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「HIPHOPは“どう生まれたか”より“何を栄養に大きくなったか”が重要」——社会派ラッパーが日本のHIPHOPの扱いに言及【吉田豪×久田将義×Kダブ】

 9月9日に放送された『タブーなワイドショー』にて、久田将義氏吉田豪氏が、Kダブシャイン氏を交えて、自民党新潟県連青年局が『政治って意外とHIPHOP』と書かれたポスターを出したことについて語りました。放送ではKダブシャイン氏が「“意外と”というのは余計だし、アベノミクスとヒップホップは相反するものだと思う」と解説しました。

 また、ダイノジ大谷ノブ彦氏が『心のベストテン』にて「ヒップホップ警察を追い返せ!!」と発言し、炎上した問題についてもKダブシャイン氏は「ヒップホップがどう生まれたかよりも、何を栄養に大きくなったかということが重要」とコメントしました。

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我流のヒップホップを否定するのが“ヒップホップ警察”?

吉田:
 これは、Kダブさんの名前が朝日新聞に出るくらい、話題になった。

Kダブ:
 一番噛みついた時に先頭切っちゃった感じで、逆にみんなそんなに援護してくれなかったけどね。

吉田:
 そうなんですか? 怒って当然ですよね、これは。

Kダブ:
 でも、意外に怒らないんだよね。

吉田:
 わからない方のためにざっと簡単に説明をお願いします。

Kダブ:
 最近、ヒップホップ警察って呼ばれているんだよね。

吉田:
 呼ばれていますね。

Kダブ:
 言っているのが、ダイノジの大谷あたりなんで。

『ダイノジ』の大地洋輔(左)と大谷ノブ彦(右)。画像は吉本興業株式会社 公式サイトより

吉田:
 ありましたね!

Kダブ:
 だから最近、文句を言いたいのはどっちかというとそこで。

吉田:
 言いましょう。それはありです。

久田:
 それは言いましょう。

Kダブ:
 今度、ちゃんとお説教しますから。

 一部の音楽好きでヒップホップっぽいことをやっている人たちが、本気でヒップホップやっている人たちから、「そんなのヒップホップじゃねえよ」と言われるとうっとしいから、「あいつらヒップホップ警察だ」と呼んで、追い返す。みたいなことを言っていたんですよ。

 だったら、俺はもう「逮捕してやる」って感じでね。

吉田:
 ダイノジの大谷さんを。あとライターの「柴那典」さんでしたっけ。「ぼくのりりっくのぼうよみ」さんは巻き込まれた感じなのかな。

Kダブ:
 そうですね。

吉田:
 あれに関しては、ヒップホップというのは、「黒人みたいなバックボーンがないとできない音楽だ」みたいなことを、「まだ言うのか」と思うんですよ。

久田:
 そうそう、そこを聞きたいですね。

Kダブ:
 日本人でラップをやる人に多いのが、ヒップホップを真剣にやっても、自分たちはそこまでひどい境遇に生まれたわけでもないし、差別されているわけでもないから、そこまでは共感できない、ということがあり、自分たちは自分たちのやりやすい形のヒップホップを見つけたい、という言い方をする人が多いんですよ。

 それって自分たちのやりやすいヒップホップで、本当のヒップホップではないから、ヒップホップと呼ばなくてもいいんじゃないか? と俺は思うし、仮にネガティブな体験とかをしていなくても、そういう人たちがいるということが、外国だけではなく国内だって全員幸せなわけじゃないんだから、そこに共感してヒップホップをやる。

Kダブ:
 例えばボブ・ディランやブルース・スプリングスティーンだって、億万長者だけど、やっぱり労働者の気持ちとか、下層で苦しんでいる人たちの気持ちに寄り添って曲を作るわけだから、「自分たちは自分たちのやりたいヒップホップをやる」ということで、そういうところから一切目を背けるんですよ。

 そして、僕は最近、ヒップホップと日本語ラップは別に分けて考えている。日本語ラップは別に誰がやろうと、じじいだろうがばばあだろうが赤ちゃんだろうが、ラップしていれば“日本語ラップ”だし。

 日本語ラップと言っているだけで、“日本語”と付いちゃう。日本人が日本語でラップをやるのは当たり前なのに、「日本語と付けるだけでそれはちょっと負けているな」と思うから、“ラップ”にすればいいと思うし。

 ヒップホップはヒップホップで、伝統にある程度沿ったものをヒップホップと呼ばないと、別ジャンルのものになっちゃうじゃないか、と思う。

吉田:
 “ヒップホップ”と名乗った瞬間にヒップホップ警察が出動すればいいんですよね。「ラップです」と言っている分には勝手にやってくれと。

Kダブ:
 そうそう。だからラップもヒップホップから派生したんだよ、と言うのは一応覚えておいてね、と思うけど。

業界の裏側も語らずに「音楽ジャーナリストです」

久田:
 だから、何事もオリジナルを押さえておかなきゃいけないじゃないですか。

吉田:
 ここから始まったということをちゃんと理解していないと。

Kダブ:
 だから大谷ちゃんとかは、そういうことを僕が言うことによって、窓口が狭く、敷居が高くなっていると言う。

吉田:
 ヒップホップ警察のせいで。

Kダブ:
 「純粋に楽しめないよ」みたいなことを言うから、お前らで楽しまなくていいよ。

吉田:
 (笑)

Kダブ:
 好きじゃないんだから。

久田:
 僕も本当にラップ好きとしてそう思いますよ。

Kダブ:
 一丁噛じゃないですか。ダイノジ自体は別に嫌いじゃないですよ、僕は。

吉田:
 大地さんと東野さんと、Kダブさんと僕の4人で飯食いましたよね。

久田:
 ダイノジのライブは面白いんですけどね。だから一丁噛するのが嫌だ。だから大谷さんが問題じゃないですか。

Kダブ:
 音楽ライターは、音楽のことについて色々と言うけど、音楽業界のことを何も言っていないから、もうみんなクソですよ。業界の裏側も語らずに「音楽ジャーナリストです」なんて、本当に聞いていられない。

吉田:
 なるほど、起きていない部分もちゃんと話せ、ということですか。

Kダブ:
 批評家、評論家ではあるけれども、ジャーナリストではない。

吉田:
 よく言いますよね。音楽誌は基本広告で成り立っていて、その上でどれだけジャーナリスティックなことができるのかっていう。

Kダブ:
 本当はもっと新聞とか、音楽誌でも伝えるべき。例えば、アメリカの『ローリング・ストーン』【※】とかは、変なアルバムを出したらちゃんと酷評しますよ。

※ローリング・ストーン
音楽や政治、大衆文化を扱うアメリカ合衆国の隔週発行の雑誌。

吉田:
 インタビューにしても、レビューにしても、広告を入れなきゃやってくれないのが音楽誌じゃないですか。

Kダブ:
 提灯記事しか書かないから、インタビューも文字起こししかしない。

久田:
 そうですね。ちゃんと自分の分析をしないかもしれないですね。

Kダブ:
 しない。

久田:
 自分のフィルターを通して言葉喋っていないかもしれませんね。

Kダブ:
 音楽はそういう意味で殺されたんですよ。


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