キャリア8年目の「探偵」が解説 尾行調査・盗聴器探索…知られざる探偵学校のカリキュラム
出口待機でチーム行動が基本! 尾行の授業内容を解説
土屋:
さて、こんな授業もあります。探偵学校の次の授業はこちら。
これを授業でやると。
片岡:
これは実践でして、探偵というのは基本尾行する時に(お店の場合は)出口の近くにいるんですね。僕は本当によくドラマであるような感じで、バス停のベンチに座って新聞を見ながら、ホームビデオみたいなカメラなんですけれど、バックショットで撮るんですね。見ていて対象者が動いたら「対象者動きました、どうぞ」「了解です」みたいな感じで、尾行します。
星田:
ひとりがずっとつけるんじゃなくて、あるポイントまで行ったらまた違う人が。
片岡:
そうです、だいたい2、3人で動いています。
星田:
公安とかのやり方や。
片岡:
地下鉄に行ったり、いろいろなところに行って原宿から新宿に行ったりするんです。それでまた喫茶店に入りました。それで出口を見たらふたつだから、こことここにいればいいと。 待っていましたが30分、1時間経っても出てこない。おかしいなと思ってお店の中に入ってみると、実は3つ目の出口があって(尾行していた人はすでに)出て行っている。
そういう場合は先生に電話して、「すいません、見失いました」と言ったら、「まだまだですね。アルタ前から再スタートです」みたいな授業。
一同:
うわ~。
土屋:
受けてみたい!
西川:
でも都会だったらこういうのも成り立つけれど、これが富良野やったらどうするの。
一同:
(笑)
片岡:
そういう時のやり方もいろいろあります。
星田:
やっぱりあるんや。
土屋:
先生は今、何年目ですか?
片岡:
僕は8年目ですね。もう何百という現場は行っていますけれど、まだまだ僕なんかあまちゃん。
星田:
行き着いた浮気相手が、たとえばみんなが知っている有名人やった場合とかありますか?
片岡:
僕の場合、メディアでお話しさせていただくことが多いので、(浮気相手が)結構スタッフさんであったりというのは、ないことはないというか。
西川:
普通の方のほうがえげつないと思うよ。
星田:
確かにハメの外し方はね。
西川:
だって我々でも何かあったら、今なんかビクビクしながら生きてるから(笑)。だいたい撮られたりマークされたりする可能性も高いから無茶もできないですけれど、普通の方の話とかを聞いているとすごいですもんね。
土屋:
先生は生徒時代は優秀だったんですか。
片岡:
僕は結構優秀とは言われていました。
西川:
飲み込みが早そうですもんね。
片岡:
やっぱり芸人をやっていたりするので、空気の読み方というか察するのが。
西川:
口も立つしね。
片岡:
尾行の授業も、男性の先生が女性の先生とラブホテルに入って行ったりするんですよね。そうしたら僕は、別の生徒の年配の女性と一緒に入って行くみたいなことがあったりします。新宿あたりでやっていたので、ルミネtheよしもとがあったりするんですね。
星田:
見られているわけや(笑)。
片岡:
そうなんですよ。ホテルに入ろうとしたら(知り合いに)「おはようございます」と挨拶をされて(笑)。「そういうことじゃないから内緒にしておいてください、これ授業だから!」みたいなこともありました(笑)。
探偵学校卒業後の進路は?
土屋:
探偵学校を卒業すると探偵の就職先を斡旋されるみたいなことはあるんですか?
片岡:
うち学校は、この後、経営者コースとか何かあったら提携しますよみたいなものがあったんですけれど、8年経っているから言えますけれど、僕の場合は先生からすごく気に入ってもらえたんですよ。
「君の交渉能力は非常に向いている」と。「実は僕はこの会社から独立したいんだ」と。「だから片岡くんが事務所を建てて、最初バックアップするよ」みたいな感じでスタートアップしていただきました。
星田:
最高なスタート。
片岡:
なので、独立から入られていると。
土屋:
たいていは大手の探偵会社に入ったりするんですけれども、片岡さんは独自の形態ということで、その独自がこちらです。
社員は先生ひとりだけということで。
片岡:
そうなんです。
西川:
変な感じ(笑)。教えてもらった人が社員になるということでしょう。
土屋:
でも先程のお話のように、出口がたくさんあると探偵はひとりじゃ成り立たないと思いますけれど、ひとりで大丈夫ですか?
