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SKY-HIが新アルバム『OLIVE』に込めた想いを解説「今だからこそ愛と平和を伝えたい」

 1月18日にリリースが決定される、待望のNew Album『OLIVE』を、SKY-HI氏自ら解説を行う番組。『SKY-HI生出演 ニューアルバム『OLIVE』リリース記念 ~本人全曲解説ニコ生特番~』が配信された。

 発売間近で6万枚あった予約分も完売状態、更に3万枚追加を行ったものの、番組中に完売を知らされるなど、発売前から注目が集まるこのアルバム。SKY-HI氏が語る「愛と平和」とは? レコーディングでの心情や歌詞に込めた思いなどを、熱く語ってくれた。

SKY-HIが感じた変化する時代とJ-POPの役割

 もともと、2000年代とか、その前とかにJ-POPが担っていたことって、揶揄自体が陳腐だと思うんだけど、翼の話とか、未来や夢は手の中とか、弱い自分を捨て去って新しい自分に生まれ変わるんだとか、そういう言葉。今それがテンプレ化して揶揄の対象になっていたりするんです。

 SNSディスとか陳腐で簡単だからあまりいいたくないんだけど、今って常にTwitterがあって、LINEがあって、ずっとコミュニケーションしている時代だと思っていて、たぶん、そういうのが無かった時代は、部屋でエア・ギターとかやったりして、ひとりだけの時間が否が応でもあったと思うんですよね。その時に自分と自ずと向き合っていた気がするんですけど、それが今は明らかにコミュニケーション過多。

 俺は最強で究極のコミュニケーション術が、音楽だと思っていて、なんでかというと、その人の歌になりえるから。その人本人が知らないその人に出会わせてくれるのが良質な音楽だと。

 でも、最近のポップスってほとんどの作品がそれをなし得てなくて。もちろん、できている作品も当然あるし、俺も日本の音楽、好きなのがたくさんあるけど。表立って「愛や平和」とか、「自分自身と向き合う」こととか、「自分の隣りにいる人を愛する」というのは、難しいし、それ以上に難しいのって、「自分自身を愛してあげる」ことかなと思って。

 しかも自分自身っていっぱいいるじゃないですか? 親といる時の子供の自分、子供といる時の親の自分とか。もっというと、嫌味な自分とか、卑屈な自分とか、すごく明るい自分、ネガティブな自分、本当は根暗な自分とか。

 いろいろな自分を本当は持っていると思っているんだけど、その中で、夢を見させて嫌な自分から目をそらさせるのが、昔のポップスとか架空のファンタジー。セカオワが提唱したファンタジーはすごいリアル(現実世界)で、それを見せるためのファンタジックだったから、現代的だなと思ったんだけど、セカオワの話は長くなるから置いておいて(笑)。

旧来の皮肉めいたファンタジーの終焉

 昔の、「本当に夢を見せよう」としていたやり方は、たぶん時代と適さなくなっていて、そのメッキの向こう側が大切な時代になってる。だから、今生きやすいのは、存在しやすいのは、現状そういうのを揶揄する人「翼広げすぎwwww」みたいなやり方とか。

 これはディスじゃなくて、本当に好きなんだけど岡崎体育さんとかの揶揄の仕方とか、ギャグっぽいやり方とか、皮肉とかが、すごくウケるっていうのは、ロジックとしてはすごくわかるし、俺もメッチャ笑ったし、見ながらゲラゲラ笑って最高だと思ったけど。

 この時代、コミュニケーション過多で自分と向き合う時間って本当に意外と少ない時に、本当の自分の内側まで届かせてくれるものだったり、もっとザックリ言ったら「愛や平和」とかをしっかりと歌う人っていうのは、すごい数のリスナーと向かい合うポップスターになろうという人間の、今一番すべきことだとも思う。

 ジョン・レノンとか、マイケル・ジャクソンとかがそうなんだから、ポップスターとしてはそうじゃなきゃって、したわけじゃないんだけど、彼らは彼らの時代に、それを自分のメッセージの一番強いところとして、リスナーたちに手渡した。

今だからこそ「愛と平和」

 ジョン・レノンについては、ひとりの女性に向かってのみ歌っている可能性すらあるから(笑)。

 カタチは色々違うんだけど、俺は今の時代に、それこそ虐げられていたり、偏見の目で見られていたりすることが多かった中で、俺を音楽家として存在させてくれたリスナーが居るってずっと感じていたこの時代に、そのリスナーに対して手渡すメッセージは、揶揄や皮肉やシニカルなことではなく、伝えたいことはなにかと言ったら、「愛と平和」。

 自分のことを愛すること、自分の隣にいる人のことを愛すること、というのが、なんというか難しい時代になっちゃったから。それを絶対にやる必要があると思ったし、自ずと、リスナーと、俺の周りのスタッフとバンドとダンサーと自分の周りにいる人と、一緒にいたら、自ずと出てきたのが『OLIVE』だった。

 この番組でSKY-HI氏は、他にも各方面に対する想いや、ちょっとした一問一答など、予定時間を大幅に延長して語っている。
 続きが気になる人はタイムシフトからどうぞ。SKY-HI氏の新たな一面を知ることが出来るかも。

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