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「らき☆すたは音ネタ」「コジコジは異世界の無駄遣い」──“放送中のアニメ全視聴”を7年間続ける芸人の「アニメの楽しみ方」【ハライチ岩井勇気インタビュー】

 「アニメだったら何でも好きなんですよ。」 
 お笑い芸人・ハライチの岩井勇気さんのインタビューは、この一言から始まった。 

 岩井さんがアニメ好きなことをご存知の方は多いかもしれないが、2014年から現在まで放送中の全てのアニメを観ていることを知っている方はあまりいないのではないだろうか。

 アニメは1クール(3ヵ月)毎に30~40本ほど放送されており、全アニメ視聴を7年近く続けている岩井さんは、軽く見積もっても800作品以上を観ていることになる。しかも、途中で視聴を止めることもなく、全てのアニメを楽しんで完走してしまうのだ。
 筆者はニコニコに所属する仕事柄、さまざまなアニメ好きやアニメ関連の仕事をしている人と出会ったが、そんな人にはこれまで一度も見たことがない。
 これはちょっと、尋常じゃないことをしているのではないだろうか?

 今回、岩井さんの「アニメ愛」を探るべくインタビューを行ったが、岩井さんから飛び出すアニメに関わるエピソードには、「趣味」や「アニメファン」といった言葉では片づけられない、「アニメと共にある人生」とも言える凄みを感じた。
 「きっと何か面白い話が聞けるに違いない」と思ってはいたが、その偏愛っぷりは想像を遥かに超えていた。

 2時間に及ぶインタビューは、一番好きなアニメーションは『おかあさんといっしょ』のオープニングであること。アイデアの源が『コジコジ』であることなど、アニメの話はもちろんたっぷりと。
 さらには、ネタ作りの裏側や相方・澤部さんへの想いまで、岩井さんの内面を覗き込むような話を聞くことが出来た。

 きっと、ここでしか聞けない話がたくさん詰まったものになったと思う。
 アニメ好きの方も、岩井さん好きの方も、そうでない方も、ぜひ岩井さんの言葉の数々を浴びて帰ってほしい。

取材・文:金沢俊吾
撮影:金澤正平
ヘアメイク:Je suis heureuse tokyo


──岩井さんは7年近く「放送中の全アニメ」を観続けているということで、今日はアニメのお話を色々伺いたいと思っています。よろしくお願い致します。

岩井:
 はい、よろしくお願いします。

──単純計算して800作品ぐらいは観られてますよね。好きな作品もあれば、趣味じゃない作品もあると思うのですが、どういったモチベーションで観続けられているのでしょうか?

岩井:
 それがですね、アニメだったら何でも好きなんですよ。

──ええ……何でも好き、なんですか?

岩井:
 「めちゃめちゃ好きなのか、普通なのか」っていうのはありますけど、とにかくアニメだったら全部好きで、退屈だとか思ったことは一度もないですね。
 作画が粗くても、もう全然良いんです。絵の枚数が少なくて、どうやって絵が動いてるかわかるから。
 絵が動いてるだけでいいんです。アニメーション自体が好きなんですよ。

──アニメーション自体が好き。ですか。

岩井:
 はい、そうですね。

──じゃあ、ストーリーや作画が良くないなと思っても、アニメとして動いてるから、もう最低限以上は楽しんでるっていうことですね。

岩井:
 いやあ、楽しいですね。 ストーリーやキャラクターが好きな作品もありますけど、とにかくアニメーションが好きなので。
 CMであろうが、アーティストのMVであろうが、アニメーションだったら、もうメチャクチャ見ちゃいますね。

──はああ。そういう方に初めてお会いしたかもしれないです。アニメ作品に限らず、好きなアニメーションって何かありますか?

岩井:
 アニメーションとして一番好きなのは、Eテレの番組「おかあさんといっしょ」の人形劇『ガラピコぷ〜』のオープニングアニメなんですよ。

──「おかあさんといっしょ」ですか! かなり意外なチョイスですね。

岩井:
 手描きっぽいアニメーションなんですけど、かわいいし、アングルがすごくいいんですよ!これはすごいですよ。スマホに入れて、もう繰り返し観ちゃいます。

『おかあさんといっしょ ガラピコぷ~』。画像はNHKアーカイブスより引用

──アニメ好きを公言されている芸能人の方ってたくさんいますけど、「アニメーション自体が好き」って人はなかなか珍しいんじゃないでしょうか?

岩井:
 多分そうですよね。よくテレビに出てるアニメ好きな人、テレビで求められる人って、大体「ワンピース芸人」みたいな感じじゃないですか。

──「ルフィかっこいい!」みたいな、キャラ愛を語れる人が重宝されるということでしょうか。

岩井:
 そうそう、それが一番分かりやすいじゃないですか。
 「俺はこのキャラのためだったら云々」「このキャラの魅力をみんなに知ってもらいたいんです!」みたいなこと言えたらいいんですけど、僕はテレビ向きじゃないタイプのアニメ好きかもしれないですね。

監督や声優のことは気にしないようにしている

──アニメーション自体が好きとはいえ、ストーリーやキャラクターを楽しむこともあるわけですよね?

