事務員Gの演奏してみた動画にかける「ワンテイク・ワンカメラ」のこだわり、秋クールなどニコニコのアニメ情報etc… 『週刊ニコニコインフォ 第13号』レポート
今のニコニコを伝える、今後のニコニコについてみんなで考える番組『週刊ニコニコインフォ』。
13回目の放送では、司会に百花繚乱氏、運営から栗田穣崇氏、ピックアップゲストには事務員G氏が登場。下記の項目について番組で取り上げました。
■目次
・イグノーベル賞受賞式、京と秋のにじさんじなど、直近の一週間で盛り上がったユーザー投稿動画&公式生放送
・ピアノ演奏やイベント等のプロデューサーとしてマルチに活動する事務員G氏が登場!
・Nアニメ運営生放送
・ニコニコロゴのリニューアル
ニコニコで今話題の公式生放送&ユーザー投稿動画
番組は、ニコニコで今盛り上がっているコンテンツを紹介する『あつまれ!ニコニコ盛り盛り』からスタートとなります。
この1週間で話題になった公式生放送としてピックアップされたのは、9月18日放送の『イグノーベル賞2020 授賞式』。
ここでは、ノーベル賞のパロディ【イグノーベル賞2020】で、ヨウスコウワニにヘリウムガスを吸わせてから鳴かせることで、発声のメカニズムを研究した日本人を含む研究チームが 「音響学賞」が受賞したことを紹介しました。
コーナーで紹介したコンテンツは以下の通りです。
・アニメ15周年記念「ガン×ソード」1~13話一挙放送
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv327778973
・【Day2】「京と秋のにじさんじ きょうはすめし」イベント直前突撃リポート
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv328005986
・大乗寺・円山応挙一門の障壁画165面と、立体曼荼羅を巡ろう
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv327742144
『「京と秋のにじさんじ きょうはすめし」イベント直前突撃リポート』紹介の際には、同番組で百花繚乱氏が現地リポーターを務めたことも紹介されました。
続いて、ユーザーのみなさんからTwitterで寄せられた投稿の中から、「【予告動画PV】3DSで4年を費やし本気で作画してアニメ作ってみた【うごメモ戦士】」を紹介。
本動画の制作者「松坂奈夜 【ミラーパネル】」氏から、「元々2分ちょっとのアニメーションを作ろうと思ってたんですが、何を間違ったか34分尺の大作になってしまいました。現在絶賛エンディング製作中なので本編もよろしくお願いします」というメッセージも寄せられました。
他に紹介した動画は以下の通りです。
・疫病退散!アマビームガン
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37523569
さらに、ユーザー投稿動画の中で最近盛り上がったものをピックアップ! 今回は「VOCALOID」「努力の方向音痴」などを中心に紹介しました。
「或世界消失 / 初音ミク」を紹介する際には、百花繚乱氏より「本当にかっこいい作品。投稿1作目でこれは凄い」、栗田氏からは「イヤホンで聞いた方が良さが伝わる」とのコメントもありました。
他に紹介した動画は以下の通りです。
・キャラクターと一緒に足湯に入るVRを作ってみた
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37499279
・AIボイスチェンジャーを使って「KING」を歌わせてみた
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37522760
演奏してみた事務員G氏がゲスト出演!
今週のゲストコーナーには、演奏してみたを中心に、イベント等のプロデューサーとしても活躍している事務員G氏がリモートゲストとして登場しました。
冒頭には事務員G氏は「高校生の頃から携帯電話、デジタルガジェット信者だった自分にとって、(iモードの絵文字を作った)栗田さんは雲の上の存在だったわけですよ。そんな栗田さんにいきなりメッセージを送って『会ってください!』って言ったら、『いいですよ~』って返事があって渋谷で2人で飲んだんです。そこから栗田さんがドワンゴに入ってこうやって一緒に番組に出ることになってるんだ!? 僕の中で理解が追い付いてないです(笑)」と栗田氏とのエピソードを語りました。
──これまで約13年活動してきて、ピアノ演奏、舞台演出、料理人、エッセイスト、ラジオパーソナリティ、絵も描くなど、色々されています。もうただの「事務員」じゃないですよね(笑)。
元々、自分が事務員で「事務員でも色んなことができるんだよ!」と言いたくてこの名前をずっと使っています。
最近は逆に事務作業が多くなってきていますが、事務員だったからこそ今の仕事に生かせているところはたくさんあると思います。
──ニコニコとの出会いは?
