『ソードアート・オンライン』シリーズ恒例“アスナとキャッキャウフフ”シーンの企画書をゲームPが公開「生々しいことも書いてありますね(笑)」
カドカワが作るネットの高校、N高等学校では、授業の一環として『ゲームプロデューサー授業』が開催され、その様子がニコニコ公式生放送にて公開されました。今回の授業ではバンダイナムコエンターテインメント『ソードアート・オンライン』ゲームシリーズ総合プロデューサーの二見鷹介さんが講師として登壇しました。
MCに電撃ゲームメディア総編集長の豊島秀介さんを迎え、『ソードアート・オンライン』ゲームシリーズの貴重な設定資料や、企画段階のキャラクターのイラストなどが紹介され、「ゲームプロデューサーをやっていてよかったことは?」など、視聴者からの質問に二見さんが解答しました。
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SAO企画書を公開「『.hack』があったので、受け入れられるだろう」
二見:
『ソードアート・オンライン』シリーズのゲームがどうやって作られているのかお話させていただくのに企画書を持ってきたのでお見せしますね。
豊島:
PS3とVITA用ってなっていますね。
二見:
そうですね。はじめはそういう企画でした。『ソードアート・オンライン ―ロスト・ソング―』の社内で偉い人に企画を通すための評価版資料なのですけれど、はじめは『ソードアート・オンライン ―フェアリィ・ランブル―』っていうタイトルでしたね。
二見:
『ソードアート・オンライン ―ホロウ・リアリゼーション―』も『ソードアート・オンライン ―シンメトリー・フェイク―』というタイトルで当初とはまったく違うゲームになりました。
豊島:
タイトルは全然違いますけど、なんとなくタイトルの「フェイク」って単語を聞くと、つながっているところがありますね。
そもそも『ソードアート・オンライン』という原作をゲーム化していくのに、1作目『ソードアート・オンライン ―インフィニティ・モーメント―』の時にゲームのジャンルやどういった完成形にしていくという構想は企画原案時にあったんですか。
二見:
ありました。ゲーム内をテーマにしたゲームは『.hack(ドットハック)』が先駆者としてあったので、受け入れられるだろうなと考えていましたからそこは心配していませんでしたね。ただそこにRPG感をどうやって取り入れていくのかっていう苦労はありましたね。
豊島:
企画書を見るとけっこう生々しいことも書いてありますね(笑)。
二見:
これなんかシリーズ恒例のアスナさんとキャッキャウフフとか。偉い人向けのプレゼン資料で大人が書く企画書じゃないですけど(笑)。
SAOゲームシリーズ、それぞれのテーマ
二見:
『ソードアート・オンライン』のアインクラッド編は100層まであるんですけど、1層をちゃんと作ろうと思うと10km四方のエリアを作らないといけないんですね。
『ソードアート・オンライン ―ホロウ・リアリゼーション―』の時は予算と期間的に5層ぐらいしか作れないって話になって、原作サイドからもアインクラッド編をやるなら100層とか75層は運営出来る形でやってほしいと詰められて断念したんです。
この話は今の拡張していくオンラインゲームの『ソードアート・オンライン インテグラル・ファクター』につながっていきますね。
豊島:
『ソードアート・オンライン』のゲームの広がりがあるからダメだった案もつながっていくんですね。
豊島:
『ソードアート・オンライン』のゲームはオリジナル要素やオリジナルキャラクターがいますけど、実際企画が通ってからは誰がどうやって作っていくんですかね。
二見:
僕と現場のディレクターがなんとなく「これやりたいね」という話はしますね。例えば『ソードアート・オンライン ―ホロウ・リアリゼーション―』だったら人とAIの関係性を描きたいというのがあったりして、「アリシゼーション編の影の世界をやりたい」みたいな話がきっかけでしたね。
AIが人の感情を持っているのがアリシゼーション編なので、「それがまったくないNPCだけの世界だったらどう立ち回るんだろうな」という話はしましたね。あと『ソードアート・オンライン ―ロスト・ソング―』は「光と闇をテーマにして姉妹の話をやりたい」って話しましたね。
シリアスな恋愛のお話にしないで2人の姉妹を救う話にしたかったです。
豊島:
はじめからテーマがあるんですね。それを膨らませて新しいキャラクターを作ったりするのに原作の川原礫先生とのやりとりとかありますか。
二見:
最初はプロットを出して、川原先生と何度か打ち合わせして方向性を話しますね。「これ穴があるからどうしようかね」とか「こういうことやりたいならこういうことも考えないといけないよね」みたいな話を原作チームと話し合いますね。
オリジナルヒロインに関しても性格や設定が問題なければいいんじゃないかってスタンスで見てくれて好きにやらせてもらっていますね。