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「生活保護受給者のパソコン購入」納税者として支持できる? できない? 「自立更生の出費」の許容範囲とは

 生活保護受給者のパソコンを購入は「自立更生の出費」にあたるか。

 自治体による生活保護費の返還請求をめぐる訴訟で、東京地裁は「パソコンは知人に借りることができる」として、自立更生の費用とは認めない判決を出しました。

 これを受けて『ニコ論壇時評』では小飼弾氏山路達也氏が、生活保護の資金使途確に規定することの是非や、日本の租税体系の問題点・ベーシックインカムの仕組みについて言及しました。

左から小飼弾氏、山路達也氏。

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生活保護でパソコンを買うのは、極めて有効なお金の活用

山路:
 意味がわかんないですけどね。今はスマホとかパソコンがなかったら何もそういうことできないんじゃないかなって。仕事を探すにしても、学ぶにしても。

小飼:
 裁判所の人たちは違うのでしょうね。

山路:
 「生活保護でパソコンを買うとダメだ」みたいなことができて、それは「知人からパソコンって借りられるでしょ?」みたいなことが判決文に書いてあったんですよね。

小飼:
 要は人のお金の使い方に細かくケチをつけてるんですよ。細かくケチつけない方がいろいろな使われ方をするんですよ。だから僕は生活保護でパソコンを買うというのは、極めてお金を有効活用してくれたということで、納税者としては支持しかないですね。

山路:
 パソコンを買って、それで遊ぶもよし、仕事を見つけてやるでもよし。

小飼:
 そうそう、だからアプリを作って一発当てたら、また富が生まれるわけじゃないですか。

山路:
 もらった範囲内で身を縮ませて暮らしてても全然消費は伸びないわけですもんね。生活保護だと自動車も認められないんですかね。

小飼:
 そういった意味で、いちいちあれはいい、あれはだめという余計な手間をかけさせるでしょ? 何のための生活保護なんですか。黙って金を渡して、放っておけばいいじゃないですか?

山路:
 そこのところで妬み嫉みが発生して足を引っ張ろうと……、つまり働かないのにお金をもらえているっていう、そこに妬みが発生するんですよね。

小飼:
 そうそう、人を妬んだり嫉んだりやっている暇があったら、自分のお金の使い方を考えればいいじゃん。妬み嫉みをしている人たちというのは、そういうお金もないのか。

山路:
 どうなんだろうな、妬み嫉みをやる人というのは生活保護よりはちょっと入ってくるお金は多いわけですよね。

小飼:
 だから不正受給というのは、要は何が正しくて何が正しくないのかというのを渡す側がいちいち考えなければいけないでしょ? それは、親が子に対してだったらいいですよ。例えば親が子供に小遣いを渡して、それでガチャにスられたりしたら、それは怒ってもいいですよ。でも大人が別の大人に渡しているわけですよ。

山路:
 まあそれをギャンブルでスろうが、酒呑んでスろうが、本人の消費の仕方だろうなという……。

小飼:
 いい意味でお役所仕事をするべきなんですよ。お役所の方でいちいち細かく考えてあげない。

税金というラベルが貼られていないだけで…

山路:
 「ベーシックインカムが正解」とコメントがありましたが、今の議論は本当にそういうことですよね。コメントでは「まず外国人に金を出すのをやめよう」みたいなのがありますけど。

小飼:
 え、なんで?

山路:
 なんででしょうね。これって、深い問題でもあるかなと思います。例えばベーシックインカムで、世界同時に全部やるんだったらともかく……。

小飼:
 全世界でやるのが、一番効果あるね。

山路:
 どこかの国のひとつが、ベーシックインカムとかであるとか比較的充実した社会保障を実施したら、そこに必ず人が集まりますよね。

小飼:
 要はタックスヘイブンができてタックスヘイブンに集まっちゃうという問題を抱えているわけですけれども。

山路:
 その問題は、社会保障の財源がある程度限られているわけじゃないですか。無限にあるわけではないから、そこのところで新しくやってくる外国人にも渡せるのかという……

小飼:
 でも、「無限にあるわけではない」で議論を止めちゃってるでしょ? では逆に一体いくらあるんだとか、精査していないよね。例えば税金の話になっても、財務省が集めている税金の議論にばかりなるじゃないですか。でも、実際は厚労省が集めているものの額の方が大きいんですよ。

山路:
 年金だったり、健康保険の掛け金みたいなものであったりとか……。

小飼:
 社会保障の分は累進課税ですらないわけでなく、天井があるんですよ。もしこれを税金と一本化できて、所得税として取れれば、もっと取れるんですよ。

山路:
 税金というラベルが貼られてないだけで、実質的に取られてるものはあるんだけど、それをみんなよくわかっていないという。

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