「もう“理解”した」とすべてを模倣し無双する。『たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。』は最強でヒモな男のロマン
男と生まれたからには、誰でも一生のうち一度は夢見る“地上最強”……または“ヒモ”。
ニコニコ漫画の「少年エースplus」にて連載中の『たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。』は、そんなふたつの夢を同時に叶えてしまったある男の物語です。
誰からも評価されなかった最強の<無職>であった主人公は、いかにして一国の王女からの救いの手をつかむことになったのか……?
原作:藍藤唯(@aifj_y)
漫画:杠憲太(@yzrh_kyun)
キャラクター原案:霜降(Laplacian)(@momoitiban)
話し相手になるだけで30万!?
本作の舞台となるのは、誰もが適性に導かれるがままに天職を得ることができる世界。
就活が必要なさそうなのは羨ましいことこの上ありませんが、それはつまり職業選択の自由がないのと同義でもあり……。
そんな世界において、主人公のフウタに与えられた職業はまさかの<無職>。
伸びっぱなしの髪とボロボロの衣服からも、彼がこれまで詰みに近い生活を送ってきたことが容易に想像できました。
しかしこの日、ふらりと訪れた酒場でフウタは店主からある非合法の依頼を紹介されます。
“話し相手になるだけで30万”なんてどう考えてもヤバい依頼にしか思えないのですが、彼は「これを引き受ける」と即答。
さらに厄介な依頼を引き受けたのだからと店主に交渉し、久方ぶりの温かい食事を楽しむのでした。
そして翌朝、フウタは待ち合わせ場所として記載されていた路地裏の旧噴水広場へと向かうのですが……。
彼を待ち受けていたのは、強烈な“闘気”をまとう謎の人物。
しかし近くで見てみると、意外にも正体は少女であったことがわかります。
そもそも、彼女が先ほどから放っていた“闘気”も無自覚のものだったらしく。「とにかく……悪い人じゃなさそうだ」とフウタも胸をなでおろすことになったのでした。
元・闘剣士だったフウタと、好戦的な少女
さて、依頼主と合流したフウタは、話の流れで身の上を語ることに。
彼は<無職>ながら、2年前まで異国で闘剣士として働いていたそうなのですが……。
その言葉を聞いた瞬間、フードの少女はどういうわけか手合わせを申し込んでくるではありませんか!?
フウタはやや困惑したものの、覚悟を決めて立ち上がります。
じつは彼はその昔、コロッセオでチャンピオンまで上り詰めたことのある実力者。
闘剣士としか聞いていなかった少女ですが、彼が放った“闘気”の奔流を受けて一瞬息を飲みます。
そして、少女から彼女が予備として持っていた細身の剣を受け取り、構えをとったフウタ。
不慣れな武器では不利にも思えますが、彼の「相手の使う得物が俺の得意武器だ」との言葉は、果たしてどういうことなのか……!?
かくして元・チャンピオンとしてのプライドに懸けて、謎の少女と相対したフウタ。
ただ、少女も相当な猛者であったようで、鮮やかな連撃にたちまち翻弄されてしまいます。
しかし激しい打ち合いのなかで、ふいに「もう“理解”した」とつぶやいたのはフウタのほう。
それは嘘でもハッタリでもなく、フウタは本気で剣筋や戦闘スタイルから彼女の一切合財を読み取ってしまったことを意味していました。
一方、ここで少女は「ちょっと楽しくて困りましたね」とフードを脱ぎ捨て美しい素顔をさらします。
その可憐さにフウタが見とれてしまったのもつかの間、彼女は全力でフウタを打倒しにかかってくるのでした。
すべてを模倣する最強<無職>、ヒモになる
ついに全力を解放し、フウタに向けて背筋が凍るような視線を送った少女。
そして彼女は、≪宮廷我流剣術:雨(デシュツ)≫なる大技を放ってきます。
しかし、彼女の大技を寸分も違わぬ剣筋で打ち返してみせたフウタ!
それはまさに≪宮廷我流剣術:雨(デシュツ)≫の完全なる模倣。 これこそが、彼の真骨頂なのでした。
模倣は、<職業>を持たず愚直な努力を重ねることしかできなかった彼の唯一の武器。
鍛錬の末、いつしかどんな強者の戦術をも模倣し上回れるようになっていたフウタでしたが……。
しかし、そうしてチャンピオンにまで上り詰めた彼に待っていたのは「パクリ野郎」という心無い言葉のみだったよう。
そんな報われぬ過去を打ち払うかのように、彼が奥の手としてくり出したのはまだ見ぬ大技。
少女の鍛錬の“その軌跡の先”までもを模倣したフウタによる、≪宮廷我流剣術:雷霆(グリジュモッド)≫が炸裂します!
手合わせはこれにて決着。まさか少女も、自分がまだ見せていない技すら真似されるとは思ってもみなかったことでしょう。
敗戦の悔しさ以上に、彼女の中では楽しさが上回った模様。驚きとともに、彼の腕前をたたえます。
そして、「やはりこれは運命なのやも」とフウタを食客として招くと言ってくるのでした。
衣食住が保証され、たまに鍛錬に付き合ってくれればいいという破格の条件に困惑するフウタ。
これってつまり、事実上のヒモってことだよな……?
しかも、このタイミングで彼女がこの国の第一王女ライラック・M・ファンギーニであることも判明!
元・チャンピオン、現・<無職>から、一瞬にして王女のヒモへとジョブチェンジを果たしたフウタですが、いったいこれからどんな暮らしが待っていようというのか。気になる続きは、ぜひ連載ページにてチェックしてみてください!
(画像はニコニコ漫画『たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。』より)
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