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本物の「羊皮紙」ってどんな感じ? ヒツジ、ヤギ、仔牛の3種の羊皮紙の“質感や書き心地”を実物で検証してみた

 今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『【補足回】羊皮紙の種類いろいろ比べてみました。』というモンド・ヒストリカの離宮さんの動画です。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

本編動画ではチラッとしか触れなかった羊皮紙それぞれ…ヒツジ、ヤギ、仔牛を比べてみました。 けっこう書き心地とかも違います。 「まさか自分に限って…」そう思っていませんか?異世界転生の準備はしておきましょう。


 様々な歴史事象について解説動画を投稿しているモンド・ヒストリカさん。動画『意外と知らない中世マストアイテム「羊皮紙」の歴史』の補足として、中世ファンタジーなどでおなじみの「羊皮紙」の実物を比較しました。

 羊皮紙は中東からヨーロッパにおいて筆記用に使われた動物の皮から作られた素材です。ヒツジ、ヤギ、仔牛の3種類を用意しました。

 「羊皮紙」という名前は、ヒツジの皮を使うことが多かった西欧のものから日本語訳が作られたからのようです。英語ではヒツジとヤギから作った羊皮紙は「parchment」、仔牛のものは「vellum」と区別をしたりするとのこと。

 まずは定番のヒツジの羊皮紙から見ていきます。他の2種と比べると黄色みを帯びていて、繊維が荒い印象です。また、表面は脂分を感じてどことなく油紙っぽく、それでいてツルツルというわけでもなく不思議な感じとのこと。

 画像上が表面で下が裏面です。触ったときのカサカサ言う音は紙らしく、見た目の質感は上等な和紙のようにも感じられるとのこと。しかしヒツジの匂いがして、動物の皮から作られたことがよくわかります。「これぞ羊皮紙、という趣を強く感じる」とモンド・ヒストリカさん。

 次はヤギ。見た目の「皮」感がスゴイそうです。それでいて触った感じはすごく上質な紙のようで、皮っぽく型押ししたと言われたら信じてしまいそうなほどだとか。すべすべした手触りに綺麗な乳白色で、実際に使うとすごく良さそうとのこと。ビザンツ帝国など中東ではヤギが主流だったそうです。

 こちらが裏面。より紙っぽい見た目ですね。ただ表よりやや手触りがガサガサしているとのこと。

 そして端切れには色が抜けて透明になった部分があり、プラスチックのような質感だったとか。

 最後は仔牛のもの。表面が滑らかなだけではなく、真珠のような光沢があるそうです。牛皮特有のひびのような模様が大理石のようで、重宝されるのも納得の高級感があります。また、表と裏の質感の違いも少ないそうです。

 ちなみに大人の牛では硬くなりすぎて「紙」ではなく「板」のような質感になるので紙は作りません。また、どの材質もあくまで肉を取ったあとの副産物として利用しているとのこと。

 白さについてはヤギは真っ白に近く、仔牛は落ち着いた象牙色という印象でした。そんな仔牛から作られた羊皮紙「ヴェラム」は、王侯貴族への献呈本などにも使われていたのだとか。

 次は実際に使ったときの書き心地について。まずはヒツジの羊皮紙に書いたのですが、ボールペンは転がす面が滑らかである必要があるため適しません。

 そこで水性インクの万年筆で書いたところ、発色も良く普通に書けます。ややにじみがあるのはヒツジは吸い込みが強いからと思われ、もっと粘度の高いインクが合いそうとのこと。また裏面の方がにじむものの、そこまで気にならないレベルです。

 油っぽさでインクが弾かれることを心配していましたがそのようなことはなく、書いたところを触っても手につきませんでした。

 そして、筆ペンで書くといい感じでした。

 続いてはヤギ。「おお? 書きやすい……すごく書きやすい!」とモンド・ヒストリカさん。インクの発色がよく、筆を走らせる快感があるのだとか。そして肉眼では文字が浮かんでいるように見えるとのこと。書いた字や絵が引き立つようなインクの乗りだそうです。

 筆ペンでの書き心地もよく、意味のないものの延々描き続けたくなる感じでした。ただし裏面は描きにくく、すごく滲むそうです。

 最後は仔牛。インクの乗りがいまいちで、沁み込まず表面に残るような感じでした。しかし沁み込みにくい分、ナイフで削って修正できるという利点があるそう。また、表面に光沢があるためインクが乾いた後の美しさは格別でした。筆ペンで書いたところにもパールっぽいきらめきがあるとか。書く人にとっていいというより、完成したものを観る人にとって最高という紙ですね。

 なお、裏面は細いペンだと少しかすれるとのこと。他の皮より滑らかではあるものの、細かい凹凸が硬いそうです。

 羊皮紙それぞれの特徴と使い心地は、雰囲気重視ならヒツジ、実用重視ならヤギ、高級感重視なら仔牛という結論になりました。

 そしてどの羊皮紙にも共通していたのは、とても丈夫なこと。けっこう強めに破こうとするものの全然破れません。素手で開けようとしたSDカードのパッケージくらい強いそうです。さすが1000年経っても残るだけありますね。

 モンド・ヒストリカさんとしては、絵師さんたちに羊皮紙で何らかの作品を作ってもらいたいそうです。

 話には聞くものの、実際に見る機会が中々ない羊皮紙。その質感や実際の使い心地の興味深いレポートです。説明の詳細に興味を持たれた方はぜひ動画をご覧ください。また、動画終盤は「パピルス」についても検証しています。

視聴者のコメント

・これが羊皮紙なのか、全然イメージと違ってたわ
・訳し直すなら獣皮紙とか畜革紙とかかな?
・命を感じるなぁ
・おー面白い
・雰囲気あるね
・いや分かります。平面が立体感を持ってる気持ちよさはデジタル画じゃ味わえない

▼動画はこちらから視聴できます▼

『【補足回】羊皮紙の種類いろいろ比べてみました。』
https://www.nicovideo.jp/watch/so42747328

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