事務員G氏(以下、事務員G):
当時会社員だったとき、一緒に酒を飲んでいる友人からSkypeで「お前こういうの好きそうじゃね?」とURLが送られてきて、開いてみたら歌ってみた動画でした。当初は「全然興味ない。だって歌ヘタだし」と一蹴したのですが、後日興味が出てきて「ニコニコ動画って言ってたよな」と検索して見てみたところハマりました。
その友人からは「お前、なんで(動画投稿して)ランキングに載ってんだよ!」って言われました(笑)。
その歌ってみた投稿者はゴムさん【※】です。その8年後くらいにライブのバックバンドにキーボードとして参加させて頂いた際に「ゴムさん、最初にヘタって言ってすみませんでした!」って白状しました(笑)。
※ゴム(Gom)
楽曲、動画制作チームHoneyWorksのリーダー。作詞、作曲、プロデュースをしている。
──自分の投稿した動画で思い入れの強い作品は?
事務員G:
『ジブリの曲をつなげて弾いてみた』です。
最初に投稿した動画では色んな楽器を同時演奏するという内容だったのですが、途中からネタ不足と体力の衰えもあって「自分はピアノを弾く人間なので、ちゃんとピアノで評価してもらいたい」と思って作ったものです。それがとても評価されたので嬉しかったです。
──自分が投稿したもの以外で印象に残っている動画は?
・あぁ~!フロア熱狂の音ォ〜!!
https://www.nicovideo.jp/watch/sm33051262
・18人の音楽家のための水素の音
https://www.nicovideo.jp/watch/sm33031663
事務員G:
ニコニコ動画らしくて好きなのは音MADです(笑)。最近、特にハマったのは「水素の音」というネタで、これ見た時に「まだニコ動にこういうヤツいるじゃん!」と思いました(笑)。
色々あるんですけど、中でもDJ風にアレンジした「あぁ~! フロア熱狂の音ォ〜!!」。これはいいですよ!
もう一つは、「18人の音楽家のための水素の音」です。これはMADの仕方が特殊なので再生数はそこまでじゃないんですが、ミニマル・ミュージックの権威と言われるスティーヴ・ライヒがアレンジしたような仕上がりになっていて、アカデミックな聞き方をしたらめちゃくちゃ面白いんですよ!
これは完全に音楽を知ってる人が作ってるな~と思っていたんですが、最終的に知り合いが作っていたことが発覚しました(笑)。
──イベントや配信で思い出に残っているものはありますか?
事務員G:
ニコニコ大会議や、繚乱くんと一緒にまわった町会議も、どれも記憶に残っているのですが、やはり一番はニコニコ超会議の演奏してみたブースです。どこが凄いかって、ドワンゴの方がユーザーの僕をプロデューサーに起用してくれたんです。これを決めた運営さん、おかしいんじゃないかと思いました(笑)。
「運営が~」って言っていたら自分が運営をやることになって、「その手があるのか!」と思いました(笑)。驚きましたけどやりがいはありました。
──ニコニコに動画を投稿するうえで、コツや心がけていること、気を付けていることはありますか?
事務員G:
僕、ニコニコ動画で投稿するのって凄く怖いんですよ。それってユーザーさんとの距離が凄く近いからなんですよ。すぐ指摘したがるところもあるし、だからこそ「ワンカメラ・ワンテイク」を基本にしています。理由は「編集したでしょ」「今間違えたの直した?」とかそういうことを言われないためです。
これまで投稿したもののなかには50分以上のボカロメドレー動画があるんですが、それを撮り終えたのって3日後ですからね。
これって悪く言っているように聞こえるかもしれませんが、僕からしたら「育てられた」という思いを持っています。そういう「近さ」がニコニコ動画のいいところだと思っています。
──投稿者として視聴者からこういう反応があったら嬉しいっていうものありますか?
