百合×魔法の相乗効果にワクワクが止まらない。『転生王女と天才令嬢の魔法革命』は拉致から始まる異世界ファンタジー
何もかもが不確かなこの世なれど、人類にとって魔法はロマンであり、百合は尊いものであるということは揺るぎのない事実だと言えるでしょう。
そんなロマンと尊さが融合する、ニコニコ漫画の「電撃マオウ」にて連載中の『転生王女と天才令嬢の魔法革命』を読めば、きっとそれが真理であると同意していただけるハズです。
漫画：南高春告（@Ume_boC）
原作：鴉ぴえろ（@piero_BBT）
キャラクターデザイン：きさらぎゆり（@kisaragi_h29）
“前世”から魔法に憧れていた王女様
本作で語られるのは、ある王国の王女様のお話。
魔法に人一倍の憧れを持つ王女様が、“自分が転生者である”と思い出した日からこの物語は動き始めました。
「絶好の実験日和！」と、夜風になびく前髪をかき上げた少女。その右手には大きな箒が。
彼女の名前は、アニスフィア・ウィン・パレッティア。このパレッティア王国の第一王女様です。
そんな王女様が箒を携えていた理由は、もちろん掃除のためではなく。
くどくどと小言の絶えない使用人のイリアを尻目に、アニスフィアは夜空へと飛び出していきます。
魔法で空を飛ぶこと。それは、彼女が“前世”から抱いていた夢でした。
彼女が“前世”の記憶を取り戻したのは、いまから12年前のこと。最初こそ戸惑いもあったようですが、そんなことよりも……。
憧れの魔法が存在する世界に転生できたとなれば、やることはひとつ！
彼女は幼心に「魔法を学んで空を飛ぶの！」と決意し、念願叶って現在にいたります。
……まあ、実際は前途多難なようですが。
何にせよ“好き”にひたすら正直なアニスフィアの生き様は、じつに清々しく感じます。
“悪役”に仕立て上げられた貴族令嬢
アニスフィアがとても優雅とは言えない空中散歩を楽しんでいた、一方そのころ。
とあるパーティ会場は物々しい雰囲気に包まれていました。
「この場をもって宣言する。私はユフィリア・マゼンタとの婚約を破棄すると！」と言い放ったのは、アルガルド王太子。
次期国王である彼が、なぜこのような場で婚約者の女性を弾劾しようというのでしょうか。
アルガルドが言うに、ユフィリアはある少女に対して非道を行っていたとのこと。
それを聞き、ユフィリアは確かにその少女・レイニに思うところがあった事実を心の中で認めます。
しかし彼女としては、あくまで穏便にレイニと話をつけたはずだった認識があり。
その点において、まさかアルガルドから「王妃の地位欲しさに目を覆う所業をくり返す」とまで言われるような覚えはありませんでした。
……が、アルガルドの友人たちは確かにユフィリアの悪行の数々を目にしたと主張します。
それぞれが由緒正しい出自である彼らにこうまで言い張られては、もはやユフィリアに反論の余地などありません。
魔法を愛し、魔法に愛されなかった天才
天地がひっくり返ったような衝撃を受け、ただただ立ち尽くすユフィリア。
ボタンの掛け違いがあったとして、己の信念に従うだけの彼らは弁解など聞き入れてくれないでしょう。
完全に悪役令嬢に仕立て上げられてしまった彼女の頬を、涙が伝います。
すると突如、奇声を発しながら転がり込んでくる乱入者が！
ローブを身に着けたこの姿、そしてこの箒はまさか……!?
窓ガラスを割って突っ込んできたのは、やはりアニスフィア。
彼女は立ち上がるなり、アルガルドに向かって「あー！ アルくん！」と声をかけます。
そういえばこの人、第一王女でしたね……。
彼女の突飛すぎる登場シーンを見て、眉をひそめるパーティの参加者たち。
続けて彼らはアニスフィアをこう形容します。「誰よりも魔法を愛し、魔法に愛されなかった天才」と。
言い得て妙ではありますが、その口ぶりを見るに彼女はこれまでもいろいろやらかしてきたということなのか……？
周囲から陰口を叩かれるなか、脳天気なアニスフィアは「これどういうこと？」と困惑顔。
そして、ほどなくして状況をおおむね理解した彼女は、ここでとんでもないことを言い出します。
ユフィリアが孤立していることを、なんとなく察したアニスフィア。
彼女はなんと、「さてユフィリア嬢行こうか！ 私が攫ってあげる！」と手を差し伸べるのでした。
まさかの第一王女による公開誘拐宣言。パーティーの参加者たちもユフィリアも、ド肝を抜かれたことでしょう。
そんな、ドキドキとワクワクに満ちた大騒動の幕開けを感じさせるふたりの出会い。彼女たちが今後どのような道を歩むことになるのか、目が離せません！
（画像はニコニコ漫画『転生王女と天才令嬢の魔法革命』より）
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