『ポプテピピック』に『おそ松さん』──“変化球アニメ”が期待に応え続ける難しさをアニメ大好き芸人・ハライチ岩井らが語る
お笑い芸人ハライチ 岩井勇気氏がお届けする、本音でアニメを語る番組『ハライチ岩井勇気のアニ番』
今回の放送では二ノ宮市丸氏をゲストに迎え、アニメ『おそ松さん』の2期が1期を超えられなかったのは何故なのか、1期の作品の方向性を今期注目作品である『ポプテピピック』との比較をしつつ徹底的に語りました。
―人気記事―
実質『ドラゴンボール』!? フリーザポプ子にセルピピ美がくそヤバい。ニコ生コメントと振り返る『ポプテピピック』第3話盛り上がったシーン
『CCさくら』雪兎役 緒方恵美「ゲイとレズとロリとショタで四冠王ですねって(笑)」――シンジとウラヌスも同時期に演じていた20年前を語る
『おそ松さん』2期に過度な期待をしすぎた!?
岩井:
『おそ松さん』は面白いですよ。でも、新しい発展みたいな話題になる話が尽きつつある。
二ノ宮:
1期は超えられない?
岩井:
超えられないわけではないですけれど、1期の面白さは話題にはなるじゃないですか。やっぱり期待がすごかった。なんていうのかな、こっちが悪いんですよ。
二ノ宮:
視聴者側がということですか。
岩井:
うん。そういうもんだと思う。そもそも過度な期待をせずに見ていて、面白かった。2期になって、急に過度な期待をしちゃった。
二ノ宮:
僕、エピソードを見ていないからわからないんですけれど、誰も無茶する作品だと思わなかったじゃないですか。赤塚不二夫の古い昭和のアニメでしょうって感じで。といっても、赤塚不二夫の原作もすごいぶっ飛んでいるんですけれどね。
無茶なことをしないんでしょうと思っていたのが、現代的な無茶をたくさんするというギャップもあったでしょう。でも無茶する作品だという前提条件ができた上の2期だと、そのハードルを超えるのは大変かもしれないですね。
岩井:
これは難しいですね。たとえば、サンシャイン池崎がこれからどうしていくかというようなことですね。
二ノ宮:
(笑)。
ハチャメチャで出てきて、それがウケました。
岩井:
でも果たしてサンシャイン池崎は2期も「イエー!」でいくのかってことですよ。
二ノ宮:
カーブのあとにカーブを投げてもって感じになっちゃうから。
岩井:
でもこいつはカーブですよ。それで打ったら江頭2:50さんになるやつ。江頭さんを目指すのか、そのままマルチタレントを目指すのかですよ。
1期の『おそ松さん』は多少反則を犯した感じもある
──アニメ業界ってサイクルが早いといわれているのですが、あれだけ旋風を巻き起こして、DVDランキングの1位から10位まで全部『おそ松さん』になっても、2期になったらちょっと飽きるって、アニメ業界って相当すごいなと思います。
二ノ宮:
直球でウケていたら、そのまま直球を続けていたらいいんでしょうけれど、1期の『おそ松さん』のウケ方って、多少反則をおかした感じもあるじゃないですか。それやっちゃダメだよ、ということをやっちゃって褒められている部分もあるから、次も反則をおかさなきゃいけないって、YouTuberみたいにどんどん過激なことをやるしかない。
岩井:
ストレート160キロくらい出せたら……。
──1期のときの勢いを戻す。
岩井:
でもあれ自体が反則だから。
──ということは、現実的には2期以降は、あの流行を作って、あれと同じヒットを狙おうと思ったら無理。
二ノ宮:
瞬間風速が高すぎましたね。
──他のことをいくらやっても、1期のレベルまではいかない。
岩井:
これくらい期待されて2期が成功したアニメってないよ。
──『うたの☆プリンスさまっ♪』? でも1期って……。
二ノ宮:
そこまで反則ではない。
──『けいおん!』とか。
二ノ宮:
期待されていることを期待通りにするのはいいんですが、期待されているのが反則だった場合がきついということですよね。
──ある意味『銀魂』ですよ。
──でも銀魂って江頭2:50さん。変化球を投げ続けると江頭2:50さんになるから、やり続けてるしかない。同じレベルのものを、『おそ松さん』もずっとやり続けていく。
岩井:
『銀魂』でできているんだったら、できると思う。やり方はわかっているから。別にどすべりはしていないからね。
二ノ宮:
だから「2期どうだったの?」という感じを無視して、3期、4期をやらないといけない。
──難しいですね。