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“マジックミラー号”はいかにして生まれたのか?――赤字のなか起死回生をかけて臨んだ池袋で出演希望者の列を作るまでの物語を産みの親が語る

マジックミラー号企画のきっかけは「1000円払うから足舐めさせて」

土屋:
 爆破させるとかそういうものがあったというようなことで、かなりの赤字を出してしまったので、失敗を取り返すためにいろんな企画会議があって、高橋がなりさんが出した企画がこちらなんです。

 マジックミラーボックスということで、これはまだ原型の原型です。これはどういう企画なんですか。

久保:
 マジックミラーボックスを作って、町中に置いて、その中に素っ裸の芸人を入れて、OLを呼んで覗かせて、きゃーっていうのを撮るっていうだけ(笑)。それをAV版でやりたいっていう。

土屋:
 それは地上波でやろうとして撮ったんですよ、時代がすごいですよね。

久保:
 で、当時その露出ビデオっていうのはものすごい流行ってましたが、露出はちょっと危険じゃないのないのか、ということでミラーボックス。

星田:
 隠して。それも、きゃーっていう女の子のリアクションで興奮させようっていうことですか。

久保:
 そうです。

土屋:
 箱の中じゃなくて外の反応を撮りたいという企画だった。で、そうしてもう一つの企画が生まれてミックスになるということで、そのもう一つの企画がこちらです。

久保:
 これは当時、僕の知り合いの男優が女の子に1000円払って、本当に街中で歩いてる子に女の子1000円払って足なめさせてくれって言ったら、ワゴン車の前に列ができた。で、僕は「嘘だ!」と思ったんですよ。

星田:
 男優さんがプライベートでやって?

久保:
 プライベートでやった。で、その彼はもうすごいドMなんですよ。本当にお金払って「舐めさせてくれ」って言ったら列ができた。それ、本当なのかっていう話で、それができるんだったらそういうのをちょっとやりたいっていうことで……。

土屋:
 意外と無理だと思ったけど、あっちから望んでくる、と?

西川:
 それは誤解があって、捕まえてきてどうのとかじゃなくて、もう進んで皆さんからいらっしゃるパターンってことだよね。

ミクロマンサンライズ!!!:
 ドクターフィッシュみたいなものですね。

一同:
 (笑)

土屋:
 赤字も抱えてたので、それで一般の方で1000円ならこれはいけるだろうということで、さっきのがなりさんの企画と合体したということです。これでマジックミラー号という企画がスタートした。

久保:
 要はそのミラーボックスの中にその女の子を連れてきて、さっきの1000円払うじゃないけど、それで。

星田:
 いくら出したら全裸になるかってことですか。

久保:
 はい。だから最初はゲーム性だったんです。

下着5000円! 片乳2万! 全裸で4万! 本番10万!

土屋:
 ついに撮影、最初のロケが行われるということですけど、交渉をするわけです。その金額、条件、最初に設定したのがこちらの金額です。

 下着を見せてくれたら5000円!

久保:
 チラっと。

土屋:
 チラッとでいいんですか。

久保:
 だってもともとやってくれると思ってないですから(笑)。

土屋:
 で、下着5000円。片乳2万。全裸で4万と。これはあとからこうなったんですか?

久保:
 そうですね。

星田:
 これ、女性の社員さんに「お前やったらどれぐらい?」っていうのは聞いたんですか。

久保:
 何人かにヒアリングして、大体「顔が見えなければ……」っていう。

土屋:
 これは20年前の値段ですけども、手島さんどうですか。自分自身、20年前っていうのはもう女子高生とか?

手島:
 私、一回もやってないですよ!

一同:
 (笑)

手島:
 でも……片乳っていうのは、トップも見せての片乳ですか?

久保:
 ……2秒!

一同:
 (笑)

手島:
 上手い。「2秒でいいの?」って今なっちゃったもん(笑)。

土屋:
 2秒で2万ですよ。秒給1万ですよ。

久保:
 時給どころじゃないですから。

手島:
 これはちょっと乗っちゃうかもしれないですね。

土屋:
 当時、女優さんのギャラが12時間拘束で20万円だった。そう思うと秒で。

手島:
 よし、片乳やる!

星田:
 乗せられた(笑)。

土屋:
 これ、実際うまくいくと思って始めたんですか?

