犠牲者30人以上とも言われる“遺体なき殺人”『埼玉愛犬家連続殺人事件』犯人・関根元の素顔に迫る「お前もやってみろよ。冷んやりして気持ちいいぞ」
“遺体なき殺人”と呼ばれる「埼玉愛犬家連続殺人事件」。
一説では30人以上の関係者が殺害された疑惑があるにも関わらず、同時期に発生した「地下鉄サリン事件」「阪神・淡路大震災」がマスコミの注目を集め、報道が縮小した為に事件の全貌は一般層には明らかになっていません。しかし、事件の巧妙な手口や主犯格・関根元が自身のペットショップ「アフリカケンネル」の資金繰りをきっかけに犯行に走るなかで発せられた常軌を逸した言動は後に様々な映画や小説のモデルとなるなど、人々に強烈な印象を残しています。
潜入ライターとしても活動するニポポ氏の「超ニポポの怪しい動画ワールド」では平成を代表する事件のひとつとも言える「埼玉愛犬家連続殺人事件」に言及。ニポポ氏が撮影した事件の舞台となったペットショップ跡地の写真も交えつつ、何体もの死体を処理する手口や、人心掌握術に長けた関根の内面にまで解説をおこないました。
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残忍な手口を繰り返した主犯・関根元
ニポポ:
1995年は1月からこの埼玉県愛犬家連続殺人事件が動き、阪神・淡路大震災があり、そしてオウム真理教事件の地下鉄サリン事件があるという壮絶な年だったんだけど、当時は今と時代が違って、逮捕前報道が凄かったんですよね。報道先行で行けちゃう時代だった。ところが逮捕以降には大事件が続いて報道が縮小されるという。
4人が相次いで失踪していく中で、共通してトラブルを持っている人がいたんですね。【発覚】のところに遺骨の一部や遺留品とありますが、確かお守りか何かが出てきちゃった。そう考えると何かを守ってくれたのかもしれない。
埼玉県警としては、関根元は天才的に弁が立つので、いきなり行っても逮捕に導けない可能性があった。なので共犯者である山崎に目をつけ、奥さんを別件で引っ張る。それで一旦逃げられるんだけど、山崎が自首出頭して逮捕。ここからも埼玉県警の思惑があって、最近話題になった司法取引。
当時、制度として司法取引は無かったんだけど、口頭でやってたんですよね。それで山崎も次々と証言していくんだけど、埼玉県警が途中でこれを反故にしてしまう。山崎はそれで「話が違う!」となって、山崎の供述のみで進んだこの事件ですが、実は山崎は途中で供述をパッタリとやめちゃってるんですね。
なのでこの事件にも冤罪説はある。彼らの主張の拠り所はここにあったりする。もちろん関根が完全無罪ってわけではないですが。風間がここ関わってないんじゃないか、死刑はどうなのかって理論があるってこと。
当時は司法取引が自供引き出しのツールとして使われてたんでしょうね。
この【概要】は一件目の殺人。勘違いされがちなんだけど、2件目はヤクザが「これ、関根が殺しているのではないか?」と、何かを掴んでユスリにかかっていたんですね。
【背景】、この辺が「埼玉県愛犬家連続殺人事件」の怖い部分であり核心の部分。大事件が続かなければもっと続報も出てきただろうに、ここまでの情報で止まってしまっている。
「快楽性」については、この事件は殺人があって解体があるってのが特徴的なんだけど、これまでの猟奇犯罪では殺人方法にこだわりがあって快楽性があったんだけど、関根の手口では解体に快楽性を見出していたんじゃないかという話がある。解体現場って壮絶な惨状なわけなんだけど、そこで鼻歌を歌ったり、実際「楽しい」って言葉を口にしてる。そこに楽しさを見出していたんですね。さらに、4番目の被害者女性に関しては死姦という行為があったことも明らかになっています。
「猟奇的」という言葉に関しては、ここからは憶測の域を出ませんが、関根はハンティングとかやっていなかったんだけど、「いい鹿肉が入った」と、ヤクザに何かの肉を渡していたらしいんですよね。それは一体何の肉だったんだろうというのは、謎のままなんですよね。
