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2つの毒キノコ『ベニテングタケ』『ハエトリシメジ』を解説 毒の構造が旨味成分のグルタミン酸にそっくりで生命の神秘を感じる…

 今回ご紹介するのは無名博士の墓さんがニコニコ動画に投稿した『東北きりたんの毒キノコ解説『ベニテングタケとハエトリシメジ』』です。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

11月中に投稿したかったのですが間に合わず。無念。
普段はこんな動画作っています
東北きりたんの毒キノコ解説:series/432474
NMR解説:series/215437 六花と学ぶ変な物質:series/264736
単発動画系 series/239304 怪文書を読む風見壮一:series/284595


 いよいよ本格的な冬が到来して一枚多く羽織るものが欲しいシーズンがやってきました。こうなってくると、やっぱり温かいもの、例えば、鍋が恋しくなりますよね。
 そして、鍋といえばキノコ鍋です。ヘルシーで体も温まります。ですが、キノコには毒を含むものも多くあるので注意も必要です。
 今回は無名博士の墓さんが食用キノコにも似ている『ベニテングタケ』と『ハエトリシメジ』について解説します。

 いかにも毒キノコですよ、といった外見のこのキノコには見覚えがある人も多いのではないでしょうか。

 カバノキ属の樹はシラカバなどが該当します。幅広い範囲で生息しているようです。

 最初は卵のような形をしていて、成長すると一般的なイメージにあるキノコのような形に育つとのこと。

 特徴的な白い斑点は模様ではなく付着物であるため雨で流れてしまうこともあるそうです。
 もし、白い斑点がなくてもベニテングタケを警戒する必要があるようです。

 白い斑点がないベニテングタケはタマゴタケにそっくりです。
 これは素人には判別がつきそうもありません。
 タマゴタケは欧州では「皇帝のキノコ」と呼ばれ美味で知られていますが、素人が手を出すのは危険ですね。

 その毒性はかなり強いようで誤って食べてしまうと激しい症状が出ます。

 毒性をもつ理由は画像のイボテン酸、ムスカリン、ムッシモール、ムシカリジンが影響しているとのこと。
 名前を見てもどういうものなのかはイマイチわかりませんが、構造が旨味成分のグルタミンに似ているために味はいいそうです。
 とはいえ、天にも昇るうまさだとしても食べるわけにいきませんが……。

 たしかにイボテン酸の構造がグルタミン酸にそっくりです。
 ムッシモールの構造はGABAに似ています。GABAはストレスの軽減や睡眠の質の向上、血圧の上昇を抑える効果をもっており、サプリでもよく見かける成分です。
 このイボテン酸とムッシモールが複合することで食中毒を起こすと考えられているそうです。

 また、ベニテングタケに含まれている他の成分も食中毒を起こす要因になっているようです。
 含まれている成分のほとんどが影響しているとなると、その毒性の強さも納得です。
 そして、その中でもイボテン酸の毒性が最も強くムッシモールの6~10倍程もあるとのこと。

 このベニテングタケのもつ強い毒性はなんと薬への転用の可能性もあるそうです。

 てんかん発作への薬としての研究が進められておりすでに動物実験も行われたそうです。

 ただ、イボテン酸のほうは薬にすることは難しいようです……。
 しかし、『研究』という面においては記憶障害やアルツハイマー病を持つラットを生み出すことができるとのことで、使いよう……という事でしょうか。

 リスにとってはテングタケは毒にはならないようです。
 これは人間が玉ねぎを食べられて犬猫は食べられない、のようなものなのかもしれません。

 日本や欧州ではハエとりとして使われていたこともあり、実際テングタケが持っている1.3-ジオレインという成分はハエを誘引するそうです。

 そして、イボテン酸はハエを殺す作用もあるとのこと。
 この効果が経験則として広まったことがハエとりに使われたのでしょうね。

 このようにイボテン酸にはハエを殺す作用と強烈な旨味がありました。このような成分の発見は2例目だったそうで、同じ成分を持つキノコがすでに発見されていたそうです。

 それはハエトリシメジでした。イボテン酸を含んでおり、場合によっては毒キノコも分類されることもあるそうですが、独特の旨味があり食用となることもあるそうです。

 その名の通りハエとり用に売られていたこともあったそう。

 ハエトリシメジにはイボテン酸そのほかにもトリコロミン酸を持っているとのことで、こちらもハエを殺す作用と旨味成分があるそうです。

 その構造もグルタミン酸やイボテン酸によく似ています。この構造がこっくりとした独特の旨味を生み出しているのかもしれませんね。

 今回はベニテングタケとハエトリシメジの解説を紹介しました。毒性を持つ成分の構造が旨味成分であるグルタミン酸ととてもよく似た構造であることは驚きますね。
 フルバージョンではそもそも人はどのように旨味成分を感じているのか、どの程度まで感知することができるのかといった解説もされています。この機会にぜひニコニコ動画でご視聴ください!

視聴者コメント

・日本だけだと勘違いしてた。グローバル毒キノコだったのか
・それこそタマゴタケっていう可食菌がこんな感じね
・卵の殻の破片がいっぱい黄身に残ってるみたいな
・キノコまた人間に罠を仕掛けてる…
・イボテン酸が所謂おいしい毒といわれてる奴だな


▼動画はこちらから視聴できます▼

東北きりたんの毒キノコ解説『ベニテングタケとハエトリシメジ』

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