きく異なりますが、両作とも読めばほっこりすること間違いなし。珠玉のハートフルホームコメディです。
腐女子系作品
webマンガ、それは女の欲望番外地……。今回のノミネート作品の中にも腐女子系のマンガがいくつか見られました。
『純情乙男 マコちゃん』
まずは“ふわキュン乙男×オネエ系バンドマン”という斬新すぎる恋路を描いた『純情乙男 マコちゃん』。恋愛観、フッション観、推しを追いかけるオタク観にいたるまで、こじれた乙女心を受け止めてあり余る、エネルギーに満ち溢れた作品です。
『腐女子クソ恋愛本』
また、世の腐女子たちの恋愛エピソードをハムスターが痛快にぶった切る『腐女子クソ恋愛本』も、ノミネート作品に堂々選出。累計450万以上の閲覧数を誇る、言わば“腐女子啓発本”として反響を集めています。
『メタモルフォーゼの縁側』
“腐女子あるある”を、新基軸から展開したのは『メタモルフォーゼの縁側』。夫に先立たれた御年75歳のご婦人が、ある日書店でBL本を手に取るところから幕を開ける物語。初々しくほほえましいスローライフに、誰しも“沼”にハマり始めたあのころを思い出してしまうこと請け合いです。
これ以外にも、腐男子になっていた元カレと衝撃の再会を果たす『元カレが腐男子になっておりまして。』や、雪だるまに夢中になるわんぱく20代男子たちが織り成す『類はトモを呼ぶ』など、腐女子期待の新星たちが続々とノミネート。もはや、いま大賞にもっとも近いジャンルと言っても過言ではありません。
美少女・百合系作品
「野郎はいらねぇ!」という過激派美少女フリークにオススメしたい作品も、各種ノミネートされています。
『猫娘症候群(かとるすしんどろーむ)』
『猫娘症候群(かとるすしんどろーむ)』は、ふいに“猫娘化”する原因不明の病にかかった白樺雪と、稀代の猫たらし・彩野りこを中心に描かれる学園ストーリー。美少女好き、百合好き、猫好き、猫耳好き……さまざまなニーズを満たしてくれる、ありがたい作品になっています。
『飛野さんのバカ』
濃厚な百合成分をお求めならば、『飛野さんのバカ』がオススメ! 真面目で健気な委員長・小熊ちゃんが、サボり魔・飛野さんに「お前のを吸わせてくれ」だとか「あぁ、良い匂いだな」とか言われ、赤面しまくる問題作です(どんなシチュエーションかはご想像にお任せします)。
『はなにあらし』
併せて、女子校でヒミツの交際を続ける千鳥&なのはの青春を描いた『はなにあらし』も紹介したいところ。
「私には、親友がいます。」で始まり、「私の親友は、私の、恋人です。」で締めくくられる第1話から、キュンキュンしてしまうことは必至でしょう。
シブいオジサマ登場系作品
シブいオジサマが登場する作品も根強い人気を誇っているようでした。激シブのオジサマたちが送るめくるめくストーリーを3点紹介しておきたいと思います。
『おじさまと猫』
まずは、閲覧数3.2億超というオジサマ愛好家たちの大本命、『おじさまと猫』。オールバックの壮年男性は、ペットショップで売れ残っていた一匹の成猫と出会います。
おじさまは「お前と出会えたことが幸福だから」と、猫に“ふくまる”と名付けて愛情を注ぐ一方、“ふくまる”もその愛を目一杯に享受。ふたりの幸せスパイラルに、心温まること確実の一作となっています。
『今どきの若いモンは』
対抗馬として、『今どきの若いモンは』もご紹介。見るからにカタブツそうな石沢課長ですが、口グセの「ったく今どきの若いモンは……」からくり出される言葉が若者心を理解しすぎていてツラい。
こんな上司が身近にいてくれたら、と思わずにはいられないナイスミドルを描いた作品です。
『極主夫道』
大穴、というか「オジサマと言っていい年齢なのか?」という疑問は残るものの、ある意味目が離せないのが『極主夫道』。
元・伝説のヤクザの専業主夫生活を描く本作には、“ドスでキャラ弁作り”、“ルンバにカチコミを指示”など、抱腹絶倒シーンが盛りだくさん。どこか気の抜けたオチもクセになること間違いなしの、アットホーム任侠コメディとなっています。
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