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『風の谷のナウシカ』の撮影で使われた超貴重な“王蟲のセル画”を公開! バラバラのパーツを組み合わせて映像を作る驚きのギミックを評論家がご紹介

 毎週日曜日、夜8時から生放送中の『岡田斗司夫ゼミ』。新年1回目となる1月6日の放送では、宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』の特集が行われました。

 この中で、パーソナリティの岡田斗司夫氏は、実際にアニメ本編の撮影に使われた“王蟲のセル”を公開。劇中で王蟲が見せる独特な動きについては、これまでにも「“ハーモニー処理”という特殊な塗装を施された細かなセルを、1つ1つゴムで繋げて連動させるという“ゴムマルチ”という手法が使われた」と、ファンの間では知られていましたが、その実物が公開されることはありませんでした。

 岡田氏は、自身の生番組の中で、このゴムマルチによる王蟲の動きを、実物のセルを使って再現。30年以上が経過していても全く色あせない王蟲の様子を披露しました。

岡田斗司夫氏

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幻の“王蟲のセル”入手の経緯

岡田:
 王蟲のセルが発見されたということで、今からちょっとお見せします。入手の経緯は2018年5月6日の『岡田斗司夫ゼミ』で話したので、そちらを見てください。

 ただ、もうちょっと具体的に事情を言うと、昔はアニメショップでアニメのセルを売っていたんですね。この「セルを売ってた」っていうのは、アニメ会社から仕入れたセルをそのまま売っていたわけではないんです。販売店であるアニメショップと、その中間にある管理会社みたいなものは、それぞれ別の会社なわけですよ。セルというのは、撮影所から廃棄物として届きます。

 例えば『ナウシカ』の場合は、当時、“トップクラフト”というアニメ製作会社が作ってたんですけど、その会社がアニメショップに直接売ったわけではないんです。『ナウシカ』を作ったトップクラフトという会社は、撮影が終わった後、「もう、このセルいらないな」となると、それを産業廃棄物としてお引取り願うわけですね。

 この時に中間の会社が「産業廃棄物処理代を払わなくても大丈夫です。それではお金が掛かっちゃいますから、我が社が無料で引き取ります。その代わり、その中から良いやつはアニメショップで売りますよ?」と言うわけですね。そういうふうに言われると、アニメ会社としては資金も苦しいですので、「産業廃棄物処理代を払わなくて引き取ってくれるんだったらありがたい」ということで、セルをそのまま譲り渡すわけです。

 すると、中間の会社は、そんな膨大に廃棄されたセルの中から……しかし、そういうセルっていうのは、つまらないセルが多いわけですよ。「口パクの口だけ」とか、「手だけ」とか。そういうものの中から、使えそうなセルと背景を組み合わせて、やっと意味があるやつを見つけると、それをホッチキスで止めて、袋に入れて、300円とか500円とかで売っていた。そういう時代の話です。そんな中で発見されたのが『風の谷のナウシカ』のセルなんです。

バラバラのパーツを組み合わせて再現された王蟲

 これが「王蟲のセルの試作品」と呼ばれています。バラバラのパーツになっています。1つ1つ、塗ったセルを切り抜いているわけですね。こうやってバラバラのパーツ状にしているんですよ。

 このセルは、裏から直に描いてます。だから、表面に見える模様というのは、「表側はこういうふうになるんだろうな」と想像しながら、裏から塗るわけです。なかなかの職人仕事です。こうやって塗ったものを1つ1つパーツとして切り出して、バラバラにして、合わせて王蟲の形にするわけですね。

王蟲の動きを表現する“ゴムマルチ”を再現

 これが、王蟲が襲ってくるシーンで使われた実物のセルです。下にある黒い部分を引っ張ると、中の1つ1つの切り出したパーツが連動して動くようになっているんですね。

口の部分が引っ込んだり、体がうねうねと動いたりします。

 こうなるわけです。ちゃんと『ナウシカ』での動きになってるでしょう? 撮影の時には、これを本当に動かしながら撮るから、王蟲がまるで生きているように見えたわけですね。

 今回、発見された王蟲のセルは3種類です。最後に一番大きいものをご紹介します。

35年の時を経ても全く色あせない王蟲

 見ての通り、デカいです(笑)。これが最大サイズですね。王蟲が横向きに移動するシーンです。

 では、引っ張ります。

 こういうふうになっているわけですね。 これで『ナウシカ』というアニメを作ったわけです。セルの下には“ゲージ”と呼ばれる、このセルが現在どの位置にあるのかを示す線が引いてあって、「こいつを何ミリ引っ張ればどのように動くのか?」というのがわかるようになっています


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