人類には早すぎた狂気のグルメ漫画『福沢諭貴子の奇妙なグルメ』。押し寄せるシュールなギャグ展開に頭と舌が追いつかない
「既存のグルメ漫画には飽きた!」という方や、「人生に刺激が足りない!」という方は必見!
今回紹介する『福沢諭貴子の奇妙なグルメ』は一見平凡そうなOL・諭貴子さんによるグルメ漫画……なのですが、そのグルメ探訪風景がふつうじゃないんです。
押し寄せるシュールギャグの応酬は、一周回ってもはやホラーに片足突っ込んでるレベル。もはや分類不能のハイスピードすぎる展開を、どうぞお楽しみください。
幻のラーメンを求めて超絶パルクールをキメるOL
本作の主人公、福沢諭貴子さんは24歳のOL。
クールな顔立ちにメガネが似合う彼女は、お昼休みになり、いざランチへ……と席を立ちます。
そのとき諭貴子さんは、近所に新しくできたラーメン屋の情報をキャッチ!
ただしその店は、なんと昼の12時から3分間だけしか開店していないという謎すぎる営業形態だったようで……!?
瞬時に時計に目配せした彼女。タイムリミットは6分間……もはや一刻の猶予もありません。
すると彼女は険しい表情で走り出すやいなや、窓ガラスを粉砕!! 外の通りに華麗な着地を決め、猛然とラーメン屋を目指すのでした。
登場するグルメの内容といい、諭貴子さんの大胆すぎる行動といい、わずか2ページのあいだにツッコミどころが多すぎる……!
その後も彼女は、脅威の身体能力を駆使して赤信号の横断歩道を突破!
これも食への渇望のなせるワザということなのでしょうか……例のラーメン屋が“3分だけラーメン”なる店名で実在していた事実すらかすんでしまいそうな勢いです。
なんにせよ本作は、そんな諭貴子さんの底知れぬバイタリティを感じられるシーンが満載となっております。
スーツ姿でマタギに弟子入りする諭貴子さん
先ほどの街中グルメだけに留まらず、美食のためならときにはマタギに弟子入りすることもいとわない諭貴子さん。
師匠になってくれた老人マタギの風格は申し分なかったのですが、今回の場合様子がおかしいのは森の動物たちのほうで……。
なぜか動物たちだけ作画のタッチが違い……見つけた師匠も「ヒグマしゃんだ!!」と、作画につられてIQが低下している気が……。
絵面はかわいらしいですがヒグマはヒグマ。気づかれてしまったこの状況、命の危機には変わりありません、多分。そうこれは大ピンチなのです!
しかしここで火を吹くマタギおじさんの銃。師匠の神業のような射撃に助けられ、なんとか窮地を脱することができた諭貴子さん。
しかし、ヒグマの命を道連れにしたかのごとく師匠は事切れており……ってなんだこのオチ!?
諭貴子さんの「(ヒグマの肉が)臭くて食えたもんではなかった」などという身もフタもない独白も含め、フリーダムかつ不条理すぎる……。
ロリ諭貴子さんが送った奇妙なカレー漬けの日々
そろそろ登場するグルメの奇妙さよりも、諭貴子さん本人のクレイジーさのほうが気になってきたところ。
つぎに紹介する15年前のエピソードは、そんな彼女の人格形成に少なからず影響を与えていそうです。
15年前の彼女は、母のカレーで大喜びするようなどこにでもいる活発な女の子。
母・一子も、はしゃぐ諭貴子さんを見てうれしく思ったようで「じゃあこれから毎日……諭貴子の好きなカレーにしよっか!」とお茶目に笑います。
その言葉に、パッと笑顔を咲かせた諭貴子さん。「さすがに毎日は……」とはならない純粋無垢さが、なんともかわいらしいですね。
……そんな他愛もない会話がきっかけで、よもや本当にカレー地獄が始まろうとはだれが予想できたか。
その日から福沢家は毎日3食カレー、誕生日のケーキもカレー、おせちや鏡餅もカレーになってしまいます。
さらにはペットの犬のエサや、その犬の名前すらもヤケクソのごとくカレーに。不憫すぎる……。
福沢家のカレー化(?)はその後も進行していき、お風呂のお湯も蛇口からでる水もすべてカレーに変わりました。
終いには道ゆく人々までカレーになり、副作用で火を吹けるまでになったらしいのですが、これはもう精神的ショックによる幻覚の類とみたほうがいい気が……。
ちなみにこのカレー地獄は意外にもあっけなく終息するのですが、福沢家と諭貴子さんにまつわる闇が垣間見られたことは確かでしょう。
かくして今後も、タグで“人類には早すぎる漫画”、“右脳だけ異世界いったレベル”と称されるほどの狂気のエピソードが満載の本作。なにもかも咀嚼しようがないほど理解不能なのに、なぜか無性に味わい深いこの物語の続きが気になった方は、ぜひ2019年10月21日発売のコミックスをお買い求めください!
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(画像はニコニコ漫画『福沢諭貴子の奇妙なグルメ』より)
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