岩井:
 もちろんあるんですけど……それはね、ちょっと難しい問題なんですよ。長くなるけど大丈夫ですか?

──もちろん大丈夫です。

岩井:
 まず、「キャラクターが生きている作品」が好きなんですよ。

──キャラクターが生きている、とは?

岩井:
 『冴えない彼女の育てかた』が大好きなんですよ。女性キャラクターがたくさん出てくるんですけど、「ツンデレ」とか「小悪魔」とか、アニメっぽい属性がみんな分かりやすく付いてるんですね。その中でヒロインの加藤恵だけ、他のキャラクターに「キャラが薄い」って言われるぐらい、めっちゃ普通の人なんですよ。
 現実世界にいそうというか、彼女が本当に生きてるような感じがするんです。

『冴えない彼女の育てかた』。画像は公式ページより引用。

──なるほど、分かる気がします。

岩井:
 でも、そういう作品ばっかりじゃなくて、キャラクターがストーリーを動かす駒になっちゃう作品もあるじゃないですか。

──ストーリーを動かす駒っていうのは、例えば「状況を説明するためにこのセリフをキャラクターに言わせているな」みたいに、作り手の都合が透けて見えてしまうってことでしょうか?

岩井:
 そうですね。大人の都合が見えちゃうと、つくりものっぽくなっちゃうというか、「キャラクターが生きていないじゃん」と思うんですよ。
 そうすると「僕はアニメが大好きなのに、キャラクターが駒に見えてしまうのは何なんだ?」っていうセルフツッコミが入るんですよ。この矛盾した気持ちの落としどころをずっと考えていたんです。

──落としどころ、ですか。「全てのアニメを好き」っていう気持ちがある一方で、つくりものっぽく感じてしまって楽しめない作品があるのはおかしいぞ。みたいな矛盾を解消したかった、という理解で大丈夫ですか?

岩井:
 そうですね。その落としどころなんですけど、全てのアニメの登場人物はこの世界のどこかにいると思うことにしたんです。でもそれは実写で撮ってくるのは無理なんです。
 この世界っていうか、もう他の並行世界でもいいけど、とにかくどこかに存在すると。その姿を私たちは直接見ることはできないんで、絵に描き起こして、アニメーションとして見せてもらっている。そういうことです(笑)。

──えっと……現実に起きていることをアニメという形で見せてもらってると捉えることで、全てのキャラクターは「駒」にならずに済むってことでしょうか?

岩井:
 そうですね。そういうことです。

──でもアニメは、監督やアニメーター、作者がいますよね。そういう方々の存在はあんまり気にされてないっていうことですか?

岩井:
 気にしないようにしてますね。
 「この人が作るものってこうだよね」とか、「この監督だからこういう内容になるんじゃないか」とか、そういう作家性みたいなことも人と話す時は考えますけど、観てる時にそれを考えると、どこかにあるはずの並行世界が崩壊しちゃうじゃないですか(笑)。

──現実で起きてることのはずなのに、監督の頭の中でストーリーが創られていたらおかしいぞって(笑)。

岩井:
 そうですそうです。なるべく没頭したいんで、作品世界の外側のことは考えてないですね。

──ちなみに、その考え方だと声優さんはどういう存在なのでしょうか?

岩井:
 あの世界の……「あの世界」ってなんだ(笑)、世界のどこかで起きてることを伝えようとして、みんなで頑張って再現してくれている人たちのひとりです。

──なるほど……岩井さんの見方がちょっとわかってきた気がします。現実で起きていることを絵で起こすのが「アニメ」であって。アニメを通してどこかの世界を見せてくれて、ストーリーは実際に起きていることで、キャラクターはみんな本当に生きていると。

岩井:
 そうですね。だからアニメだったら何でも没頭できるし楽しいぞ、っていう。
 理屈は後付けかもしれませんが、そういうわけで、とにかくアニメならなんでも好きなんです。

雨の日だけアニメが観れる

──ここでちょっと幼少期を振り返って頂きたいのですが、アニメを観ていた記憶っていつ頃からありますか?

岩井:
 アニメは幼稚園ぐらいからずっと見てましたね。『ドラえもん』のスペシャルとか、ジブリも好きでした。
 ビデオで録画したやつを、もう毎日のように見てましたね。

──同じ作品を繰り返し観るっていう感じですか。

岩井:
 そうっすね。本当にビデオがずらーっと家に並んでたので。
 鳥山明さんの『PINK』原作の短編劇場アニメ『Pink みずドロボウあめドロボウ』とか、あとは『雲のように風のように』っていうジブリに関わるアニメーターさんが参加したアニメとか、大好きで何度も観てました。

『雲のように風のように』。画像はAmazonより引用

──岩井さんは子どもの頃、お父様がコーチをやっているサッカークラブに通ってましたよね? スポーツよりも、本当はアニメを観たかったですか?

