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『俺の妹』新垣あやせと会話ができるAIを開発中のNTT主任研究員に色々聞いてみた「キャラを愛する人が多い場所でないとデータが集まらない」

 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(以下、俺の妹)のキャラクター新垣あやせのなりきりAIが発表され、10月11日に放送された 『伏見つかさチャンネル』でついにその内容が明かされました。

 あやせAIは、NTTとドワンゴが開発したなりきり質問応答サービスを利用し、『俺の妹』メインキャラクターの1人、新垣あやせの対話AIをユーザーのみなさんと一緒に作ろうという企画です。

 放送では、開発担当者の東中竜一郎さんにあやせAIを解説していただき、声優の藤田茜さん木戸衣吹さん、電撃文庫の三木一馬さんが実際にあやせAIをプレイしました。

左から藤田茜さん、木戸衣吹さん、三木一馬さん。

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『俺の妹』あやせAIをみんなで作ろう

木戸:
 伏見つかさ先生の担当編集であり、アニメ『俺の妹』のプロデューサーの三木さんから、まずは作品とあやせの紹介をお願いします。

三木:
 この作品は妹の桐乃と兄の京介のホームコメディになっております。桐乃は勉強もスポーツも出来る、みんなから羨望の眼差しを向けられているスクールカースト上位のちょっとギャルっぽい子なんですが、ひとつだけ秘密の趣味があって、それがオタク趣味なんです。

 その秘密をずっと仲が悪く冷戦状態だったお兄ちゃんが知ってしまい、流れで桐乃が人生相談を持ちかけ2人の心の交流始まっていく兄弟の話になります。作品中でのヒロインは妹の桐乃、コスプレイヤーの黒猫と何人かいるのですが、桐乃の友達のあやせという子が人気があるんですね。

 この子は潔癖症で親がPTAだったりするんですが、桐乃の趣味がエッチなオタクコンテンツということを知って嫌悪感を持ってしまい、それを京介が頑張って諭して取り除いていく展開があります。なので最初は敵なんですね。『ドラゴンボール』でいうベジータみたいな感じで、初めは敵なんだけどフリーザ戦では共闘するみたいな。

木戸:
 おお! ベジータわかりやすい!

三木:
 あやせは桐乃の趣味を少しづつ知って、京介たちともコミュニケーションをとり始めます。ただ優等生で潔癖でまだエッチな趣味は完全には認めきれない女の子なので、エッチなことがあるとすぐに「通報しますよ!」って言ってしまいます。

 そんな怖いことをいいながら潔癖症だという、ギャップの魅力がありますね。また桐乃に友達以上の感情を持っていたりするので、そこら辺の反応が可愛いですね。人気のおかげで京介とあやせがどんどん仲良くなっていったらというifストーリーの制作も発表されていて、現在鋭意執筆中です。

木戸:
 ありがとうございます。あやせの魅力が十分に伝わってきましたよ。

三木:
 あやせの魅力をお伝えしたところで、あやせAIをご紹介していきたいと思います。

あやせAI開発者「キャラが可愛くなければデータが集まらない」

藤田:
 あやせAIのなりきり質問応答を開発をされたNTTメディアインテリジェンス研究所の東中さんに解説をしていただきたいと思います。さっそくなんですが、人間とコンピューターの対話システムはどこまですすんでいるんですか?

東中:
 例えばAmazon AlexaとかGoogle Homeみたいな感じで、家にあって特定のコマンドを言うとCDを再生したり天気予報を聞いたりが、一連の会話でできるというのは重要な到達点だと思います。

 まだ人との雑談やおしゃべりみたいなことをするには数多くのデータが必要で、聞いたり調べたりすることが出来るのが今の対話システムの能力だと思っていただいてかまいません。

藤田:
 あやせAIも数多くのデータが必要なんでしょうか?

なりきり質問応答サービス開発者の東中竜一郎さん。

東中:
 例えば、機械翻訳でGoogle翻訳なんかは相当数の英語と日本語の同じ意味の文章を教えこんでいます。同じように会話も、こういうときにはこう返すという事例を相当数、教えこまないといけないのでデータは重要ですね。

木戸:
 『俺の妹』の番組なのに、なんかすごいNHKっぽくなってきましたね(笑)。

藤田:
 確かにね(笑)。あやせAIはどのくらいの会話の数があったらいいですか?

東中:
 数万は欲しいですね。データの量も大事ですが、質も大事ですね。あやせらしいやり取りが凝縮されていればデータが少なくてもあやせらしいやり取りになりますよね。

藤田:
 例えば、ネタチックで読んで面白くはあるんですけどあやせっぽくない回答とかがあると思うんですが、そういう回答はしないほうがいいんでしょうか?

東中:
 一番重要なのは継続的にデータが集まることなんです。そのためには楽しくないとダメなんです。面白い回答は重要でどんどん書いて欲しいです。それでさすがにネタに振りすぎているなというのは評価システムの「ポイね! 」で対応する感じです。

 今回のあやせAIはみなさんに楽しく使っていただけるようユーザーインターフェイスをちゃんと作るのが重要だなと思っていて、キャラクターに触ると追随したり非常に可愛い動きもするのでなりきりの楽しみもより楽しめるように工夫しています。

三木:
 東中さんは対話の言語をご担当していただいていますが、最初にあやせAIの仕事の話がきたときは「なんだこれ」と思いませんでしたか(笑)?

東中:
 魅力的なキャラであることが重要でしたね。こういう実験はある程度共通に知っていて、キャラを愛している人が多い場所でないとデータが集まらないので。あやせのキャラでここでやらせてもらえるのは非常に筋がいいと思います。

三木:
 東中さんもあやせのファンですか?

東中:
 あっ……はい。

三木:
 桐乃派ですか?

東中:
 えーと……勉強中です(笑)。一応、ラノベは買いました。

木戸:
 ありがとうございます(笑)。

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