夏だし怖い話でもしてみないか? 明日から使える「怪談の方程式」専門家が“怖い”を生み出すロジックを解説
『トイレの花子さん』を分析!
頓花:
では先ほどの話を踏まえて、『トイレの花子さん』を具体的分析していきましょう。みなさんもご存じかと思いますが、学校のトイレで呼びかけると花子さんが返事をするという話です。返事があると呪われるというケースだったり、地方によって差はあります。うちの地域だとなぜかトイレの花子さんなのに音楽室にいるという、ねじれ現象が起きています(笑)。
一同:
(笑)
頓花:
このように地域に応じていろいろなお話がありますが、これを先ほどの要素にあてはめると、このようになります。
頓花:
夜の学校、呪われる、襲われるというのが怖い要素ですよね。そして僕たち日本人は儀式が大好きじゃないですか。これだけで怖いと思うんですがノックの儀式を複雑化してあげることで信ぴょう性が増します。そして学校で流行った話ですので、距離感が近いですし、学生は試そうと思えばいつでも試せます。そういう意味で『トイレの花子さん』という話はうまいことできているなと思います。
怖い話をどう楽しむか
頓花:
続いて「怖い話をどう楽しむべきか」ということについても、お話したいと思います。僕は怖い話を聞くと集中力が上がっていくと思っています。ちょっと風が吹いただけで「キャー!」となるじゃないですか。そういったトランス状態を楽しめる遊びだと思っています。
あと、恐怖の裏には快感があると思っています。「キャーキャー」と言うたびにアドレナリンが出ているんですが、恐怖を感じる脳のポイントと快感を得る脳のポイントというのは、どうやら重なっているらしいんです。そしてどんどん恐怖を体験すると、それに慣れていくらしいです。
ですのでホラーゲームを実況されている九血鬼さんは、どんどん楽しい部分だけが残っていくと思うんです。
九血鬼:
確かにそうです。
頓花:
繰り返し恐怖を楽しんでもらうことで快感部分が強くなっていくので、そこを楽しんでもらえたらと思います。
愛の戦士:
だからみんなお化け屋敷に行くんだね。
頓花:
そういうところでホラーを普及していけたらなと思うのですが、なかなかみなさん、お化け屋敷に来てくださらないんですよね。
愛の戦士:
ちなみに大原さんはお化け屋敷に行きますか。
大原:
お化け屋敷は好きで、北海道から沖縄まで毎年巡っています。
SHIRAHAN:
中でも「これは怖い」と思うお化け屋敷はありましたか。
大原:
阿佐ヶ谷にシカバネというお化け屋敷があって、50分間ずっとワンルームでお化けと一緒にいなきゃいけなくて、タンスに隠れながらお化けから見えないところで謎解きをしていくというものなんです。
一同:
うわ~! 楽しそう!
大原:
タンスの中に入っていると、お化けに爪でキキー! ってされて、「ここにいるの?」とか言われたりします。
頓花:
夏ですから全国でお化け屋敷をたくさんやっていると思いますので、先ほどお話した観点で見て楽しんでいただけたらと思います。