「99人のバカがいたら、1人の正しいやつがダメになるのが民主主義」ビートたけしが語るテレビじゃ言えない話
「最近バカが幅をきかせすぎじゃないの?」
夏野:
似たようなご質問が来ています。茨城県30代男性です。「最近バカが幅をきかせていると感じます。」
ネットならではのご質問ですね。テレビでは読めません。「日本人と世界の人たちがバカになっていると思うのです。私は、人間には脳にある一定の知識などを貯め込む必要があると考えていますが、SNSの影響で反射的な発言や、ただ過激なだけの何の意味もない行動が目立ちます。自分が知らないことに関しての恥の文化はどこに行ってしまったのでしょうか?」
たけし:
でも、「バカになれ!」「空手バカ一代」なんて言ったって、鼻垂らしてベァーって空手やってるわけじゃないだろ。「あいつは野球バカですから」って、サードからベースに走り込んだって、別にバカじゃないからな。一生懸命やってる。夢中になるとか、そういう生活の全部を捧げるのをバカと言うんだろうけど。
あまりにも単純な意見を鵜呑みにしてそのままやってしまうのも、俺はバカだと思うんだよな。100人中99人が「これだ」って言っても、1人だけが疑うやつは必要だっていうふうに考えてる。でも99人のバカがいたら、1人の正しいやつはダメになるっていうのが民主主義。
だから民主主義の多数決で決まることでも、あんまり信用しなくたっていいんじゃない。それで「お前、バカだな」って言われても、俺はそれを信用しないっていう在り方が正しいかなと思うな。
水道橋:
自分も含めてですけど、ツービートの漫才というのは、まずバカを発見するというものでした。例えば「生放送の中継のカメラに写り込んで Vサインをしているようなバカがいるだろ?」って言われた時の「ああ、これがバカなんだ」とわかる瞬間ですよ。
それで言うと、このネットの社会っていうのは、バカがバカなのにバカを言うんですよ。それがイライラするということをおっしゃる。殿は「バカはバカなりに黙って生きて行け!」という考え方。
夏野:
ただ、そのバカとかバカじゃないというのも、分野によって違いますよね。ある人が全部バカなんじゃなくて、あるものには詳しかったり、あるものにはバカだったり。
たけし:
だから、変な意味、バカが正しい時もあるんだよね。王様に「裸だ!」って言った少年が正しい時があるから、「これはバカの意見だ」と、みんながバカだと思っているものが、実は本当の意見を言っていたりする。それは認めなきゃいけない。
今は多数決の世の中で多数決に寄り切られてしまうけど、バカな意見は言うべきだと思うよね。
夏野:
ある一定の人たちが、やっぱりそういうことを言い続けることが健全だと。
たけし:
そうそう。
水道橋:
バカが賢いふりしてコメンテーターなんかやっているだけですからね。所詮はバカですよ。俺を含めてね。
たけし:
だいたい、コメンテーターなんていうのは、テレビに出てきて、名前を売ってギャラを上げるだけじゃんか。
夏野:
ギャラは上がらないです。文化人は低いままですよ。
たけし:
わけのわからないこと言ってるけどお前、かなり政治家と親しくしてさ。
夏野:
大変申し訳ありません(笑)。
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