「パルスオキシメーター」を3Dプリンターと汎用部品で作ってみた…“品薄なら自作する”電子工作勢の技術力に「すごいですね」の声
今回紹介したいのは、piONEさんが投稿した『自作パルスオキシメーター 1.イントロダクション』という動画です。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
ニコニコ動画初投稿です。 お手柔らかにお願いします。
■概要 汎用部品と3Dプリンターで作製できるパルスオキシメーターを開発しました。 この動画では以下の構成で自作パルスオキシメーターを紹介します。 1.背景 2.内部構造 3.息止め試験 4.関連動画
パルスオキシメーターを自作した投稿者のpiONEさん。
パルスオキシメーターとは、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置で、光の出る装置「プローブ」を指に挟むことで測定します。
新型コロナウイルスの影響で需要が高まっているパルスオキシメーター。医療品はまず医療現場にということで、piONEさんは自宅用に一般的で安価な部品のみで組み立てることを考えました。
コントローラー部分の内部構造です。3Dプリンターで印刷した部品に、Arduino Nano、1602LCD、メインボードで構成されています。
プローブの内部構造です。3Dプリンターで印刷した部品に、LED、ネジ、ナット、バネ、フォトトランジスタ増幅回路で構成されていました。
次は動作確認のための息止め試験を行います。
息を止めました。画面の赤と青の波線が乱れたのがわかりますね。
左上にある短い緑の線が動脈血酸素飽和度で黄色の線が脈拍を表し、それぞれパルスオキシメーターのSpO2とHRに当たります(ただしHRはheart rateで心拍数のことなので、脈拍はpulse rateで正しくはPRになります)。SpO2は赤と青で表した脈波振幅の比から計算するそうです。
SpO2が92%となり、息苦しさで波形が乱れました。
SpO2が91%まで下がったところで呼吸再開。瞬間、波形が大きく乱れSpO2が81%になりましたが、呼吸再開後の急激な値の低下は市販のパルスオキシメーターでも見られる現象です。酸素と結びついたヘモグロビンの濃度が急激に上昇することで、SpO2の算定に用いる脈波形の振幅が実際より大きく観測されるためではないかとpiONEさんは考察しています。
呼吸再開後の一時的な乱れが落ち着くと、値は正常値となっています。これで自作パルスオキシメーターが正確に機能することを確認できました。
市場で不足しているものを作り上げる電子工作の技術の素晴らしさ。興味を持たれた方は、ぜひ動画で作品の詳細をご覧ください。
▼動画はこちらから視聴できます▼
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