コンビニで買える酒の肴を網羅した実用的すぎる同人誌「コンビニで呑む」。宅呑みを豊かにするワザを制作者に聞いてみた
謎の居酒屋「加賀屋」の魅力
――「コンビニで呑む」シリーズ以外には、どんな同人誌を作られているのでしょうか。
かるこーるぞく:
「かるこーるぞく」として初めて作ったのが「BEERメモ」です。酒呑みが集まってできたサークルなので「まず、お酒の本が作りたい」との話になり、いろいろな種類があるヱビスビールの紹介を中心に、恵比寿BARや恵比寿にあるヱビスビール記念館を特集した本を作りました。デザイン面でも今の「コンビニで呑む」シリーズの構成の原型となった本で、思い入れの深い本です。
――その次に作られたのが「加賀屋めぐり」ですね。こちらはどのような同人誌ですか?
かるこーるぞく:
加賀屋は、ホッピー、もつ焼き、煮込みで知られる大衆居酒屋です。千葉に住んでいた頃は、とにかく船橋加賀屋に通っていました。船橋加賀屋は独特の文化が楽しい居酒屋です。例えば、「特製焼酎ハイボール」と呼ばれる黄色い謎の焼酎は、注文するとグラスになみなみと焼酎を注いでくれます。入れる隙間のないグラスに炭酸水を無理やり注いで薄めて呑む焼酎は、濃くて安くて、あっという間にベロベロになってしまいます。
画像はかるこーるぞくHPより
また、もつ焼きカシラも独特の仕上がりです。よく見かけるカシラとは異なり、カシラの脂がしっかりと付いているので、もはや別の食べ物。脂にしっかりと追い塩(テーブルに置かれた塩を掛けること)をして、口の中に広がる脂を楽しみます。通っても通っても新たな発見がある楽しいお店です。
――そんな独特な居酒屋「加賀屋」を、どうして同人誌にしてしまおうと思ったのでしょうか。
かるこーるぞく:
就職してから加賀屋が実は都内の至る所にあることを知りました。また、「ニュー加賀屋」や「加賀庵」などの似た名前の店があったり、マスコット? の奴(やっこ)さんが書いてある店と書いていない店があったり、店によって煮込みの味やもつの下処理が異なったりするなど、謎が多いことから、さまざまな加賀屋に通うようになりました。
そんな加賀屋の謎や情報がひとまとまりになった本があればいいのにな、ということで自分たちで作ってしまいました。取材に協力いただいた加賀屋の店舗から、厨房の中の撮影許可を頂くことで調理をしている姿も撮影することができ、本書でしか見る事のできない加賀屋の姿を掲載することができました。
加賀屋好きな方には、ぜひ読んでいただきたい1冊です!
画像はかるこーるぞくHPより
次は「桃屋」の同人誌!?
――コンビニの三大チェーンを一巡しましたが、次はどんなコンセプトの同人誌を作っていきたいですか?
かるこーるぞく:
私、桃屋の瓶詰めで呑むのが好きなんです。「穂先メンマ やわらぎ」や「味付榨菜」で呑んでいると、油断した隙にあっさり一瓶空になってしまいます。実は桃屋の瓶詰めって40種類近くもあるんですよ。
――えっ、そんなにあるんですか!
かるこーるぞく:
なので次は桃屋の瓶詰めを題材にした本を作りながら、桃屋のおいしい知識を増やしていきたいです。
また、同人誌という本の魅力を活かせるようにさまざまなチャレンジをしているので、次回の本ではデザインなどにも注目して見ていただけると嬉しいです。
――最後に、お酒が好きな読者へのメッセージをお願いします。
かるこーるぞく:
人類は紀元前からお酒を呑んでいたそうです。こんなに歴史があり、多様な広がりを見せる娯楽は類を見ないのではないでしょうか? 私たちもさまざまな楽しいことを紹介し続けます。みなさんの楽しいことも私たちに教えてください!
――これからも楽しみにしています。ありがとうございました!
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