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『けものフレンズ』を岡田斗司夫がSFファン目線で分析。「人間が滅びたんじゃなくて、人間に見捨てられたんじゃないかな」

 ここ最近熱狂的な盛り上がりを見せ、ネット上の話題を独占しているアニメ『けものフレンズ』。

 2月26日に配信された、『岡田斗司夫ゼミ』にて。元祖オタクの王、オタキングこと岡田斗司夫氏が“SFファン目線”で『けものフレンズ』を分析した。


おじさんSFファンから見た『けものフレンズ』

岡田:
 『けものフレンズ』は一応7話まで見たので、今日はおじさんSFファンから見た、けものフレンズの入門編というのを話してみようと思います。

 まず、『けものフレンズ』っていうのは、とりあえず、巨大なサファリパークみたいなところが出てきて、その中に美少女がいっぱいいるんだけど、その美少女たちには動物的な身体の一部分(耳とか尻尾とか)が付いていて、みんな、それを根拠に「私は動物だ!」と言い張っているというアニメなんだよ。

 そういう動物娘みたいなアニメって、ビジュアルだけならよくあるから、最初に見た時は「これ、どのジャンルの話かな?」っていうふうに思うんだけども。見ているとだんだん、「あ、これ、SFなんだな」と、わかってくるような仕組みになっているんだ。

 人類がいなくなった後の世界で動物園(サファリパーク)だけが残っていて、その中で、なぜかいろんな動物が女の子の形になっている。いや、そもそも、そこに生き残っているのが本当の動物かどうかもわからないんだ。ただ“女の子の姿になった状態の動物”がいる。それも各種族一匹ずつ。……いや、一匹ずつってことはないか。なんか「ビーバーたちが力あわせて」ってセリフがあったから、画面には映らないんだけども、いっぱいいるのかもしれない。

 その上、今、コメントで流れたとおり、メスばかりなんだよ(笑)。出てくるのは女の子ばっかりだから。つまり、こいつら基本的に“繁殖”はしないんだけども。でも、自分のお父さんとかお母さんとか、親の想い出を持っていないところを見ると、おそらく永遠の生命を持っている。そういう不安定な生物。

 だけど、普通、永遠の生命を持っていると、50年60年と寿命を重ねる間にそれなりに知恵が蓄まってきちゃうものなんだけども、そういう感じもしない。この理由についての考え方は2つあるよね。「そんなことは気にしないユルい作品である」ということと、もう一つは、「彼女たちが知恵を持たない理由は、設定の段階で準備はされているんだけども、今のところ本編で語られていない」という解釈。今のところはどっちでも大丈夫だと思います。

あの動物園にはかつて本当の動物がいっぱいいたんだよ

岡田:
 さて、『けものフレンズ』の中に出て来る動物園というのは、おそらくは“擬人化展示”なんだよね。……あ、悪いけど、これは俺の妄想だよ?(笑)。 「SFファンにはこう見える」っていう話なんだけども。

 たぶん、あの動物園には、かつては本当の動物がいっぱいいたんだよ。本当のヤマネコがいたり、本当のイリオモテヤマネコがいたり。まあ、ツチノコのフレンズも出てきたから、かつては本当のツチノコもいたかどうかは知らないんだけども(笑)。まあ、本当の動物がいっぱいいたのだろうと。

 僕が言った擬人化展示っていうのは何かというと、「動物たちと生態や能力をほぼ同じくしている女の子たちに、野生の環境の中で放されている動物たちとの間の通訳の役割をさせる」というものなんじゃないかな? そういった女の子と一緒に動物たちの世界に入っていくことで、動物をより良く理解できるようになっている。だからこそ彼女たちは“フレンズ”っていうふうに呼ばれるんじゃないかって、SF的には解釈できる。

 作中に「人間は滅びた」っていうセリフがあるんだけど、この辺は、なんか製作者側の捻りがありそうで、ちょっと信じられない。いなくなっているだけで、おそらく「滅びた」んじゃなくて、「見捨てられた」んじゃないかなと思うんだよね。つまり、この動物園っていうのは、維持が大変で、おまけにあんまり儲からなかったから、撤退したんじゃないのかなって思うんだよ。

『ジャパリパーク』は人間に見捨てられた地

岡田:
 「人類が滅びたから」っていう解釈もあるんだけども、そうするといきなり記憶をほとんど持たない人間がポンと出てきた理由が説明つかないんだよね。まあ、物語の後半でどうなっていくのかわからないんだけども、なんとなく「動物園が利益がでないから打ち切りになっちゃった」っていうふうに思うよ。まるで“アニメが終わったあとの世界”を見てる感じ。

 僕らが見ているアニメっていうのも、実は打ち切りになった後でも、画面の裏で世界が続いているかもしれないじゃん。例えば、『伝説巨神イデオン』とかさ(笑)。「ああいうアニメが打ち切られた後も、俺らに見えないところでそのままずーっと数億年続いていたら、どんな世界になるんだろうか?」というような、そういうメタファーでもありそうな気が、ちょっとしちゃうね。

 エンディングの映像の中で、誰もいないテーマパークと、“ローマ水道”が映るんだよね。ローマ水道っていうのは、古代のローマ人たちが作ったインフラの遺跡で、山の方から街まで水道を引くために、すごく高い場所に作られた石の水路が橋のようにガーッと地平線まで伸びているというものすごいものなんだけど。その写真がさり気なくフッと入っていて。これはつまり「この物語の舞台は“遺跡”なんですよ」っていうことを物語っているようで、このエンディングもなかなかいいんだよね。

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