古代ローマの宴会料理を再現してみた! トリマルキオの饗宴で供された“偽の卵を木彫りの雌鶏の下に置く料理”に挑戦
今回紹介するのは、ニコニコ動画に投稿された『【歴飯コラボ】古代ローマの再現困難料理に挑んでみた【トリマルキオの饗宴~ヒタキの卵~】』というよんでわるさんの動画です。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
歴飯コラボという企画にお誘い頂いたので、レシピの無い料理に挑戦しました!
この料理の一番むずかしい所は本物と見紛うほど精緻に卵を再現する所です。
(当時の上流階級は鉛のゴブレットによる鉛中毒で目が悪い説もありますが)
密閉空間に美しく別の料理を入れるのがいかに困難か、追走なさると理解が深まると思います。
投稿者のよんでわるさんが、古代ローマの食事の再現に挑みました。作るのはトリマルキオの饗宴の前菜「ヒタキの卵」。非常に難易度の高い料理となっています。
トリマルキオの饗宴とは古代ローマに書かれた小説の一部。当時の豪奢な宴会の様子がわかる資料として知られています。
時は古代ローマ、富豪トリマルキオから饗宴に招かれた日のことです。我々が前菜をいただいている途中、カゴを乗せた飾り台が運び込まれていました。
木彫りの雌鶏が両翼を広げて鎮座しており、まるで卵をかえしているかのようです。すると奴隷が雌鶏の下の干し草を調べ、孔雀の卵を引っ張り出し、我々に配りました。
トリマルキオは告げました。「雌鶏の下に孔雀の卵を入れるように命じたのですが、どうもこれが孵化しそうなのです。ですが、孵っていなければ生卵を味わえることですし、穴を開けてみようではありませんか」
我々は純銀のスプーンを手に取り、卵に穴を開けました。卵は練った小麦粉でできており、その中に孵化した雛のような物がいるのを見つけ、もう食べられないと興ざめでした。
しかし客の一人が、「中のお楽しみはなんだろう?」と言ったのです。それを聞き、卵の殻を剥いてみると、胡椒がまぶされた卵黄の上にヒタキ(小鳥の一種)が現れました。その実、この卵黄は着色されたフィリングであり、ヒタキは猪肉でできていたのです。
このようにレシピの記載はないので、完成形のから調理方法を推測する必要があります。
まず、猪肉のひき肉を作るのですが、この工程は省略し豚ひき肉で代用します。塩を加えて練り、全卵と胡椒、ワインを加えて混ぜます。
ひき肉をヒタキの形に整えます。古代ローマでは料理用の青銅の型が多数出土しているので、本来はそれを使ったと思われます。しかし家にないので、鳥のクッキー抜き型で作ります。
フライパンでひき肉を焼きます。少量の水を入れ蒸し焼きにします。バルサミコ酢を煮詰めてソースを作り、ひき肉を浸します。
次に、卵黄を模したフィリングとしてサフランマヨネーズを作ります。白ワインビネガーにサフランを加えて加熱し色を抽出。卵黄に加えて調味し、オリーブオイルで乳化させます。
最後に生地を作ります。金属の卵型を用意し、生地をはり付けます。フィリングを入れ胡椒をふり、ヒタキを入れます。2つを合わせ、180度で数分火を入れます。
焼き上がったら、端をペティナイフなどで整えれば完成です。
そして盛り付けです。「木彫りの雌鶏がないので……」と、出してきたのは“パンで作った雌鶏”でした。ちなみにこのパンの作り方は、動画の後半で紹介されています。ここに先ほど作った卵を乗せたら完成です。
この動画はユーザー企画『歴飯コラボ』の参加作品です。古代メソポタミアの料理再現や、中世ヨーロッパの旅人飯などいろんな歴飯動画が投稿されています。興味をもった方はぜひ、視聴してみてください。
視聴者コメント
唐突にえらいのがきた
笑うしかできねえ!
レベル高すぎる
凄いとしか言えない
豪華すぎる
文/高橋ホイコ
▼動画はこちらから視聴できます▼
『【歴飯コラボ】古代ローマの再現困難料理に挑んでみた【トリマルキオの饗宴~ヒタキの卵~】』
https://www.nicovideo.jp/watch/sm43681634
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