かつて“高原の原宿”と呼ばれた「清里高原」でメルヘンな廃墟巡り！さらに牧場グルメや動物との触れ合いなど“今の清里”も満喫してきた

2024年8月22日 (木) 11:45

　今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『バブルの負債【清里高原】』という係長さんの動画です。

投稿者メッセージ（動画説明文より）

どうも係長です。新キャラをお試しで出してます。

　かつて「高原の原宿」としてにぎわった清里高原へ来た投稿者の係長さん。

　清里駅前に広がるのは人がいない光景です。

　清里高原は山梨県北杜市高根町にある高原で、元は東京の小河内ダムを作る際に沈んだ村の住人が開拓しました。「山梨の北海道」とも言われるほどの寒さで、作物を作るのは困難だったそう。

　開拓民たちが非常に苦労していたところ、アメリカ人のポール・ラッシュの尽力により、酪農による農業経営が確立されたそうです。

　その後の高度経済成長期では観光業に力を入れた清里。宿泊施設が足りなくなり、民宿とペンションが増えました。この急激な伸びの背景には、雑誌『an・an』や『non-no』などに取り上げられたことによる観光客の急増があるとのこと。

　こうして若者をターゲットとして清里をメルヘンチックに変化させ、92年には観光客が265万人になったそうです。

　しかし現在の清里駅の利用者数は激減し、今年の3月26日以降は無人駅となりました。

　駅前を歩いてみるとシャッターが下りた店が目立ち、車は多少通るものの人はほとんど歩いていません。

　ひときわメルヘン度が高い一角のポットの建物は、最近復活したそうです。

　歩いていると柵で囲われた場所が。「これはなんだろ？」と係長さん。

　のぞいてみると、全体が廃墟になった施設でした。コメントによると、一時は廃墟を利用したサバイバルゲームのフィールドとして復活していたとか。

　裏に回ると立派な建物と、謎のオブジェが。メルヘンな空間でどんな役割を担っていたのでしょうか。

　人を見かけないまま歩き、清里の入口へ。

　入口すぐにあったのは北野武のタレントショップ。バブル期の清里高原では多くのタレントショップが誕生したそうです。現在この店は什器もそのままに、横の宿舎とセットで売りに出されています。

　廃墟となったホテルなどもありました。

　現在の清里高原がこういった状態なのは、いくつか理由があると係長さん。それまで登山客などが多かった観光客が、それ以外の目的の客に変化し、合わせてペンションが増加。民宿も土産物屋や飲食店に転業したとのこと。係長さんが読んだ資料によると、

駅前通り商店街の店構えも
若者向きの「メルヘンチック」なものに改装され、
派手ではあるが薄っぺらな
ディズニーランド商店街が形成されていった

　計画的ではなく無秩序に開発されたようです。

　その流れも90年代に終わりました。清里高原ブームの終焉にこれという決定的なものは無いとのこと。いくつかある理由の1つは日本のバブル崩壊。これで観光産業全体が減りました。次に清里高原の立地の問題。交通の便があまり良くないため、車ありきでハードルが高いこと。残る問題点は他の避暑地との差別化ができなかったこと。特に軽井沢との差別化ができませんでした。