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『つるピカハゲ丸』作者のむらしんぼ氏、コロコロ連載時のスランプを語る「ネタを探して隣の家のゴミ箱を見てた」

 小学生男子のバイブル『月刊コロコロコミック』の歴史を描いた漫画『コロコロ創刊伝説』。“大人のコロコロ”『コロコロアニキ』での連載当初はこんなに読者から反響があるとは思わなかったと語る原作者ののむらしんぼさんが公式生放送に登場しました。

 番組MCのなすなかにし那須さん中西さん、アシスタントのかえひろみさん、コロコロアニキ編集部記者の石井さんに、『つるピカハゲ丸』連載当時の生活スタイルや漫画家の宿命ともいえる締切、編集者との戦いなどのエピソードを明かしました。

画像は『コロコロ創刊伝説(1)』Amazonより。

四コマのネタを探して近所徘徊

左から那須さん、中西さん(なすなかにし)、かえひろみさん、のむらしんぼさん、石井さん。

中西:
 コロコロに連載していらっしゃった当時に、「そんな事があったんだ!」っていうのを毎回楽しみに『創刊伝説』を見ています。

那須:
 しんぼ先生も『つるピカハゲ丸』の連載当時を思い出されたんじゃないですか。

のむら:
 本当は思い出したくないんだけど、思い出しちゃうよね(笑)。

一同:
 え!? 思い出したくないんですか(笑)?

のむら:
 いろいろと大変な思いがありました。警察に捕まったんですよ(笑)。

一同:
 え!?

中西:
 先生、大丈夫ですか? 急に何を言い出すんですか!?

のむら:
 パジャマ姿でずっと仕事をしていたんですよ。1回で30本、40本、50本も四コマのネタを作らないといけなくて、机の前で考えていると限界がくるので、外にアイデアを探しに行くんです。パジャマを着替えている時間もないから、夜明け前にパジャマのまま、隣の家のゴミ箱のサンマの骨を見て「ネタに使えないかな~」とかね。

のむら:
 夜が明けてくると、カラスがカァーカァー鳴いているのを見て、「このカラス、なんとかネタにならないかな」って、アパートの周辺を朝の4時とかにフラフラしていたんです。

 そしたら、警察官にトントントンって肩を叩かれてパトカーに乗せられたんです。隣のマンションの変な人が通報したみたいです。怪しいって思われたんでしょうね。

かえ:
 変な人が通報したっていうか、先生自身が変な人……(笑)。

のむら:
 今だと笑い話になるけど、ちょっと青くなりましたよね。夢中で、とにかくネタを探さないとって思っていたから。「これはいけるかもしれない」って3コマ目くらいまで浮かぶんです。でも、4コマ目が出てこなくて、10分間じーっと天井を見つめたり。

那須:
 周りからしたら「何してるんやろ」ってなりますもんね。でもそれは捕まったっていうより、職務質問ですよね。

のむら:
 そうそう(笑)。その言葉が出てこなかった(笑)。

那須:
 話を聞いていて思ったんですが、「3コマ目までは出てくる」とか、そういうのがあるんですね。

のむら:
 どの漫画でも起承転結がありますよね。オチをどうするかっていうと、読者の一歩先を行かないといけない。120%理論というものがあって、読者の目線が100とすると、90%のネタだと「やっぱりな」とか「先が読めるな」とか、「こんなネタか」と馬鹿にされる。
逆に150%や200%のところを行くと、読者がついてこれないんです。

一同:
 なるほど。

のむら:
 だから、中間の120%なんです。読者に「あるある!」、「面白いな!」って思わせるのが120%理論ですね。

かえ:
 絶妙ですね!

那須:
 勉強になります。

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