岩井:
 いやー、アニメ観たかったですねえ……。
 当時、毎週水曜日にJリーグをテレビでやってたんですよ。で、父親に、Jリーグの2時間はがっつりテレビの前で見させれるんですけど、ちょうど裏番組で『ドラゴンボール』がやってたんですよ。それがもう、本当にツラくて仕方なかったです。

──『ドラゴンボール』は録画して、後で観ていたということですか?

岩井:
  いえ、『ドラゴンボール』は録画もさせてもらえなかったです。

──それは家庭の方針的なことでしょうか。

岩井:
 そうですね。父親がもう「アニメなんか観てないでサッカー観ろ」って感じだったので。

──全国大会まで出場されたって聞いたことがあるんですけど、父親に言われたといいつつも、サッカーには熱心に取り組まれてたってことですか?

岩井:
 本当はサッカーはやりたくはなかったんです。でも、やめると父親が何か言いそうだし、ガッカリするだろうなと思って続けてましたね。

──じゃあ、本当はアニメばっかり見たかった?

岩井:
 アニメばっかり見てたかったっすね。本当に遊ぶ時間なかったですもん。土日も平日も、放課後はずっとサッカーの練習か試合なんですよ。
 でも、大雨が降った時だけサッカーが休みになるんです。その時、家でアニメ観れるのがマジで最高でした。

──うわー、それは貴重な時間でしたね。

岩井:
 本当にね。だから、僕にとって、アニメは雨とセットのイメージなんですよ。雨降れば、アニメが観られる。録画したアニメからどれにしようかなって選んでる時間、もう本当に一番楽しかったですね。

アニメ番組をやるなら全作品を観よう

──2014年にスタートしたニコニコ生放送『岩井勇気のアニ番』では毎回、放送中の全アニメ作品を観たうえでベスト10を発表して、1時間ほど放送中のアニメについて喋りまくっています。全作品を観るようになったのはいつ頃からですか?

岩井:
 『アニ番』の放送開始からですね。それまでは、深夜アニメの面白そうな作品だけ選んで観てましたね。

──なるほど、番組に合わせて全作品を観るようになったんですね。番組開始のきっかけって覚えてますか?

岩井: 
 今、アニ番を一緒にやっている作家と、新宿のゴールデン街にあるアニソンバーみたいなお店に飲みに行ったんですね。そこで僕、流れている新旧のアニソンをほとんど全部わかったんですよ。そうしたら、「めっちゃアニメ詳しいじゃん。アニメの仕事を専門的にしてる芸人さんてあまりいないからやってみたら?」って言われたんです。

 それまでアニメの仕事をしようと考えていなかったですし、アニメが好きな事をあんまり人に話してなかったかも。それで、ニコ生で番組やろうってなった時に「今クールのアニメ話すんだったら、わかりやすく全部観よう」って話になって、『アニ番』が始まったんです。

第147回ハライチ岩井勇気のアニ番』より引用。

──さらっと仰いましたけど、クール全アニメ観るのってかなりハードですよね?大体1クールって30~40本ぐらいありますが。

岩井:
 うーん、アニメ全部見るのに別にそんなに時間食わないんですよね。
5分、10分アニメもありますし、余裕ですね。

──『アニ番』を始めた2014年に比べて、今とてもお忙しいと思うんですけど。アニメを観るのが苦痛になったことも、アニメ観るために犠牲にしたことも無いんですか?

岩井:
 苦痛になったことなんて一度もないっすね。愛と気力があれば全然観れますよ。

──放送中の作品をたくさん観ている中で、好きな過去作を観返すこともありますか?

岩井:
 ありますあります。好きな作品はもちろん何度観ても楽しいので。『巌窟王』とか超観返しますね。
 あとは、家で何もしてない時間も『のんのんびより』とか『らき☆すた』とか、そういう日常的なアニメをゆるっと流しているのも好きなんです。

『巌窟王』。画像はAmazonより引用

── もうとにかく、家ではいつもアニメが流れている感じですか?

岩井:
 そうですね。家にいるとき本当にアニメ流しっぱなしです。テレビ、ほぼアニメ用モニターとしてしか使ってないですからね。

──バラエティ番組とかもあんまり見ないんですか?

岩井:
 見ないっすね。テレビはレコーダーと接続する「入力2」しか使ってないです(笑)。

──芸人さんって、バラエティ好きな方が多いイメージがあるんですが、本当に全然見ないんですか?

岩井:
 見ないっすね。趣味じゃないんですよ。

──「M-1」「R-1」などお笑い賞レースを研究するとか、そういうこともないのでしょうか。

岩井:
 賞レースもリアルタイムで見なきゃっていう感じではないですね。「どういうネタやってんだろう?」って最終的にはどこかで見ますけど、結果が気になってすぐ見たりはしないです。
 そもそも小学校の頃からアニメばっかりで、お笑いもバラエティ番組も全然見て来なかったんですよ。

 「アニメ 芸人」で検索したら「岩井」が出てくるために

──『アニ番』の話をもうちょっと聞かせてください。先日の放送で「この番組の告知はもうしない。僕はアニメを観るためにこの番組をやってるんだ」って仰ってたんですけど、あの発言の意図をお伺いしたいです。

岩井:
 まず、『アニ番』を見てくれている人に、「すごいアニメ見てるんだな」とか、「岩井の意見すごい良い」って思ってもらうためにやってるわけじゃないんです。

──なるほど。では、『アニ番』の狙いはどんなところにあるのですか?

