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1999年に発売された『ファイナルファンタジーVIII』を令和になってもやりこみ続ける男がいた──過酷な縛りを己に課すやりこみゲーマーの性(さが)

『FF8』との出会い、縛りプレイとの出会い

──ここまで、何年も『FF8』縛りプレイに挑戦しているshelfallさんが普段どのようなことを考えながら縛りプレイに挑んでいるのか、いわゆるshelfallさんの頭の中に迫ってきました。ここからは、『FF8』との出会いについてお聞きしていきたいです。『FF8』を初めてプレイしたのはどのようなきっかけが?

shelfall:
 シリーズ前作の『FF7』にハマっていたので、『FF8』は予約をして買いました。「Vジャンプ」で掲載されていた事前情報を見ながら発売日を楽しみにしていたのを覚えています。

──初めて『FF8』をプレイしたときの感想はいかがでしたか?

shelfall:
 おもしろかったですね。当時は、低レベルのほうが有利だとか、カード変化を使うと序盤から無双できるだとかはわからなかったんですが、2、3回クリアするくらいには夢中になっていました。

 巷では『FF8』はシステム面・ストーリー面とも過去作とは異なり取っつきにくいと言われていますが、自分にとってシリーズ2作目だったこともあってすんなり受け入れられました。ただ、ストーリーはさすがに子どもには難しかったです。

──『FF8』の発売日は1999年2月11日、今から20年以上前です。その当時は縛りプレイ、やりこみプレイという遊びかたはご存じでしたか?

shelfall:
 当時はそういう遊びかたがあること自体知りませんでした。

 『FF8』をプレイしてからちょっと後、恐らく「ファミ通」だと思うのですが、単純に強くする以外にも条件を課して逆に難しくしてプレイする方法があることを知りました。

 確か『FF7』だったと思うんですけど、画面はラストダンジョンなのにレベルが10とか20とか低くて、「こんな低いレベルでどうやってここまで進めたんだろう」と衝撃を受けたのをなんとなく覚えています。

──それが縛りプレイとの初めての出会い。

shelfall:
 その後、『FF7』の低レベルクリアを真似してみたり、ちょうど家庭にインターネット環境ができたタイミングだったので、縛りプレイをしている人のコミュニティみたいなところでいろんなゲームの縛りプレイや低レベルクリアの方法を見たりしていました。

 「すごいことしている人がたくさんいるな……」と感じると同時に、「自分も『FF8』で何かできるかな?」みたいに考えるようになって。『FF8』のラスボスをカウンターやダメージ返しを使ってコントローラーに触れずに倒すような普通とは違う方法で遊ぶようになりました。

 インターネットで発表するわけでもなく、友達に見せるでもなく、今考えるとちょっとやばい子どもかもしれませんが、ひとりでニヤニヤしながら何週もプレイしていましたね。

──当時から縛りプレイの素質が(笑)。

shelfall:
 あったのかもしれないです(笑)。何をモチベーションにしていたのかちょっとわからないですけど、困難を課してクリアしたことが楽しくて、縛りプレイ自体に魅力を感じていたんだと思います。

 そもそもRPGのおもしろさって「いかに強く育てるか」「どれだけ強い装備やアイテムを集めるか」だと思っていたんですよ。それとは真逆の、いかに弱くクリアするかみたいなことって、自分の中にまったく選択肢としてなかったんです。その視点が、すごくおもしろいな、と

 そういうプレイを見ても何も感じない人もいる中で、そこに衝撃を受けた時点で自分には素質があったというか、縛りプレイをやる運命だったんだな、と思います。

──やりこみ系の動画投稿は2015年からですが、それまでは自分ひとりで楽しんでいた感じですか?

shelfall:
 いえ、高校生になってギターや作曲を始めてからは、そちらに夢中になっていたこともあり、しばらくゲームからは離れていました。たまに友だちと『マリオカート』などを遊ぶくらいでした。

 大学生のころに携帯電話のアプリで『FF4』をプレイしたのをきっかけに再びRPGにハマって、プレステを引っ張りだしてきて、『FF7』や『FF8』をプレイし直すことはありましたけど、本格的な復帰は動画を投稿するようになったタイミングですね。

