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ネットで活動する全クリエイター必見! 収益増加や節税テクなどお得な情報について日本ネットクリエイター協会(JNCA)が解説【ニコニコネット超会議2020】

作曲系クリエイターの必需品!?

――ところで、先程からチラホラ登場する「JNCA」ってどんな団体なのでしょうか。

仁平:
 元々、ドワンゴの中にボカロPさんや歌い手さんたちの作品を商用展開する部門があり、彼らの活躍も活性化していったのですが、彼らの税務や国保に対してのサポートなどは十分とは言えませんでした。加えて、彼らの作品を使用する企業側の方々にも、彼らの活動方法やその根幹にある考え方などがあまり伝わっていないという問題が生じてきました。

 そこで、株式会社ドワンゴ、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社、株式会社エクシング、株式会社アニメイト、株式会社KADOKAWAの5社から寄付金を集め、ネットクリエイターを支援・サポートする独立団体として立ち上けたのが、一般社団法人 日本ネットクリエイター協会、通称JNCAです。

JNCAの成り立ち

――ところで、先程からチラホラ登場する「原盤二次使用料」とはどのようなものなのでしょうか。

仁平:
 楽曲が放送で使われた場合や、レンタル利用された際に、CD製作者やその製作にかかわった実演家の方々には「報酬を請求する権利」があるのですが、この報酬を一般的に「原盤二次使用料」と呼んでいるのです。
 これまではメジャーレーベルでないと徴収が困難でしたので、同人CDやネットクリエイター向けにもJNCAが徴収できる仕組みを構築しました。

同人CDやネットクリエイター向けにもJNCAが「原盤二次使用料」を徴収できる仕組みを構築
クリエイターによっては年収100万円以上アップも

――どこでどのくらい使われると「原盤二次使用料」が受け取れるようになるのでしょうか。

仁平:
 実際に使われている同人CDは日本レコード協会などのデータベースに登録されていない場合がほとんどですので、実際に放送等で使用されたかどうかの判断は難しいのです。
 ですから、市場でこれだけ売れているんだから、割合としてこれくらいは使われているでしょうという請求を行います。

 現状は手売り販売における売上金額を証明することができないので、アニメイトやAmazon、とらのあな等で販売されているCDのみを対象にして、それぞれの販売企業様からの売上報告書を提出していただきます。
 もちろんJNCAとしては、今後「手売り販売の数値」も認めていただくよう働きかけを行っていきます。

 また、ご自身の楽曲がYouTubeに転載された場合、その動画にバナーを貼って収益化をするというサービスも行っています。いわゆる「YouTube Content ID 登録代行サービス」です。

――「原盤二次使用料」や「YouTube Content ID」の登録で受け取れる額について教えてください。

仁平:
 当然ですが、「原盤二次使用料」の場合はその方のCDがどれくらい販売されているかに、「YouTube Content ID」の場合はどれくらいの動画に転載され、どれくらい再生数があるかに、ぞれぞれ左右されます。一概には言えませんが、皆さんに夢を与える意味で、上位の方の数字を言いますと、両方トータルで年間100万円という場合も珍しくありません。

 これらの徴収代行だけなら入会金や年会費は必要ありませんので、「僕の動画は再生数少ないし、やる意味ないかな~」なんて言わないで、まずはチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

JNCAの活動(原盤二次使用料の徴収代行、YouTube Content IDの徴収代行)の説明

――「原盤二次使用料」や「YouTube Content ID」からの収入はどれくらいの期間で受け取れるようになるのでしょうか。

仁平:
 申請を行う時期にもよりますが、平均的に登録から半年後には何らかのアクションが発生すると思います。

――「YouTube Content ID」は音楽系クリエイター以外の方にもメリットがありますか?

仁平:
 YouTube Content IDは、動画に含まれる次の3つの要素ごとに登録できます。「音楽著作権」「音楽原盤」「動画」です。つまり、音楽は作っていないけど動画を制作し、それをボカロPさんに提供しているという場合、その楽曲が動画ごとYouTubeに転載されている場合、動画師さんはボカロPさんとは別にYouTube Content IDの「動画分収益」を得ることができます。もし、その動画が「イラストのみ」で制作されている場合も同様です。

 また、ボカロPさんの楽曲を別の方が「演奏してみた」などで別音源を制作し、それをYouTubeにアップロードした場合でも、そのボカロPさんは「YouTube Content ID」の「音楽著作権分収益」を得ることができますし、どの「演奏してみた動画」が転載された場合でも、その「演奏してみた方」は「YouTube Content ID」の「原盤分収益」を得ることができるのです。

 つまり「YouTube Content ID」は作詞作曲系クリエイターだけでなく、絵師、動画師、歌い手、弾き手といったクリエイターにも十分活用できるものなのです。

作曲系クリエイター以外にもお得が!? 保険に相談会に交流会!?

――その他に、音楽系クリエイター以外がメリットを得られるJNCAサービスはありますか?