片岡:
基本は尾行するのにも3人とかでやるんですね。僕の場合は依頼のお話をいただいた時に、どういう目的なのか、素行調査なのか浮気調査なのかによって、バイクが上手いフリーの探偵さんがいるなとか、SNSを調べるのが上手い探偵さんがいるなとか。
星田:
そこからキャスティングするのか。
片岡:
フリーの探偵さんも、元々は大手にいらっしゃるんですよ。でもそういう人って、一点突破主義というか、能力が長けていてコミュニケーションがあまり上手くない方がいらっしゃる。
やはり大手はバンバンCMが打てますので、電話が鳴りますよね。なかなかこちらの職人肌の方は電話が鳴らなくて、副業みたいな人も多いんですよ。その中で僕はそういう方と仲良くできるので、「片ちゃんのためだったら、一肌脱ぐよ」みたいな感じで。
西川:
キャスティングか!
片岡:
僕は番組という名の調査を持ってきて、あとはディレクターさんみたいなイメージで、制作会社みたいな感じです。
星田:
子供を使うとかもあるんですか。
片岡:
子供までは僕はないんですけれども、女性の方を頼むこととかもあったり、たとえばバイクが上手いだけの若手芸人を頼むこともあります。
星田:
犬を連れてきてみたいことも。
片岡:
はい。
西川:
(星田さんに対して)えらい詳しいね。なんで? どういうこと?
星田:
一回だけやけど、ほんまに何かおかしいなみたいな。公園の中で全員エキストラ? みたいな時があったの。その時にすごい違和感を感じて。
西川:
フラッシュモブじゃなくて(笑)?
星田:
いやいや、誰から何を告白されるのよ(笑)。何もなかったんやけども違和感があったから、たとえばランニングしている人とか、そういうのってそうなのかなって。
片岡:
僕の会社ではなかったですけれども、そういうのもあるかもしれないですね。
土屋:
大手事務所にいるのと、個人でやっているのだと経費とかも変わりますよね。
西川:
違うでしょうね。でも両方の良さがあると思うんですよね。大きいところだと、いろいろなところから仕事も入ってくるでしょうけれども、ひとりの場合はひとつずつしかこなしていけないから。そんなに3つも4つも案件を抱えるのは難しいだろうし。
浮気調査を相手に密告!? 中には悪徳な探偵業者も
土屋:
先生は探偵と芸人の仕事が9:1だということで、それなりに美味しさがあるわけですよ。ひとりでやっている個人経営の会社がこういうことになります。調査費用が一般的な探偵事務所の半額以下。
星田:
頼みやすいんだ。
片岡:
基本探偵ってひとりにつき、1時間に1万円と言われています。だから3人で行くと3万円スタートが多いんですけれども、私の場合はその半額ぐらいでできますと。最初のクエスチョンとかによって絞られますので、「この3日間だけ僕にください」みたいなのでやらせていただくと、お安くつくと。
星田:
会社の1ヶ月の純利益ってどれぐらい?
片岡:
会社自体ですか?
星田:
自分が手に取れた一発目の。
ミクロマンサンライズ!!!:
すごい先輩後輩感が(笑)。
片岡:
僕、20万円くらいは。
星田:
一発目で20万円はかなり……。
片岡:
やはり一発一発が大きい案件があったりとか。
土屋:
僕の友達が探偵を依頼したことがあって横で聞いていたんですけれど、一回の案件で数百万円ですよ。
河中:
そうですよね。私も調べたことありますよ。頼もうと思って。
星田:
あの人【※】を? あの時の?
※あの人
河中さんの元夫である俳優の袴田吉彦のこと。不倫の密会場所にアパホテルを使用していたことが話題となった。
河中:
そうですね(笑)。
土屋:
全国のアパホテルにですか(笑)。何人必要なんだ(笑)。
西川:
胸がギューってなるわ(笑)。終わったことなのにな……(笑)。
土屋:
1時間1万円だと安いなということなんですけれども、浮気調査が1時間で見つかるとは限らないですから。結局合計でというと、額が大きくなることがあると?
片岡:
なることも多いです。
星田:
見つかっているけれども時間給だから引き伸ばすということは一切しない?
片岡:
そういう悪い探偵も多いんですよ。
西川:
絶対そうやんね。
片岡:
たとえばダブル調査というのがあるんですけれども、奥様から依頼を受けて、旦那さんに声をかけちゃいけないのに、旦那さんに「僕も同じ男のよしみだからわかりますよ」「奥さん、探偵頼んでますよ」と。「嫁からはいくらなの?」「20万円です」「じゃ30万出すから」って。
一同:
うわ~!
片岡:
そういう悪い探偵がいるので、困った時は片岡探偵事務所に!
西川:
うるさい(笑)! もうわかったわ(笑)!