岩井:
 この『アニ番』という番組、「全アニメを視聴してるっていう事実」を作るためにやってるところもあって。自分の名刺みたいなものなんですよね。

──ちなみに、じゃあ『アニ番』がもし終了したら、もう全アニメは見ないですか。

岩井:
 本当に好きなものだけを観ちゃうようになるかもしれません。そうするとやっぱり、「全アニメ観てる」っていう名刺がなくなっちゃうじゃないですか。

──名刺代わりって仰いましたけど、番組自体を楽しんでもらうというより「岩井さんが放送中の全アニメを観ている」という事実や、アニメ好きのイメージを業界内に伝えたいっていう想いが強いっていう認識で合っていますか?

岩井:
 そうですね。 「アニメ 芸人」で検索したときに「岩井」の名前が上の方に出てくるようにしたかったんですよね。

──かなり戦略的にやられていたんですね。

岩井:
 もうアニメ特番の司会って言ったら、鷲崎健さんか、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんって感じじゃないですか。僕はそこに割って入りたかったんですよ(笑)。

──狙い通りというか、順調にアニメの仕事が増えている印象があります。名刺としての役割が終わったら、『アニ番』も終了ですか?

岩井:
 うーん……『アニ番』の生放送が始まると同時に、パッと300人ぐらい視聴者が来るんですよね。何年やっても300人から増えないので、それが限界値なんでしょうけど(笑)。
 でも、その300人がアニメ詳しくなくても僕の活動を追いかけて来てくれているとしたら、無料のオンラインサロン代わりじゃないですけど、みんなが集まれる場になってたらいいなと思いますね。

『コジコジ』は異世界の無駄遣い

──岩井さんが漫才のネタを作る中で、たくさんアニメを観て吸収してきたものがアウトプットにされることってあるのでしょうか?、M-1の決勝でやられてましたね。

岩井:
 そうですね。RPGっぽいネタもM-1でやりましたし、異世界の妖精が脳に語りかけてきた。みたいなネタもあります。分かりやすくアニメ的な要素けっこう入れてますよ。

──ちなみに、漫才を作る際のアイデアって、どういうところからスタートするんですか。

岩井:
 ああ、それはね、さくらももこさんなんですよ。『コジコジ』がもう大好きで。

──『コジコジ』がアイデアの基ってことですか?

岩井:
 『コジコジ』ってファンタジー世界行ってんのに、ファンタジー世界を無駄遣いしてるんですよね。大事件が起こらないじゃないですか。

──コジコジは普通に学校通ってますよね。

岩井:
 そうそう、ファンタジー世界行ってるのに、日常的なことをやってるんですよね、次郎くんがお母さんに怒られたりとか。そんなの現実世界で出来るじゃないですか(笑)。

──たしかに(笑)。

『コジコジ』。画像はAmazonより引用。右のキャラクターが次郎くん。

岩井:
 でも、『コジコジ』はその無駄遣いが面白いんですよ。
 だから僕がよくネタ作りで考えるのは、現実世界でファンタジーなことが起こるか、ファンタジー世界で現実でも出来る日常的なことを起こすかなんです。

──ファンタジー世界でファンタジーな出来事が起こってたら、それは当たり前のことですもんね。

岩井:
 そうなんですよ。
 だから「異世界の妖精が語りかけてくる」ってネタは、「悪魔に襲われて、勇者が助けに来る」みたいなことじゃなくて、「妖精の世界で少子化が進んでるんだ!」みたいなことを言い出すわけです。

──おお。そう聞くと、急にお笑いのネタ設定っぽくなりますね。

岩井:
 そんなのおまえらで解決しろよ! っていうね。でも、そういうのが好きだから意識してアイデアに取り入れてる気がします。

──ネタだけじゃなく、ラジオ『ハライチのターン!』のフリートークやエッセイも、日常のちょっとした出来事を膨らませているイメージがあります。エッセイ本のタイトルなんて、そのまま『僕の人生には事件が起きない』ですもんね。

岩井:
 そうですね、ラジオのフリートークもエッセイも、結局あんまり事件は起こってないんです。
 さくらももこさんのエッセイがまさにそうなんですけど、「私はこの時こう思った!」が面白いと思うので、日常生活で実際に起きたこと、そこで思ったことを言葉にしていくってことをやってるんですよ。

腐りキャラは「腹立つことあるある」

──さくらももこさんって、独特の「毒」があるじゃないですか。そういった毒も、岩井さんに影響を与えているのかなって思いました。ラジオのフリートークでも、エッセイでも、ちょっと攻撃的なことを言ったりするじゃないですか。

