名探偵コナン「真実はいつもひとつ」だけど「愛され続ける理由」はたくさんあった。“コナン”が好きで好きでたまらない大人達が魅力を語り合う
正体を明かせない切ないロマンチックさ
藤津：
コナンの良い所って、まずミステリー（謎解き）はゴールがあるので、お話が見やすいんですよ。まず、謎が解けたという満足が映画の中にあるんです。
サンキュー：
そうか、必ず満足できるんだ。
藤津：
あとは劇場版と言えば、爆発（シーン）で、テレビでは放送出来ない大爆発が劇場版では用意されている。かつ、恋愛が人間関係のベースにあるので、割とロマンチックなんですよ。工藤新一は蘭が好きだけど、今ははっきり言わない。正体がばらせなくて切ない。小学生高学年くらいで、ロマンチックで面白いと思った子が20年経って30代になっても見ている。
スタッフ：
うちの子供が今小学5年生なんだけど、恋愛シーンを見てグッと来てるんですよ（笑）。子供なりの恋愛観がそこで育まれてるんだなって思うんですよ。
国井：
颯爽と、能力のある男の子が、好きな女の子を助けるという話なんですよね。好きだという態度も見えているんだけど、それは絶対に言えないという設定なんですよ。「好きって言っちゃえよ新一！」って皆思っちゃう。
藤津：
少年サンデーならではのラブコメだよね。
サンキュー：
高橋留美子先生とか、あだち充先生の伝統ですよね。
国井：
劇場版ですから、爆発があって後ろが炎で燃えている中、（新一が）「大丈夫か？」って。蘭ちゃんは「あれ？ 誰かに似ている」って思うんですけれど、それを20年ずっと引っ張っているんですよ。素晴らしい（笑）。
サンキュー：
あの2人はね、童貞と処女だから良いですよ。灰原さんのお風呂シーンとかドキドキしちゃってね（笑）。
国井：
ルパンとの映画の時なんか峰不二子とお風呂一緒に入って、ガールズトークなんて物じゃなくて、大人の女のトークなんですよ（笑）。あの灰原力の強さ（笑）。
サンキュー：
あれもう、たまらんわ（笑）。灰原さんの方が大人なんだもん（笑）。
子供がちょっと背伸びできる映画
サンキュー：
子供がコナン見てるって言っても、恥ずかしくないもんね。子供が見てると言っても恥ずかしくないアニメというのが大事な所なんですよね。
スタッフ：
「から紅の恋歌（こいうた）」見に行く？ って、家の子供に言ったら「うん、読み方違うよ、ラブレターだよって」（笑）。
サンキュー：
劇場版コナンのサブタイトルって、子供が言えた時にちょっと背伸び出来ている感があるんだよね。そこが大事だよね。
藤津：
今年の劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌』は、かなり面白い方で、ミステリー趣向とアクション的趣向が良いバランスなんです。冒頭で、巨大ビルで事件があって炎上するんですけれど、これがなかなか迫力があって。ミステリーはかるたコンテストが題材なんだけど、アクションも多めでコナンらしくやっていて、こいつが犯人かな？ と思わせて違う、というのも結構やっているので、面白いです。