事務員G:
さっきもあったんですけど、「7年ぶりに見に来ました」とか、一度見て終わっちゃうのではなく、時を経てまた来てくれる人が垣間見れるのが面白いですね。
あとは僕の動画がきっかけで、もう4組くらいが結婚してるんですよ。そのうちの一組は結婚式に演奏しに行って、お子さんも生まれてるんですが、「子どもの名前に本名から一字ください」というありがたい言葉も頂きました。それくらい視聴者の人生に影響を与えられたということがあると、やってて良かったなと思えます。
──事務員Gさんのように活躍されたいというユーザーに向けたアドバイスをよろしくお願いいたします。
事務員G:
さっき言った通り、「どこにでも行け、凸れ」と思います。どこに何が落ちているかわからないので、全部拾っていけばどれかが自分のやりたいことにつながるんじゃないかと思っています。
今はラジオ局からリモート配信をしていますが、ここでラジオDJを務めることになったのも、札幌のあるイベントで「いつかDJやらせてください」という冗談のような話から繋がったものです。
──そうはいってもなかなか踏み出せないという方にアドバイスはありますか?
事務員G:
10分後の自分が何をしているか考えてみてください。例えば学校帰りであれば、「10分後にはあの道を歩いてるな」と予測できるじゃないですか。容易に予測できる10分後じゃなくて、ちょっと変えてみるだけでも面白いと思うんです。例えば全然違う道から帰ってみるとか、逆立ちしてみるでもいいですし(笑)。
容易に予測できる未来を少しずつ変えていくことで、最終的な未来の方向性もちょっと変わっていくんじゃないかと思っています。
栗田さんに連絡した時もそうなんですよ。連絡した方が違う未来が待っているような気がしていて、実際あの行動がなければこうしてお話を膨らませることもできなかったと思います。
──活動のモチベーションは?
事務員G:
三日坊主なところがありまして、興味は持つんですが、やったら「もういいかな」となってしまうんです。実は僕の活動も「動画を作ってる事務員G」と「イベントプロデュースの事務員G」と少しずつ変わっていることに気づいて、でも名前さえ変えなければそれらすべてが「事務員Gの活動」になるんだと思っています。
僕みたいに色んな仕事に手を出すやり方もあると思うんですけど、「この活動だけは続けている」という軸が欲しかったんです。それをある日、「毎週日曜日に生放送をしよう」と決めたんです。それはちょうどニコニコ生放送のサービスが安定してきたからなんです。
おかげさまでまもなく12年目。回数は463回を数えます。もちろんライブとかが入ったらお休みしていいという緩い決まりにはしているんですけど、予定が空いていたら必ずやるようにしています。
雑誌で連載を7年やらせて頂いていて、今ラジオで一緒に仕事をしている子も中学生の頃からその連載で知ってくれたというんです。
──ニコニコ運営に対して、こういうところが改善されたら使いやすい! というご要望、逆に今ここが使いにくい、など困っていることがあれば教えてください。
事務員G:
ニコニコ動画から気持ちが離れた時期もあって、それはやっぱりランキングが変わった時でした。あれを見て心が付いていかなくなってショックでしたが、次のステップに行ってみようというきっかけにはなりました。
演奏してみたカテゴリって僕の中では大事な場所で、ランキングでどこにいるかって大きなアイデンティティの一つだったんですね。
若い子に話を聞いてみると、動画投稿のモチベーションを感じるポイントも大きく変わってきた気がします。時代も変わって収益がモチベーションに大きく影響している人もいます。
趣味としてお金や時間をかけて凄い動画を作る人もいますが、視聴者の耳も目も肥えてきているので、それだけの動画を作るには相応のリターンがないと回っていかないのではと思っていますので、還元率に関してはもう少し頑張って頂けるとありがたいかなと思います。
栗田:
もちろん現状でも考えてはいます。還元率という方向性より、還元のバリエーションを増やすということで色々と考えています。
事務員G:
期待しています!