岩井:
 ああ、ちょっとどころか、めっちゃ言いますね。

──岩井さんのエッセイに書かれていたエピソードで、親戚のお葬式で「勇気くん、もっとテレビでは元気にやらないと!」って説教してくるおじさんの話が好きなんです。岩井さんはその場では黙って耐えて、帰りの車でやっと不満を大声で発散するんですけど、それが書かれることで、ちょっと意地悪だけど、でも読んでる側もスッキリするんですよね。

岩井:
 そうですね。だから、毒を吐くにしても、何かに物申すとしても、「あるある」になるように意識しています。

──「こういう親戚のおじさんいる!」と思って読みました。

岩井:
 そうでしょ? 「親戚のおじさんあるある」なんで。

──岩井さんと言えば「腐りキャラ」というか、毒吐きをテレビでよくやられているイメージがありますが、それも「あるある」っていうことですか?

岩井:
 全部「あるある」っすね。「腐りキャラ」も、「こうやって嫌な思いする状況ってあるよね」っていうことを言ってるだけなんですよ。

──なるほど、ラジオでよく「〇〇あるある」をメール募集してますけど、話が繋がった気がします。

岩井:
 「あるある」って楽しいじゃないですか。皆で「そうだよねー」って笑えるし、好きなんですよ。

──確かに『ゴッドタン』の「マジ歌」も業界への毒が凄まじいですけど、共感できるから笑えるのかもしれないです。

岩井:
 「マジ歌」は「芸能界で腹立つことあるある」をやってるんですよね。
 共感できないようなことを強い言葉で言われたら、すごく嫌じゃないっすか。「こいつ何言っての? 性格わる!」で終わりですよ。でも、「あるある」は味方がいっぱいいるんでね。なんて言ったって「あるある」なんで(笑)。

『らき☆すた』は音ネタである

──「マジ歌」の話も出ましたけど、岩井さんといえばJポップもすごく詳しいですし、音楽のイメージを持っている人も多いと思うんです。アニメを観るときも音楽に注目しますか?

岩井: 
 アニメ音楽は、作品内で効果的に使ってると「うわー」ってなります。

 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が好きなんですけど、ヴァイオレットが、ギルベルト少佐が死んでるんじゃないかと伝えられる名シーンがあるんですよ。その後、外に出て行ってしまったヴァイオレットが歩いて戻ってくるところから音楽が流れ始めるんです。最後、めちゃめちゃ感動するセリフの箇所で、ちょうど音楽のブレイクが入るんですよ。
 「うまー!!」 って(笑)。めちゃくちゃ気持ちいい。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』・画像は公式サイトより引用

──なるほど。音楽が映像にハマった瞬間に、心が掴まれるんですね。

岩井:
 そうですね。他には、『らき☆すた』とかもマジですごいんですよ。BGMをめちゃくちゃ効果的に使ってるんですよね。

──『らき☆すた』ってそうなんですか? 具体的にどのあたりでしょうか?

岩井:
 『らき☆すた』って、ずーっとほんわかしたBGMが流れてるじゃないですか。あれって実は、セリフとBGMの掛け合いだと思うんですよ。
 何かセリフ言う、「テテテテー」って音楽が入る。もう1コセリフ返したら、また音楽が流れる。の繰り返しで、最後にボケというか、周りをポカンとさせるセリフを言って、「テテテテッテテッテテッ」って音楽からの「らきすた」っていう場面の切り替えに入るんです。
 この最後の「テテッテテッ」がツッコミの役割なんですよ。

『らき☆すた』。画像はニコニコ動画 らき☆すた 第1話「つっぱしる女」より引用。

──おお、すごい。そういった観点で観たことなかったです。

岩井:
 なんとなくわかりますかね? 「ここがオチですよね」とか、「
何か変なこと言ってます」みたいツッコミのニュアンスがBGMに含まれてるんですよね。

──音楽がツッコミに聞こえるっていうのも、歌ネタ、音ネタをたくさん作られている岩井さんだからこそ気付かれるポイントなのかもしれないですね。

岩井: 
 『らき☆すた』は音ネタだと思ってるんです。シーンと音楽がハマるとすごく気持ちいいし、気持ちいいと笑っちゃうんですよね。それってもう音ネタそのものじゃん、って。

「醤油の魔人と塩の魔人」のこと

──音ネタといえば、渡辺直美さんと一緒にやられた「醤油の魔人と塩の魔人」も放送当時、Twitterでトレンド入りしたりとすごく話題になりました。このネタはご自身で制作されたんですよね?

岩井:
 そうですね、楽曲から自分でキーボードで作りました。

──どういったイメージから作られたのでしょうか?

岩井:
 お笑いで、ああいうティム・バートンみたいな、ゴシック的な世界観とかやってる人ってあんまり日本にいないじゃないですか?

