「マスメディアの本質は低俗にあり」──週刊文春は“芸能人の不倫騒動”を続けるべき?辞めるべき?
毎週日曜日の夜8時から放送中の『岡田斗司夫ゼミ』。パーソナリティの岡田斗司夫氏は、1月28日の放送の中で、週刊文春による小室哲哉氏の不倫報道に端を発する騒動に触れ、「文春はこのままでいい」との持論を語りました。
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文春はこのままでいい
岡田:
週間文春が放った不倫報道がきっかけで小室哲哉さんが引退をすることになったそうで、そのおかげで、今度は“文春叩き”というのが始まりました。今は、その状況が一段落したところですね。
この問題について、結論みたいなものから言っちゃいますと、僕は文春はこのままでいいと思ってます。
まず、今回の騒動に対する反応というのは、この4種類に分かれると思うんですよ。上半分が“ホット派”、下半分が“クール派”です。そして、左側が“素直”、右側が“ひねくれ”というふうに、4つに分類してみます。
不倫報道に対する4つの反応
右上の“ホットで素直な人”というのは、こういう騒動を受けて「許せない!」って思うんですよ。こういう人は、不倫事件に関しても「許せない!」と思うし、この報道がきっかけで小室哲哉が引退するという話になると、次は「文春、許せない!」となる。どっちにしても、すごく素直でホットな人の反応なんですよ。
それに対して、“ホットだけどひねくれてる人”というのは、「いいぞ、もっとやれ!」となる。「モメてるの面白いじゃんか。文春不買運動? 面白い。あるコンビニでは文春を置かないと言い出したって? 面白い、面白い。文春編集長が謝罪した? 面白い、もっとやれ!」というのが、ホットでひねくれてる人の反応です。
“素直でクールな人”というのは「興味が無い」んですね。こういうことがあればあるほど、興味をどんどん失っていくっていうのが、素直なクール派。
それに対して、“クールでひねくれてる人”は、僕は「回避型」と呼んでるんですけども。「そういう記事ばっかり載せるんだったら、もう、文春は読まないよ」って、ただ単に、こういうものを回避しようとする人が、回避派の反応なんですよ。
さて、今更、文春が反省しようが何をしようが、ホット側の人たちだけしか反応しないんですね。反省したところで、クール派の人達の動きというのは根本的に変わらないんです。
そもそも、人口比で言うと、クール派というのは少数派閥なんですよ。だから、この下半分のクール派に対して何かアクションを起こしても、あんまり部数に影響しないんですね。
逆に、不倫報道というものを、世間からどんなに非難されても続けることによって、週刊文春というのは、事実上、特ダネの駆け込み寺になれるわけです。
これまでは、「特ダネを持ってる。誰それの秘密を持ってる。こんないいネタを持ってる。こんな写真を持ってる」っていう時に、持ち込む先として、文春もあれば、フライデーもあれば、フォーカスもあるというふうに、いろんな選択肢があったんですけど。
ここまで不倫報道で目立ってる上に、小室哲哉を引退に追い込んでまでも不倫報道をやめなかったら、もう絶対に、みんなが駆け込む時の第1の選択肢になれると思うんですよね。
マス媒体の本質は低俗さにある
さて、マツコ・デラックスさんが、この件について、『5時に夢中!』で「こういうのは、そろそろやめたほうがいいと思う」と言ってたらしいんですけども。それは無理筋なんですよね。
僕は、低俗な興味について、かしこげなトッピングをして伝えるというのがマス媒体の持っている本来の役割だと思っているんですよ。
つまり、「けしからん!」と言うフリをしながら、所詮は他人の浮気とか不倫を暴いている週刊文春も、マツコ・デラックスの出演しているような番組も、構造的には、まったく同じだと思うんですよね。
文春は文春で、マス媒体としてお金を取って、やっている以上は、あの方法になるのも仕方ないと思うし、金を取らなくても見てもらえるテレビという媒体で活動している以上、マツコ・デラックスが文春のやり方を批判するというのは、少し苦しいと思います。
不倫報道の楽しみ方
さて、僕自身のこの騒動への感想としては、文藝春秋には興味ないし、不倫報道にも興味ないし、おまけに小室哲哉にも興味がない。「興味なし」にわりと近いんです。
でも、その一方で、こんなことに対して真剣になって怒っている人がワイワイいて、文春の廃刊を望んだりして、あろうことか「小室哲哉が引退したんだから、文春にも廃刊くらいの罰を与えろ!」みたいなことが言えちゃう世論の頭の悪さというのが楽しくてしょうがないから「もっとやれ! 面白い!」という部分もあるんですよね(笑)。
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