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極寒の地でスローライフ。『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』のふたりの新婚生活(仮)がじんわり温かい

 北欧と聞くと、何となく豊かな自然やオシャレな街並みを連想してしまいがちですが……。

 ニコニコ漫画で連載中の『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』で描かれるのは、きびしい寒さの中でこれといった娯楽もない北欧の姿でした。

 そんな過酷な環境で慎ましくも和やかに暮らす主人公夫婦の姿は、ひと際温かく幸せそうに見えること間違いなし。

 “第3回なろうコン”で金賞を受賞した心温まる物語、そのコミカライズ版をご紹介していきます。

ニコニコ漫画『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』エピソード一覧

夜会でナンパに勤しむ“雪男”

 貴族たちが集う夜会にて、めぼしい女性に声をかけて回る男がひとり。

 男……といっても、整った顔立ちと結い上げられた長い髪だけを見れば、女性と見紛うほどの美しさです。

 しかし、女性は自分に声をかけてきた男が“雪男”と呼ばれる人物だと知ると、憤慨した様子で去っていってしまいます。

 一方その“雪男”は、「あーぁ、胸が大きかったのに……」と軽薄ぶりが透けて見えるひと言。やはりそのあだ名には、あまりいい意味がこめられてはいないのでしょう。

 彼の名前はリツハルド・サロネン・レヴォントレッド。本作の主人公です。

 なぜリツハルドに“雪男”なるあだ名が付いているかといえば、彼には「毎年女性を自国へ連れ帰っては新しい女を求めに夜会へ来ている」というウワサがあったから。

 しかし、そのウワサはまったくの事実無根。というのも、彼の住む辺境の地はとても過酷な環境にあったのです。

 1年の半分が雪に覆われ、あるのは広大な森と空、そしてトナカイたち。

 そんなわけで、これまで結婚してくれる女性は見つからず、リツハルドは足繁く夜会に訪れていたのでした。

 しかし“雪男”は、今宵ついに運命の出会いを果たします。

 お相手は、“紅蓮の鷲”なる異名を持つエリート軍人。……っていやいや、見た目は完全に美男子ですが……!?

じつは似たもの同士だったふたり

 リツハルドとは対象的に、女性たちにモテモテな“紅蓮の鷲”。

 凛々しい表情と身にまとった軍服が目を引きますが、じつは女性と聞いてリツハルドは目を丸くします。

 そのうち彼女の灰色の刺すような瞳に魅入ってしまったリツハルドは、ふらりと歩き出し……。

 なんと、開口一番にプロポーズ! 自身につきまとう悪評を忘れたのか、考えうる限りで最悪とも言える行動をとってしまいます。

 もちろん、リツハルドにとっては心からのプロポーズだったわけですが、これはタチの悪いナンパと受けとられてもしかたないでしょう。

 “紅蓮の鷲”ことジークリンデ・フォン・ヴァッティンは、「少し別室で話をさせてもらおうか」とキッパリひと言。何だか妙な雰囲気になって参りました……。

 さて、別室に通されたリツハルドは、彼女から単刀直入に「なぜ私と結婚したいと思った?」と問われます。

 彼は思わず口ごもってしまうのですが、続けてジークリンデの口から飛び出したのは「(子供は)多くは産めそうもないぞ」という予想外の言葉。

 対面してからというもの、「軍人の出」「女とは程遠い見た目」「貴族の妻としての礼儀も知らない」と、なぜか“自分がいかに妻にふさわしくないか”ばかりを述べるジークリンデ。

 そんな彼女の言葉をとっさに引き止め、リツハルドは自分の境遇と心中を、誠心誠意、包み隠さず打ち明けるのでした。

 長い冬に耐え、同じことをくり返すだけの日々に生きがいを見出だせていなかったリツハルド。

 自分から離れていった過去の婚約相手を思い出しつつ、「自分はどこかで孤独を感じているのかもしれません……」と寂しげに笑います。
 
 リツハルドの表情には、だれがこんな男に付いてこようものかといった諦めすら滲んでいましたが……。

 その話を聞いたジークリンデは、「わかった、私で良ければついて行こう」と言ってのけるではありませんか!!

 じつは彼女も、軍人一筋で生きてきたがゆえに、平和になった世の中で生きがいを見出だせなかった身。

 これまでの生きかたは違えど、ふたりは意外にも似たもの同士だったのです。

ふたりの新婚生活(仮)の行方は……!?

 運命的な出会いを経て、電撃結婚を果たしたふたり。

 しかし、ジークリンデは「ただし」とその結婚生活にある条件を付けます。

 その条件とは、まずは最初の1年間を“仮の夫婦”として過ごしたうえで正式に結婚するかどうかを判断しようというもの。

 それを彼女らしいな、といった表情でリツハルドが受け入れたことで、ようやくふたりは誓いの握手を交わすのでした。

 それから準備を整えたジークリンデは2ヵ月後、はるばるリツハルドの故郷である辺境の地へとやってきます。

 民族衣装に身を包んだリツハルドに出迎えられた彼女は、おいしそうな伝統料理に舌鼓を打ったり……。

 寒空のもと、ふたりで雄大なオーロラを眺めたり……。

 素朴ながらもときどきロマンチックな、スローライフを送ることになります。

 何もない極寒の地だとしても、夫婦でいれば毎日イベント尽くし。この先ふたりは、どのように絆を深めていくことになるのか……!?

 気になる方はぜひ発売中のコミックス1巻と、2019年5月31日発売の第2巻を合わせてお買い求めください。

『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』単行本第2巻
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(画像はニコニコ漫画北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らしより)

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