仁平:
 まずは、これまで少し敷居の高かった「文芸美術国民健康保険組合」への加入に関し、JNCAからあっせんできるという点です。
 文芸美術国民健康保険組合に加入出来ると、その方の収入によらず月額低額19,900円となります。
 ですので、収入が高く国民健康保険を毎月60,000円近く払っている方は、年間48万円近く節約することが出来るようになります。

――JNCAに入会したネットクリエイターが様々な相談をすることができる「よろず相談会」や「無料税務相談会」というのは、どのような相談を指すのでしょうか。

仁平: 
 ネットクリエイターさんが企業と契約をする場合の契約条件や適正価格のアドバイス、その他のトラブルへのアドバイス、また、住宅ローンや相続、そして離婚などの相談も、それぞれの専門の先生方が対応してくれます。

JNCAに入会したネットクリエイターが様々な相談をすることができる「よろず相談会」や「無料税務相談会」も実施している

 税制面で最近多い話題としては、同人サークルなどで収益を得ている場合、その収益がリーダーさんに一本化されて振り込まれている場合、そのままだと、その金額が1000万円を超えていると消費税支払いの対象となってしまいます。
 ところが実際は同人サークル内で分配されるので、一人当たりの売上は数十万から数百万円です。チーム作業の報酬が一括で自分に振り込まれているため、初めから個人ごとの売上を計上していれば消費税支払いの対象からは外れるのです。
 これに対しての事前のアドバイスや、場合によっては法人化の相談、そして実際に法人化手続きなどを行える専門家の方々とも、JNCAは契約しているのです。

――「交流会」ではどのようなことが行われているのでしょうか。クリエイターと繋がれたりするのでしょうか。

仁平:
 今年は「ニコニコ超会議2020」のリアル開催が難しくなってしまいましたが、毎年これらのイベントではJNCAブースを立ち上げ、そこでJNCA加盟クリエイターさんたちの作品紹介などをしてもらっています。

 また、会員さん同士でご飯を食べたりお酒飲んだりしながら情報を交換し合う「交流会」も定期的に開催していますので、ここから多くの繋がりが生まれています。

 「交流会」から仲良くなったボカロPさんと絵師さんとゲームプログラマーさんが、実際にカードゲームを作り上げたという事例や、ボカロPさん達で会社法人を立ち上げたなんて事例もあります。

 もちろん「一緒に曲つくろうよ」ですとか、「コンピアルバムつくろうよ」「一緒にライブやろうよ」といった企画も数多く誕生しています。

――JNCA入会に準備しておくべきものは何がありますか?

仁平:
 「住民票」と「確定申告の写し」くらいでしょうか。
 原盤二次使用料の徴収代行を希望される場合には、売上報告書をご用意いただく必要があります。
 この売上報告書は1年に1回JNCA側から、「提出してください」という連絡が来ますので、メールで送っていただければそれで構いません。

 なお、JNCAはネットクリエイターさんを支援・サポートする団体ですので、「全部自分で出来るかも?」という方にまで入会を強く促すものではありません。
 気軽に相談も可能ですので、色々相談された結果、一人でやっていけそうだと自信を持たれた方は退会されても問題ございません。

 原盤二次使用料の徴収に関しても、正会員向けには徴収額の10%を手数料としていただいていますが、そうではない方に向けては徴収額の15%を手数料としていただいているだけです。手続自体は全て無料で出来ます。

 こちらもご自身で「直接請求できるかも?」という方は、ご自身で手続きしていただく形でも問題ございません。
 JNCAはあくまでも、ネットクリエイターの自立をサポートする団体です。

JNCA 日本ネットクリエイター協会(公式サイトはこちら

――毎年の更新手続きや新しい作品の登録手続きなどは必要なのでしょうか。

仁平:
 更新に関しては年会費が自動引落になっていればそれだけですし、そうでなければ年会費を払い込むだけです。
 YouTube Content IDに新しい作品を登録するのに特別な作業は無く、JNCA側から売上報告書の送付をお願いしたタイミングでメールしていただくだけです。

 今回の記事を読んで気になった方は、是非、メールください。できるかぎり丁寧に説明いたします!

――それでは最後になりますが、「JNCA」が今後検討している展開や「お得」があれば教えて下さい。

仁平:
 定期的にやっている「ニコ生配信」を是非ご覧いただければと思います。
 ここでは新たな企画の検討会として視聴者コメントを受け付けていたり、JASRACのラスボスを招く放送や、株式会社NexTone(ネクストーン)の社長を招く放送など、大型企画も続々と打ち出しています。

JNCAの過去の生放送(URLはこちら
※プレミアム会員の方は、一部番組のタイムシフトが視聴できます

 みなさんが「あったらいいな」と感じる、新しいサービスの企画も聞きたいので、是非ニコ生でコメントしていただければと思います。
 もう少しJNCAや著作権について詳しく知りたいという方には以下のような書籍も出していますので、是非ご確認いただければと思います。

 著作権の教科書には書いていない「ボカロPや歌い手の活動を切り口」にした著作権の本、『ネット時代のクリエイターやミュージシャンが得する権利や著作権の本』

ネット時代のクリエイターやミュージシャンが得する権利や著作権の本(Amazonリンクはこちら
ネット時代のボカロP 秘伝の書(Amazonリンクはこちら

 有名ボカロPが実際にどのような活動をしているかを詳しく説明。ボカロPを目指すならまず読んで欲しい本、『ネット時代のボカロP 秘伝の書』

――本日は貴重なお話本当にありがとうございました!

仁平:
 ありがとうございました。

 

取材・文
ニポポ(fromトンガリキッズ)
2005年ちょっと早すぎるかもよ「B-DASH!」でお馴染みトンガリキッズのメインボーカルとして鮮烈な一発屋デビュー。その後は、宗教・珍スポ・不動産・北朝鮮と趣味の潜入活動や、私設レトロゲーム資料館「団塊ジュニアランド」を中心とした懐古カルチャーと精力的な活動を展開中。ニコニコチャンネル「超ニポポの怪しい動画ワールド(https://ch.nicovideo.jp/nipopo)」も好評配信中!

 

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