久保:
 いや、全然思わなかったですね。

周りの風俗店に「40分おきに寄越してくれ」

土屋:
 そういうちょっと不安な流れで始めて、ロケの場所どこから始めたのかというのが、まず最初はこちらです。

 渋谷の109前。

星田:
 人多いしね。

土屋:
 どうしてこの場所を選んだんですか。

久保:
 これはロケーション的にミラー号が止まってて、この全景映したときに109っていうのが説得力あるだろうなって。

星田:
 リアル感がある、みたいな。

土屋:
 ちょうど援助交際とかも流行ってた時代。

 ただこれ、全然声かけるのがうまくいかなかったんです。

星田:
 声かけるときに片乳見せたら2万円とか説明するんですか。

久保:
 いや、当時はナンパ隊が嘘ばっかりついてたんですよ。ちゃんと説明しなきゃいけないっていう話で、「エッチな企画なんですけど、ちょっと下着見せてもらえませんか」と。

土屋:
 でも、これで「撮れ高ありませんでした」じゃまずいですよね。

久保:
 なので、最初は周りの風俗店に声をかけて、仕込みで「40分おきに寄越してくれ」と。本当に素人の歩いてる女の子が脱ぐわけないって思ってたんです。

星田:
 最初はね。

土屋:
 最初はそうしてたっていうか、初日があまりいい撮れ高がなくて。ですが、2日目になったらすごいことになります。こちら。

 マジックミラー号の前に女性の行列ができたと。

西川:
 今度はどこに行ったんですか。

久保:
 これは池袋芸術劇場前ですね。僕らは池袋芸術劇場はもう「聖地」って呼んでいて。

一同:
 (笑)

西川:
 僕ら、舞台・ミュージカルでしか行ってないです。

星田:
 ミュージカルの人の聖地ですよ。

久保:
 もうナンパできなければ芸術劇場行く。

西川:
 池袋って我々みたいな地方出身者からしても、ちょっと渋谷とも、新宿とも、その他の地域とも違う独特のカラーが池袋にないですか?

久保:
 ありますね。

1日で100人に声をかけて、やるのが10人くらい

土屋:
 初日の反省を生かして、交渉もうまくなったってこともあるらしいんですけども、行列ができた理由としてはどういうことなんですか。

久保:
 これはナンパ師が大体4人ぐらいいたんですけども、それぞれがうまくいっちゃってて、同時に来ちゃうから、撮影してる間にどんどん来ちゃうんですよ、だから結局行列になっちゃって、もう今日はここまでっていう。

星田:
 全員はわかってるんですか。「私は下着までです」」、「私は乳までです」っていうのは。

土屋:
 並んでる人にメニュー渡してどれにしますかみたいな状態になるってことですね。

久保:
 でも今日はここまでっていうふうに、これ以上撮らないっていう。

土屋:
 でもこんなに行列なるってんですけど、何人に声かけて何人ぐらいがOKになるんですか?

久保:
 1日で100人ぐらいに声をかけて、30人ぐらい乗ってきて、やるのが10人ぐらいじゃないですか。

土屋:
 結構な確率……すごくないですか? 

ミクロマンサンライズ!!!:
 10人は最後までやられる方もいたと。

久保:
 最近だとそうですね、当時もそうですけども。

星田:
 でも、当時は顔隠すから、ビジュアルとかはもう関係なしに。失礼ですけど「こんな人の裸見たくない」って人でも。

久保:
 でも全部やる。もう何でもいい。

土屋:
 で、この行列できてどうでした? その当時の感想で言うと。

久保:
 何でもお願いしてみるもんだなっていう(笑)。

一同:
 (笑)

西川:
 これ、お金もらえるってわかっちゃったら、変な話、常連などはいたんですか。

久保:
 いますね。だから芸術劇場で撮ったときは、その向こう側にマクドナルドがあるんですけど、その2階からミラー号を見てて、来るんです。ばーっと5、6人。で、「もう君、この間撮ったでしょ?」と。「この間もまた服替えて撮ったし、何回も撮ってんだから帰って」て言うと、「じゃあ友達連れてくるからお金ちょうだい」って言って、もうどんどん連れてくるんですよ。

西川:
 すごい。間に入って、業者じゃん(笑)。

土屋:
 それぐらいお金目当てということで、SNSもなかったりっていうことで、警戒心もなかったのかな。

久保:
 あと、「パチンコで10万すったから今やってないか」とか。

土屋:
 ということで、想定以上に女性が集まったそんな企画ですから、最初のマジックミラー号は1万本の大ヒットということで。これは、最初は何本ぐらい売れればいいかなって感じだったんですか。

久保:
 2000~2500本ですかね。

土屋:
 で、これはもちろん先ほどにも言ったとおり、からみがない状態で1万本。

星田:
 で、かわいくもなかったわけでしょ(笑)?

久保:
 でもリアルだから。

土屋:
 それが大事なんですね。でも中にはお金欲しい、本番までやらせてくれって人もいたんですよね。

久保:
 いるのはいるんだけど、やっぱり断るんですよ、逆にリアルじゃないと思って。そんなわけないでしょっていう。だから結構お断りして、帰してた部分もあるんですよ。

 でも、試験的に何本か入れた結果、やっぱ本番のほうが売れたんですよね。

土屋:
 で、そっからちょっとずつ本番の方にもなってきた。

久保:
 うん。だからやっぱりAVに求められるのはそこなのかなっていう。ちょっと悲しいですけど。

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