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「親友がいない気がする…」——お坊さんQ&Aサイト『hasunoha』中の人に悩み相談したら、ありがたみの高いお返事を頂けた件

「仕事がパッとしない」「親友がいない」ゲーム実況者の悩みをご住職が解決!

ドグマ風見:
 僕の最近の悩みなんですが、仕事がいまいちパッとしないんですよ。いろんな仕事をやらせてもらっているんですが、「今頃はテレビのMCをやっている」っていう、自分の思い描いた人生設計とは違うなって思うんです。

井上:
 パッとしない自分を、自分で作ってしまっているんですよ。テレビのMCっていう高い目標に気持ちだけが先走っているんじゃないでしょうか。そういう人は、きちっと今の仕事に地の足をつけたほうが良いです。あと人間って、楽で快適な「コンフォートゾーン」に満足してそこから出ようとしなくなって、段々負荷がかかる「ストレッチゾーン」にいかなくなるんですね。

 駆け出しのときって、自分の能力を伸ばすストレッチゾーンに常にいるんですが、40代近くなるとベテランの域になって、「頑張らなくても良い」と思ってしまうと、輝かない自分が出てきてしまいますね。

ドグマ風見:
 その通りですね。確かに、自分の周りの心地よいメンバーばっかりで仕事をしていますね。新しいことに挑戦して背伸びすることが大事なんですね。

井上:
 大きすぎると想像がつかないので、自分が背伸びしてできるぐらいの上の先輩を見つけてそこに近づくことがストレッチゾーンになると思います。

コジマ店員:
 怒られるかもしれない悩みを相談したいのですが……。二次元から彼女が出てこないんですがどうしたら良いですか(笑)。

丹下:
 「出てこない」っていうのが答えなんじゃないですかね。二次元の女性に憧れる男性は、自分の理想を当てはめて見ているわけですから。

井上:
 「二次元」って言葉がそれを物語っていますよね。「二次元」と「三次元」の世界には、ズレがありますよね。その空いた隙間に、自分のエゴやバイアスを投影しているだけです。二次元は偶像化しやすいので、そこにはまっていくんですね。二次元で情報が少ない分、自分で好き勝手に膨らましているっていう感覚がありますね。

湯毛:
 僕も、「親友がいない気がする」っていう悩みがあるんです。みんな一人ひとりに親友がいるイメージがあるんで、自分のほとんどを話せるという人がいないなって。

井上:
 そういう時代ですね。リアルな繋がりしかないころは、リアルな友達と趣味を共有するしかなかった。ところがネット上で繋がれると、付き合う友達を変えられる。そうなると、むしろ全部の価値観の合う友達っていうのはいなくなります。リアルで「この人は!」と思った友達に心を開いて自己開示すると親友になれるかもしれないですね。そしてお坊さんこそオープンな心を開いて良い相手だと思いますね。

丹下:
 逆に親友を欲しがらないで、完全に孤立するというのも良いです。完全に孤立すると、静寂に入って「寂しい」という気持ちなんて起こらなくなります。孤独やネガティブな気持ちがない静寂です。お寺では仏道修行という座禅や念仏、写経や修験道といった静寂になることを行っていますよ。

「彼氏が欲しい」「肩が痛い」「子供っぽい人の扱い方」など、会場の悩みも解決!

ドグマ風見:  
 会場からのお客さんのお悩みにも
お答えしていただきたいと思います。

──彼氏が欲しい。

丹下:
 ベタな回答ですが、「念ずれば花開く」という言葉があります。露骨に欲しがったら良いと思います。明確にどんな人が良いのか、具体化していくことです。

──体は大人なのに中身が子供の人の扱い方に困っています。

井上:
 日本人は年齢や性別、いろいろな情報で人を判断しがちです。ただ大事なのは、その人の心ですよね。中身が子供だと思えば、子供だと思って接してあげたらよろしいと思いますよ。

──研修を終えたのになかなか仕事がなく、自宅待機をしています。このまま待つか、新しい仕事を探すか悩んでいます。

丹下:
 我々は結果や結論を先にイメージしがちで、その通りにいかなくてがっかりします。面接に行ったり研修するときでも、人生をまっとうしているときなんです。マイストーリーを描きすぎることで、目の前のことが見えなくなっていることが起こりがちです。待つことで学べる状況もあるので、決して悪いと思わないことですね。

井上:
 僕は逆に探したほうが良いと思います。『hasunoha』も成功しているのは、僕らが外に出て、攻めの体制になったからなんです。だから攻めたほうが良いと思います。

──歌がうまくなりたい。

井上:
 実はSMAPの『世界に一つだけの花』という歌って、仏教の一説にあることなんですよ。自分は自分のままでも良い、自分の特徴を精一杯磨く。これを精進と言います。自分の持っているポテンシャルを磨いたほうが、自分の良さが見えてくると思います。

──チームワークをよくするためにどうしたら良いですか。

丹下:
 「俺らしさ」、「私らしさ」、っていうのをなくすと、どんな状況や人の中でもでも入っていけるようになると思います。

井上:
 祖先であるホモサピエンスになったころを思いしのぶことですね。協力することによって、今日まで命を繋げることができました。ご先祖様たちが分け合えば発展し幸せになるということを長い歴史をかけて脳に組み込んだかもしれないんです。役割分担をすることによって、この集団で必要な人間であるという気持ちが芽生えて、幸せになれると思うことですね。

──肩が痛い。

 井上:
 なぜ肩が痛いかと言うと、我々がパソコンやスマホに依存しているからです。ずっと画面を見ていると肩が寄ってきて呼吸が浅くなるんです。呼吸が浅くなると心も浅くなるんです。「マインドフルネス【※】」という言葉が流行ってますけど、パソコンやスマホから一旦離れて、自分の時間を作ることですね。

※マインドフルネス
今現在において起こっている、内面的な経験および外的な経験に注意を向ける心理的な過程のこと。

井上:
 自分に意識を向けてみて、例えば念仏したり、写経をしたり、座禅や滝に打たれてみたり、仏教の様々なことの中にデジタルからデトックスする効果があると思いますね。肩が痛いのは肩が炎症を起こしていると思うのですが、まず体や心をほぐしてあげる時間を作ってあげることですね。

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