必要ないけどカードは100枚集めてしまう

──お話を聞いていると、本当に『FF8』への愛がすごいなあと驚いているんですが、具体的にどのあたりが好きなんですか?

shelfall:
 まず、ストーリーが好きですね。『FF8』って物語の中心になるキャラクターの年齢がだいたい17~18歳なんですよ。現代だと高校生の年代。みんな抱えているものは違うけど、精神年齢はそこまで高くない。話が進んでいくなかでみんな揃って成長していくところが魅力だと思います。

──ほかの『FF』シリーズでは幅広い年齢のキャラクターたちがメインで登場しますし、異色の設定ですね。

shelfall:
 『FF6』や『FF7』がけっこう重くて暗めのストーリーだったじゃないですか。

 世界観としては『FF8』も十分暗くて重いのですが、同じ10代なのに先生と生徒がいたり、若者なのに大統領の暗殺ミッションを請け負ってたり、『FF8』はコミカルなノリが強いのでサクサク読み進められるんですよね。

FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像は「△ボタン禁止でFF8 part2」より)

──舞台も学校ですしね。

shelfall:
 じつは、子どもの頃にプレイしたときは「スコールうじうじしているな」とか「リノア空気読めてないな」とか思っていたんです。

 でも、大人になってから見ると「まだ高校生の年齢なのにみんなすごくがんばってるなあ」と、見えかたが変わって。メインのキャラクターではないんですが、風神と雷神のふたりが葛藤しながら成長していくところも好きなんですよね。

──動画でも風神がサイファーに話しかけるシーンを編集時に毎回フォーカスしているな、と思いました。

shelfall:
 そこは自分の中でかなりお気に入りのシーンです。それまで「怒」や「嘘」など漢字でしか喋らなかった風神が「スコールにまかせるしかないんだよ!」「くやしいよ……。スコールに頼るしかないなんて……」と感情のこもった言葉でサイファーに伝える。

 その後のサイファーのセリフもすごくよくて。風神と雷神を置き去りにしてスコールたちと単身戦うんですが、ふたりに「ありがとよ」って添えるんですよね。狂犬ですぐに突っ走るしょうもない奴って印象なサイファーですが、ここで彼も成長しているんじゃないか、と。同時に彼の葛藤も伝わってきて、すごく好きで記憶に残っていますね。

FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像は「石橋を叩いてFF8(PC版)を初見プレイ part30」より)

──子どものころプレイしていたゲームを大人になってあらためてプレイすると、昔とは違う見えかたになるのはあるあるですよね。

shelfall:
 あと、先ほどお話した部分とも重なるのですが、ゲームの自由度が高いところも『FF8』の好きなところです。

 ジャンクションをフル活用すれば初期レベルでも強く、逆にジャンクションしなければレベル100でも弱い。最初のダンジョンに入る前に最強武器を手に入れられたり、やりこみしだいで初期レベルでもカンストダメージを出せたりというのは他のゲームではなかなかできないことだと思います。

 正確に言えば、“ジャンクションシステム”とカード変化の組み合わせで成せる技でしょうか。動画でカードゲームを「本編」や「本業」と表現しては、コメントでツッコミされる茶番があるんですが、『FF8』におけるカードゲームは冗談抜きでそれくらい大事な要素なんですよね。

──毎シリーズ上限の100枚まで集められてません?

shelfall:
 なんだかんだ、カードのいらないプレイでもカードを集めてますね。今挑戦してるので縛りプレイは6回目ですけど、縛りに必要なカードはありつつも、必要なくてもカード集めのところは基本的に省略しないですね

 純粋にカードゲームが楽しいのもありますが、カードを集めまくるのはやりこみの王道であるので、そこは外さないようにしています。

 そこも「そんなにいらないでしょ」っていうコメントのためですよね。1人で縛りプレイをするんだったらそこまでやらないと思いますけど、「とりあえず必要最低限集めます」って言って、「いや全部集めてるじゃないか」っていうお約束みたいな。念のため、とか言うときっとみんなも「おいおい」って思わず言いたくなるかな、と思って集めてます。

FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像は「石橋を叩いてFF8(PC版)を初見プレイ part9」より)