サイコパスがみんな犯罪者ではないですからね。社長にも多い性格だって言いますし、サイコパスだから一概に怖いとか偏見で見ちゃうのはどうなのかと。
「世の中のためにならない奴を殺す」「欲張りな奴を殺す」ここだけ見たらまるで正義。
血って隠しきれないですから、ここから犯行が明るみになることも多いのでそれを把握している。犬の安楽死剤には筋弛緩作用もあるのか、みんな声も出せずに死んでいく。人間に使っても血を流さず、騒がれず始末できるということを知っていたんですね。
そして「ボディを透明にする」。実際見つかったのなんて治療痕のある歯の一部とか、銀歯の一部とかしか出てきていない。DNA鑑定出来るレベルじゃなかった。
「お前もやってみろよ。冷んやりして気持ちいいぞ」というのは、鼻歌交じりに死体を解体しながら、共犯者である山崎を誘った言葉だそうです。
実際、人心掌握術にはかなり長けてたみたいです。怒って「金返せ」とやってくる人たちとも笑顔でやり取りして、「栄養剤飲みなよ」と(安楽死剤を)飲ませている。
肉片って川で相当流れちゃうみたいで、川ざらいでも何にも出ないってレベルで出てこなかったようです。それこそ銀歯とか、時計とかしか出てこなかった。
関根の理論としては遺体をそのまま焼くと臭いでバレる。なので分離するのがボディを透明にする第一歩と考えていたようですね。
埋めればいいとか、川の深い所に流せばいいという意見もありますが、関根曰く「骨が残る」。骨が残っちゃうと透明じゃないんですね。骨には情報が詰まっていて、特に頭蓋骨からは色んな情報が特定できる。この頭蓋骨が無いということが、透明に繋がるわけですね。
「犬で試してみたのか」というコメントがありますが、実際、ペットショップのオーナーとしては動物にはかなり優しかったみたいです。そういう二面性もあったということなんでしょうね。
計105回ほどの裁判があったんですけど、関根と風間の罵り合いも話題になりました。共犯の山崎も3年ほど刑務所に入ってる。
凄いのが、ヤクザを騙そうという立ち回りを随所でしている。ヤクザとトラブったことも一度や二度じゃない。確かヤクザのお金に手を出して、小指を詰めてるんじゃなかったかな。
子供はいました。風間の連れ子もいた。この連れ子に対するDVは凄かったみたいです。
他にも触れていない情報として、埼玉県愛犬家連続殺人事件は関根と風間のW主犯なわけなんだけど、埼玉県警としてはこの埼玉県愛犬家連続殺人事件を皮切りに、もっと過去の犯行犯罪まで洗い出したかったんだけど、それが全く出来なかったんだよね。だから、以前の事件はまさに透明になっちゃっている。未解決事件のままなんですよ。
警察が攻めたかった事件だけで6~7人いるんですよ。その人達は透明になっちゃっている。未解決になった事件の中には、知り合いの界隈で相手を事故で殺してしまったという人が、関根に死体処理を頼んだって疑惑もある。その死体も透明になった。
山崎が遺体を運ばされたってのは、家族への危害を匂わされてたんだよね。で、山崎のコメントの中でも印象的だったのが、客が殺されて解体されていくのを目の当たりにして出した「これは初めてじゃない」というもの。関根の周りで行方不明になってる人って凄い数いて、それらが関根と結び付けられずに終わってる。これってどうなんだろう。
関根もアウトローなお友達には殺人のことを語っていて、「30人は殺してるよ」なんて言ってたらしいんですよね。元々虚言癖があるからなんとも言えないけど、埼玉県愛犬家連続殺人事件だけで終わってるとは考えにくい。
風間にも触れますと、元々お客さんなんですよ。関根と意気投合して結婚するわけなんですけど、関根もこの結婚が7回目とかなんだよね。そして、風間との離婚は嫌いだから、好きじゃなくなったからとかじゃなくて税金対策。なので、事実婚状態はずっと続いている。結構裁判の影響で離婚したんじゃないかって思っている方も多いみたいだけど、実はそういった対策だったんですよね。
最終的には背中に昇り龍の入れ墨も入れてますね。関根の趣味というところもあって。