──そうですね、はい。

岩井:
 ゴシックの世界観に笑いを落とし込むの難しいんですよね。そこが珍しいだろうっていう狙いはありましたね。
 音に関してはもう、面白い音楽っていうよりは、気持ち悪い音楽でもいいんで、とにかく耳に残るやつを何回も連呼してやろうと。

──確かに1回ネタを見ただけで、メロディが頭から離れなくなります。でも、耳に残る音楽を狙って作るの難しいんじゃないでしょうか?

岩井:
 とにかく連呼すれば耳に残せるんじゃないかと思ったんですよね。
 「私は醤油の魔人だ~」って、12回ぐらい同じフレーズをやってると思うんですけど、そりゃあ頭に入っちゃいますよね。

──短時間に何度も聞かされると、もう1回歌いだすの期待しちゃうじゃないですか。ネタの後半は渡辺直美さんが「私は醤油の魔人だ~」って歌い出すだけで笑いが起きるという。

岩井:
 あとは、単純に耳に残るメロディを考えるっていう。3音しか使ってないんですよ。「私は醤油の~」まで全部おんなじ音です。

──ちなみに、キーボードで作られたとのことですが、鍵盤はいつ頃から弾けたんですか。

岩井:
 ピアノはもう小1から習っていたので、ずっと弾けますね。

──そうだったんですね。ピアノも弾けるし、油絵も描かれますよね。本当に多才ですよね。

岩井:
 なんでも中途半端というか器用貧乏なんですよ。何やっても6割ぐらいは出来ちゃうんですけど。

──なるほど、何やっても6割。

岩井: 
 7割から上はなかなか突き詰められなかったんです。でも、今、それがちょっとずつ底上げされてる気がするんです。

──器用貧乏じゃなくて、ひとつひとつのクオリティが上がってきたと。底上げされてる理由は何だと思いますか?

岩井:
 ちょっとずつ、ずっと続けてるから。アニメ観るのも音楽も、エッセイで思ったこと書くのもそうですけど、続けてきたことが、やっとひとつひとつ仕事になってきた感覚がありますね。 

ハライチの漫才はワンアイデア

──器用に出来ること、好きなことがたくさんある中で、それでも一番好きなのはアニメっていう認識で合ってますか?

岩井:
 そうですね。アニメがやっぱり一番好きっすね。

──それこそ、仕事としてアニメの道に進むっていう選択肢はなかったんですか?

岩井:
 アニメーターさんの仕事ってすごく緻密で、とんでもない努力が必要じゃないですか。僕にはきっと出来ないですよ。

──いやでも、漫才も緻密じゃないですか。

岩井:
 いやいや、ハライチの漫才はまったく緻密じゃないっすね。王道漫才だったらそれこそ緻密ですごい努力が必要ですけど、僕の書くネタは大体、ワンアイデアなんで。

──そう言われると、私、ハライチの「最初の3分間、岩井さんが全く話さないネタ」がすごく好きなんですけど、あれもワンアイデアで突っ走ってますね。

岩井:
 あれは僕が3分間黙って、その間ずーっと楽しんでもらえるような状況を考えたんですよね。だから、僕が一番頑張るのは机の上なんです。舞台に立っちゃえば、あとは3分間黙ってるだけなんで楽でしたよ(笑)

──ワンアイデアのネタ作りが一番頑張りどころってことですね。

岩井:
 机の上で、のちのち努力しなくていいように頑張ってるんです。

──そういえば、テレビ東京で放送している『あちこちオードリー』でハライチがゲストに出られた回が本当に面白くて。ネタを書いている岩井さんとオードリーの若林さんが、澤部さんとオードリー春日さんに「お前らはネタを受け取るだけの“ネタ受け取り師”だ。俺達にもっと感謝しろ」って。ちょっと冗談っぽく言ってましたけど、やっぱり「机の上での自分の仕事」への自負が強くあるっていうことなんですかね?

岩井:
 もう、メチャクチャ自負ありますね。例えば漫才だったら、タレント性のある人材が2人揃ってもネタがひどかったら売れないんですよね。でも、全然イケてないコンビでも、ネタがよければ売れるんですよ。

──そう言われると、そんな気がします。

岩井:
 でしょ? なので、やっぱネタ作ってる方が、「ネタ受け取り師」より偉いんですよ(笑)。

澤部と一緒だったらアニメーターを目指してたかもしれない

──ちょっと話が戻っちゃうんですけど、好きなアニメの道に進まずに、バラエティ番組も見ない人がどうして芸人の道を選んだんだろう? っていうのが、やっぱり不思議に思っちゃうんですよね。

岩井:
 うーん、そうですねえ……澤部が「アニメーターなろうよ」って言ったら、一緒にアニメーターを目指した可能性もありますけど。

──ええ、本当ですか! 自分がやりたいことを選ぶというよりは、澤部さんと一緒にやることの方が大事だってことですか?