──そういうお約束でいうと、セルフィの純白の聖域へのこだわりも動画のなかでおなじみのネタになっていますよね(笑)。

shelfall:
 そうですね(笑)。ネタ的に映えるという側面は確実にあるのですが、『FF8』を初めてプレイしたのが思春期の入り口のような時期だったので、当時はすごく刺激的に見えていたんです。そのときの思い出補正があって今でも扱っているのもあります。

 もっと際どい描写は世の中にいくらでもある。グラフィックも現代の水準に比べると荒い。でも、『FF8』プレイヤーだったら誰しもが追いかけたい、そんな見えそうで見えないロマンがそこにはあるんじゃないかと。

 ……とまあ、そういう冗談の通じる方たちに見ていただけているので、このラインはギリギリセーフかな、と考えています(笑)。

ゲームは縛っても動画投稿は縛らない

──動画を編集する際に意識していることがあれば教えてください。

shelfall:
 ゲームの縛りプレイ系の動画は、他のジャンルに比べると、どうしても動画の時間が長くなりがちじゃないですか。

 なので、なるべく1パートは10分程度におさまるようにしたり、ゆっくり解説の言葉にアクセントをつけたり、視聴者の方に飽きられないように工夫はしたいと思っています。

──なるほど。ゆっくり解説の言葉にアクセントとは具体的にどういうテクニックなんでしょう?

shelfall:
 口にして説明するのはちょっとお恥ずかしいのですが、異常なことをさも当たり前のように解説することで「あれ? 今変なこと言ってなかった?」と、視聴者の方に興味を持ってもらえるような言い回しを入れるよう意識していますね。

──ああ! 例えば「しばりプレイをする理由:本能」だったり「運値MAXセルフィ」だったり。

FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像は「FF8ノージャンクション1人旅+α【Ending】」より)
FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像は「石橋を叩いてFF8(PC版)を初見プレイ part28」より)

shelfall:
 ですです。いわばツッコミ待ちみたいな。「この場面ではたくさんコメントがきてほしいな」「ここはきっとツッコミがくるな」というのを考えながら動画を編集しています。

 とはいえ、編集はがんばりすぎないように。せっかくの趣味なのに、義務感を感じてしまうとおもしろい動画ができなくなってしまうので。

──編集をがんばりすぎない、とは?

shelfall:
 いわゆるbiimシステムのようなレイアウトにして解説や説明を詳細にしたり、演出を入れたり、ゆっくりキャラを動かしたりするのって、けっこう大変なんですよね。

 ものすごく凝った編集をして動画を作っている方はたくさんいらっしゃって、その動画はおもしろいしすごいと思うんですが、自分の場合はそういう姿勢で作った動画っておもしろさが半減してしまうんです。

 義務感が透けてしまって、後から聞いてもおもしろくないんですよ。モチベーションが高くて楽しめているときのほうがおもしろいんです。そういう経験から、「無理しすぎない」「楽しいと思える」範囲での編集を心がけています。

──あくまで自分が楽しめる範囲で編集をしていくスタンスと。

shelfall:
 だから「週1ペースで投稿します」というような縛りは自分に課さないようにしています。

──ゲームは縛っても動画投稿は縛らない。

shelfall:
 ゲームを縛るより苦行に感じちゃいます。せっかくの趣味なのに、「次投稿しなきゃ」とか「進めなきゃ」って思ってしまうと、義務感がでて楽しめない。自分が動画を作りたいときに作るというのがすごく重要だと思っています。

──とはおっしゃいますが、例えば「【FF8】1行動1回縛り」の時はオープニングでキスティスが喋るアニメーションみたいなのを入れていたり、稼ぎや作業シーンは画面分割をされていたり、けっこう凝った編集をされてるような……?

shelfall:
 まず、アニメーションについては、自分が絵を描くのが好きで、好きで動画に入れているので、とくにがんばったり、義務感でしていることではないんです。

 画面分割も、エンコードに時間はかかりますが、並べてボタンを押したら後は放置でいいので、作業的には大変なわけではありません。

 最近は、数時間に渡って稼ぎ作業をするときは、あらかじめ30分ごとに分割して録画しておいて、それを並べるようにしているので省エネ化もできています。画面分割は「そんなに労力をかけずにがんばってる感の出るいい演出」だと思います。もちろん、分割に使うシーンを使いまわすズルはしていないですけど、編集は楽にできます。