新コーナー(Re)Nアニメ運営生放送!
このコーナーは、2018年11月から2020年5月まで不定期で放送してきた「Nアニメ運営生放送」が、週ニコに転生してきたというもの。
「Nアニメ」とは、無料動画や一挙放送、新作情報やランキングなど、ニコニコ内のアニメ情報を集約した、ニコニコの『アニメポータルサイト』です。
・ニコニコのアニメ総合情報サイト:Nアニメ
https://anime.nicovideo.jp/
ここではアニメ担当者より、「Nアニメサイト」の使い方が説明されました。
続けて、「2020夏で人気だったアニメ」「9月度のプレミアム限定動画」「来月10月のプレミアム動画」「2020秋の特集・一挙放送」が紹介されました。
「niconico」ロゴが10年ぶりにリニューアル!?
続いてのコーナーは、「niconicoの未来に向かって、ユーザーのみなさんとフィーチャリングして、共に歩んでいこう!」という「niconico future feature」です。
まずは、ニコニコユーザーサイクルの図がリニューアルされたことを説明しました。
続いて、約10年ぶりに「niconico」ロゴがリメイクされることが告知されました。
続いて、ニコニコをより楽しい遊び場にしていくための取り組みとして、今年の冬に開催される「The VOCALOID Collection 2020 winter(以下、ボカコレ)」を紹介。
栗田氏は「年2回開催される日本最大の同人誌即売会『コミックマーケット』に合わせてクリエイターが目標を持って創作活動を行うように、ボカコレに合わせてクリエイターが曲を作ってくれる、そんなイベントになったらいい」と期待を膨らませました。
さらに「ボカコレのほかにも各ジャンルクリエイターにスポットが当たるようなイベントを開催して、ジャンルごとに盛り上げていきたい」と意欲を見せました。
なお、ボカコレの詳細は後日発表されるそうです。
ニコニコネット超会議のボカロカテゴリ版「The VOCALOID Collection」の開催が決定🌠
— 【公式】The VOCALOID Collection12月開催🎵 (@the_voca_colle) October 1, 2020
12/11(金)~13(日)の3日間ボカロに関連する様々な企画を通して動画投稿や視聴を"みんな"で楽しむ【ボカロの祭典】を行います🎉
最新情報はこのアカウントで随時お届け🌈ぜひフォローしてくださいね🙆♀️#ボカコレ pic.twitter.com/3erKzxQPcA
さらに、ニコニコ公式Twitterの取り組みついても紹介。
Twitterではニコニコの総合トップ(https://www.nicovideo.jp/)に掲載した動画を紹介していて、その背景としては「クリエイターと視聴者が出会える場を増やしていきたい」という思いがあるそうです。
そして最後は、ユーザーと運営が一緒になって、ユーザー主体の「部活」のようなチームを設けて活動する「ニコニコを盛り上げる活動内容案(仮)」を紹介しました。
現在、活動内容は下記のスライドの通りですが、栗田氏は「これらはまだ検討している最中なので、活動内容は今後、参加してくれるユーザーと一緒に一緒に考えていきたい」と意欲を見せました。
(了)
番組インフォ
今回の『週刊ニコニコインフォ 第13号』の視聴はコチラから。
次回の週ニコゲストはベホイミProject氏が出演予定!『週刊ニコニコインフォ 第14号』の番組の予約はコチラから。
番組ではユーザーのみなさんからも「取り上げて欲しいこと」を募集しています。
Twitterで「#週刊ニコニコインフォ」のハッシュタグをつけて投稿してください。自身で投稿した動画についてはさらに「#参加」のハッシュタグもつけて投稿すると、番組で紹介されるかもしれません。
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