岩井:
 そうそう。だって、仲良い人間と一緒にやりたいじゃないですか。

──無粋な質問かもしれませんが、それは他の誰でもなく、どうして澤部さんだったのでしょうか? 幼稚園からの幼馴染のお2人ですが、きっと岩井さんは他にも仲の良い友達はたくさんいたかと思うのですが。

岩井:
 それはただ、出会った中で一番面白いと思って、ずっと仲良くしてたのが澤部だったんでね。

──一番面白いあいつと何かするならお笑いだ。みたいなことでしょうか?

岩井: 
 まあ、そうっすね。何か目的があって芸人なったわけじゃない。まず相方と仕事を何かできればなっていう、そこからスタートしてるので。

やっぱり澤部はすごい

──岩井さんは「ハライチといえば澤部」ってずっと仰ってきたじゃないですか。確かに長いこと岩井さんは「じゃない方芸人」だったかもしれませんが、それこそアニメ関係の仕事が増えたり、岩井さんの人気や知名度も同じぐらい上がってきてると思うんです。ちょっと調べたんですが、ここ1年ぐらい岩井さんの方が澤部さんよりもネットで多く検索されてるんですよ。

岩井:
 いやでも、澤部をネットで検索する人なんかいないっす(笑)。

──ええ、いや、そんなことはないと思いますけど。

岩井:
 澤部って、「お餅」みたいなんですよ。餅の存在が気になって検索する人あんまりいなくないですか?

──調べなくてもよく知ってるし、あって当たり前みたいなことでしょうか?

岩井:
 あれば食うし、食べれば美味いから、いろんなところに置かれるんですよ。でも、わざわざ取り寄せたりとか、遠くまで食べに行ったり、工場見学行ったりしないでしょう。

──澤部さんがお餅だとすると、岩井さんは……。

岩井:
 僕は、お餅にタピオカを乗っけた「タピオカ餅」ですね。どこにでも置いてもらえないし、モノ好きしか食べないやつです。

──タピオカ餅、ですか? 

岩井:
 「何かあるけど、これ何?」「マズそう」とかって、モノ好きが検索するやつです、僕は。
 やっぱり、澤部って不思議がないから見る方も使う方も安心なんですよ。一見不思議がないんで……まあ、本当はあるんですけどね。

──澤部さんがテレビに出ている時の安心感、すごく分かります。

岩井:
 逆に、僕は澤部よりも世間に知られていない期間が長かったし、なんだか得体の知れない不確定要素だと思うんです。

──岩井さんのエッセイ本がロングヒットしていますが、やっぱり読者は、岩井さんが何考えてるか知りたいからエッセイを読むのだと思うんですよね。

岩井:
 でも、「この人何なんだろう?」って思われるのって、どこにでも必要なわけじゃないっていうか。そういう人がいてほしくないシーンっていっぱいあるんで。
 だから、やっぱりどこでも自然にいられる澤部は本当にすごいんですよ。

好きなものは好き、嫌いなものは嫌いって言い続けたい

──最後に、一つだけアニメの質問をさせてください。もう過去にも散々聞かれてうんざりしてるかもしれませんが「岩井さんにとってアニメって何ですか?」って聞いたら、何か答えていただけますか?

岩井:
 それね、本当によく聞かれるんですよ。そういう時は、最初にしたアニメーションの話をして「アニメっていうのは僕にとって絵が動いてるっていうやつです!」で終わりです(笑)。
 でも、そういうことが聞きたいんじゃないですよね?

──そうですね。岩井さんは子どもの頃からアニメを観まくってきて、それが人格だったり芸風だったり、生き方に少なからず影響してると思うんです。ご自身で、その辺をどう捉えてるのかお聞きしたくて。

岩井: 
 ああ、影響は間違いなくしてますよね。

──漫才のRPGネタ、異世界ネタっていうアウトプットの話じゃなくて、もっと岩井さんの深いところにアニメが入り込んでいるんじゃないのかなっていう気がしていて。

岩井:
 なるほど。ちょっと待ってくださいね。何かあんのかな……。

(1分ほど考え込む)

岩井:  
 えっと……僕、明るいキャラクターが好きなんですよ。アイドルアニメだとしたら、キラキラした一番元気な子が好きなんですよ。
 それって自身のキャラクターとしてのアイドルを貫いてるし、ファンに手出したりとか絶対しないじゃないですか(笑)。

──アイドルアニメでファンに手出したら大変ですけど(笑)、でも「アイドルを貫く」っていうのは分かります。

岩井:  
 それって、アイドルキャラとしての矛盾がないじゃないですか。2次元キャラクターって一貫性があるから好きなんですよ。
 そう思うと僕も、一貫性というか、自分がやっていることの辻褄を合わせることはめちゃくちゃ大事にしたいとずっと思っているんです。

──それは、岩井さんを見てる人から「一貫性がある人だな」って思われたいってことですか? それとも、もっと内面的な話でしょうか?

岩井:
 どちらも大事ですね。僕って、よくキツめの発言するじゃないですか?