──画面分割で、敗北シーンや稼ぎシーンを見せるというのは、縛りプレイ動画ではある種、定番の見せかたですよね。

shelfall:
 そうですね。個人的には必要以上の苦労アピールは見ている側としても辛いと思うので、分割して50倍速とか100倍速とかにしてサクっと済ませています。

FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像は「石橋を叩いてFF8(PC版)を初見プレイ part27」より)

──こういう見せかたって、どういう風に思いついていくものなんでしょう。例えば、参考にした、影響を受けた投稿者さんっているのでしょうか?

shelfall:
 「FF5 モンク縛り」のまけぼのさんですね。縛りプレイを動画として魅せるということを学びました。

 まけぼのさんの動画って、中身はシンプルなんです。ただ、モンクというジョブでモンスターを殴り倒していく。要素としてはそれだけ。しかも負けシーンも非常に長く見せる。動画として単調になりそうなのに、それを動画としておもしろく見せている。

 しかも2010年くらいの動画なのに映像技術がすごいんですよ! 10年以上前、ハイスペックマシンや今ほど便利なソフトがない時代にどうやって編集していたんだろう……? と疑問に思うくらいの編集技術で。今でもすごく尊敬しています。

──そんなに。

shelfall:
 淡々と難しい条件をクリアしていく「ほら、すごいでしょ?」という動画ではなく、見ている人におもしろいと思ってもらえるような動画を作りたい。そう思うようになったのはまけぼのさんの動画を見たのがきっかけですね。それくらい衝撃を受けました。

生きているうちに『FF8』リメイクをプレイしてみたい

──「自分の好きなことを優先」しているとおしゃっていましたが、ここまでお話を聞いていると、「自分の好きなこと(やりたいこと)」が核ではありつつも、誰かに楽しんでもらうっていうところも大事にされている印象を受けました。

shelfall:
 自分が楽しんでいるだけだとずっと思っていたんですが、そう言われると確かに「見てくださる方に楽しんでほしい」という気持ちはあるのかもしれません。

 でも「楽しんでくれた反応を自分が見たい」というところが大きいと思うので、結局のところは自分のためなんですよね。誰かを笑顔にしたい……みたいなことを言うつもりは毛頭ないです。

──あくまで自分が楽しむというのが根本にあると。

shelfall:
 はい。ただ、投稿した動画に「最初からこんな強くなれるって知らなかった」とか「動画を見て『FF8』を始めました」とかコメントをもらえたときはすごく嬉しかったです

 なかには、子どものころ『FF8』を遊んでいて「当時にプレイしたときは全然わからなかったけど、あらためてSteam版買ってプレイしてみました」とコメントを寄せてくれる方もいて。自分が好きなものを普及できてるというのは、喜ばしいことですね。

 動画の視聴者データを見ると、80%くらいは25~44歳なんですが、24歳以下の視聴者も7%くらいはいて、現役で『FF8』に触れていない世代の方も見ていただいているんです。24歳以下の人たちに対しては、後世に語り継いだと言えるかもしれません(笑)。

──『FF8』が世代を超えているわけですね、素敵です。でもshelfallさんの動画で『FF8』に興味を持った方……いったいどんな方でどこに興味を持ったのかは気になりますね(笑)。

shelfall:
 それはそうですね……何者なんだろうと(苦笑)

──きっと縛りプレイヤーの素質はあると思うので、もしかしたら将来はshelfallさんのような『FF8』縛りプレイ動画を投稿するようになるのかもしれません(笑)。さて、いろいろとお話をお聞きしてきましたが、最後にshelfallさんの今後の目標や展望があれば教えていただけないでしょうか。

shelfall:
 好きなときに好きな動画を作るというスタンスは今後も変わらないと思うので、「登録者何万人を目指します」というような目標や展望はとくにありません。あ、でも、あえて挙げるとしたら、生きているうちに『FF8』のリメイクをプレイしてみたいです

 前作の『FF7』は『アドベントチルドレン』とか『クライシスコア』とか続編もありますし、リメイクもされていていろんな派生ゲームとか映像作品が出てる中、『FF8』って何もないんです。リマスターはちょうど3年前ぐらいに出ましたけど、スピンオフみたいな作品もなくて。

FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像はAmazon「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」より)
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(画像はAmazon「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン」より)
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(画像はAmazon「ファイナルファンタジーVII リメイク」より)

──確かに。

shelfall:
 アニメ化についても、『FF8』が飛ばされて『FF9』の発表があったじゃないですか。賛否両論のある作品だというのは知っているんですが、私みたいなコアなファンもいるので、『FF8』リメイクだったり、スピンオフだったり。

FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像はAmazon「ファイナルファンタジーIX」より)

──スピンオフでいろいろ派生できそうですもんね。

shelfall:
 そうですね。個人的には、本編であまりフォーカスされなかったラグナたちのところに焦点を当てた物語が見られるとうれしいです。

 ラグナ編って全部で5回あるんですけど、雑魚との戦闘ばかりでボス戦がないんですよね。なので、ラグナが活躍するようなボス戦が見たいですし、ストーリー面だとラグナがエスタの大統領になる経緯を深堀りしてほしいです。

 あの当時、魔女アデルが恐怖で支配していたなか、革命を起こして宇宙に封印したみたいなストーリーなんですけど、そこは本編だとさらっと終わっちゃってるので。そこだけを切り取ってもスピンオフとしてじゅうぶん作品として成り立つんじゃないかな、と思うんです。その辺をぜひ……広げてほしいなと(笑)。

FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像は「石橋を叩いてFF8(PC版)を初見プレイ part22」より)

──『FF8』愛のある、納得の回答でした。そういえばボスいなかったな、と今聞いてて思い出しました(笑)。

shelfall:
 自分の目標というより願望ですが(笑)。生きているうちにひとつでもいいのでプレイしたいな……という思いがあります。


 20年以上前に発売されたタイトルを2022年になった現在もしゃぶりつくすように遊び続けているshelfallさん。

 取材冒頭、「『FF8』に飽きるという概念はない」という言葉を聞いたときには、なんてヤバイ人に取材を申し込んでしまったのかと頭を抱えてしまったが、約120分の取材を終えてもやっぱりヤバイ人だなという感想のままであった。

 しかし、ただただ過酷な縛りプレイに身をおく狂人ではなく、本当に『FF8』が好きで、最大限に楽しむために縛りプレイという手段を選んでいる、『FF8』への愛がすさまじいのだと。ヤバさの印象はガラリと変わった。

 あくまで「自分の好きなことを優先」していると語るが、

縛り条件をどう設定したら見てくれる方がわかりやすいか
縛りプレイどう編集したらおもしろく見てもらえるのか
どういう解説をつけたら視聴者は楽しんでくれるのか

その胸の内には「視聴者に楽しんでもらいたい」、ひいては自分の好きな『FF8』の魅力を届けたいという想いが秘められているように感じた(本人は否定しているが)。

 それだけ『FF8』が好きだからこそ、7年以上に渡って縛りプレイ動画を投稿し続けられているのだろう。その結果、一部の視聴者からは『FF8』の変なプレイをする人と認識されてしまっているが……それは致し方ないことだ。shelfallさんもきっと本望だと思う。

FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像は「△ボタン禁止でFF8 part1」より)
FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像は「石橋を叩いてFF8(PC版)を初見プレイ part12」より)
FF8 ファイナルファンタジーVIII インタビュー やりこみゲーマー列伝
(画像は「【FF8】オメガウェポン撃破タイムアタック」より)

【やりこみゲーマー列伝】

・常人には理解できないやりこみゲーマーの世界に迫る──「ゲームプレイ開始まで準備に半年」「リセマラで1ヵ月」絶望と不可能を超えた先に生まれる感情とは【ゲーム実況者:shu3インタビュー】

・やりこみゲーマーはなぜ苦行に挑み続けるのか──「普通に辛いです」それでも縛りプレイに身を捧げる理由【おやつの人インタビュー】

・『FF6』のバグを令和になっても探し続ける男──「縛りプレイ記録更新のために本職のゲームデバッガーに」狂気に満ちたやりこみゲーマーの生き様に迫る【動画投稿者:エディ インタビュー】

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