──はい。

岩井:
 そういう時に「いや、でもお前、昔はこう言ってただろ」「そういうお前はどうなんだ」ってツッコまれたらダサいじゃないですか。反論しやすいというか。そうならないように、自分のスタンスとか発言は一貫性持たしてるし、全部に辻褄合わせてるつもりなんです。

──そういうスタンスとか発言の矛盾って、見てる人にバレちゃいますもんね。

岩井:
 そうそう。そんなのすぐ調べ上げられちゃうじゃないですか。
 僕、アイドルグループ「でんぱ組.inc」に所属していた、マキシマムえいたそちゃん(成瀬瑛美さん)が大好きなんですよ。彼女はまるで2次元のキャラクターみたいにアイドルの夢を見せてくれて、アイドルとしての辻褄合ってんですよね。なんかすごく2次元キャラみたいだなと思って。「3次元でそんな人いるんだ!」って。
 そういう意味では、自分も2次元キャラに近づきたいのかもしれない。どこからどう見ても「ハライチ岩井」として辻褄が全部あってんなっていう。

──すごく面白い話なんですけど、でも、自分の中で生まれる矛盾ってあるじゃないですか。Aっていう大切にしている気持ちがあって、それと相反するBの気持ちも浮かぶことって、生きててたくさんあると思うんです。そういう時はどうされるんですか?

岩井:
 難しいですけど、相反するAとBどっちも成立させる、辻褄合わせるために頑張る。取っちゃいけない両方を取ってしまった場合、何でどっちも取ってしまったか納得できる理屈を考えて、もう理論武装です。

──なるほど、納得せざるを得ない理屈を生み出す。すごく岩井さんらしいなと思いました。

岩井:
 そうしないと、僕の発信するものを良いと思って楽しんでくれてる人を裏切る可能性がありますから。好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌いって言い続けたいじゃないですか。そこは嘘つきたくなくて。
 もちろん僕はテレビに出たいですけど、でも、自分の好きじゃないことやってる番組に出てもあんまり楽しくないじゃないですか。そこで楽しそうにしてたら、それは嘘だし、僕を好きな人にはバレちゃうので。

──つまらないけどカメラで抜かれてるから笑顔を作る。とか、そういうことしたくないっていう?

岩井:
 まあ、そうですね。なので、僕の言う「一貫性」っていうのは、好きなものは好き、嫌いなものは嫌いってハッキリ言うっていうことかもしれないですね。

──仕事するにしても、好きなものと嫌いなものがハッキリしてると。じゃあ、好きなアニメの仕事が増えている今って、すごく良い感じなんじゃないですか?

岩井:
 うん、そうですね。やっぱりアニメは大好きだから、もっとアニメ仕事を増やしていきたいし、実際増えてきているし。仕事こそ好きなことしたいじゃないですか。
 いまアニメに関われてるのも、結局芸人やってたからなんで、芸人やっててよかったなって最近思うんですよ。

──これからも、多方面でのご活躍を楽しみにしています。本日はありがとうございました!

岩井:
 こちらこそ、ありがとうございました。

(終了)


 「あなたにとって〇〇はどんな存在ですか?」はインタビューのテンプレートのようで、聞かれる側も飽き飽きしていることが多いだろうなと思い、出来るだけ使わないようにしている。
 それでも、「岩井さんにとってアニメって何ですか?」と聞かずにはいられなかった。長時間インタビューをしても、まだまだアニメに対する愛情の底は見えていない気がしたのだ。
 岩井さんは考え込んだ末、どれだけ自分の人格形成や生きざまに、アニメが深く影響しているかを真摯に語ってくれた。私たち視聴者から見た「岩井さんらしさ」は、アニメ視聴の積み重ねが密接に関係していることが、今回のインタビューで少し明らかになったのではないだろうか。

 それにしても、本当に嘘がなく、言動とスタンスが一致している人だ。今回のインタビューも振り返ってみると、まさに「岩井さんらしい」言葉の連続で、それはテレビ、ラジオ、エッセイでの岩井さんのイメージと寸分違わないものだった。

 「好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌いって言い続けたい」という言葉は、とても印象的だった。
 アニメを愛し、相方を愛し、好きな人やものと出来る仕事を愛する。言葉にすると簡単だが、芸能界で長年そのスタンスを続けるのは並大抵では出来ないだろう。岩井さんの「生きる強度」のようなものを垣間見たインタビューだった。

直筆サイン&イラストを1名様にプレゼント

 取材後、直筆サイン&イラスト(ニコニコのキャラクター、ニコニコテレビちゃん)を描いて頂きました!
 今回はこのサイン入りチェキを抽選で1名様にプレゼントします。

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お知らせ

岩井さんMCの新番組スタート

番組名:テレビ朝日「まんが未知」
放送:毎週水曜25:56~26:16 ※関東ローカル
出演:岩井勇気(ハライチ) ・花澤香菜

詳細はコチラ

岩井さん原作・プロデュースのゲーム発売決定!

 岩井さんが原作・プロデュースを務める、Nintendo Switchの和風伝奇恋愛ADV『君は雪間に希う』が発売されます。
 2021 年 7 月 29 日発売予定。詳細はコチラ

『ハライチ岩井勇気のアニ番』放送中

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