吹き矢を改造して“ライフリング機構”を盛り込んでみた! スポンジダーツの命中精度が上がり「これはすごい」「効果あるな」の声
今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『ライフリング吹矢っぽいものを作ったお話』というtekeliliさんの動画です。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
吹き矢にライフリングを組み合わせたらどうなるのかな? って思ったので作った代物。 しかし吹き矢って真剣に吹くとめっちゃ疲れるね
筒と紙で作ったコーンさえあれば遊べる吹き矢。古来から存在する遠距離武器ですが、近年ではスポーツとしても注目を集めていますね。
投稿者のtekeliliさんは、吹き矢で遊んでいる中で「矢を回転させながら飛ばせば命中率が上がるのでは?」と考えたそうです。
弾(矢)を回転させる手段として思い浮かんだのは銃の砲身部分に刻まれたライフリング。これを利用した吹き矢を作ることにしました。
せっかく矢を回転させる機構を作るのですから、「美しく回転させる」を条件とします。
吹き矢の筒には塩ビパイプを使いますが、直接溝を彫ることが出来ません。そこで3Dプリンターで六角形を回転させた形状の筒を制作。これを塩ビパイプにはめれば、ライフリング吹き矢の筒の完成です。
矢も3Dプリンターで作りました。底面は溝に合わせた六角形です。
テストで吹いてみたところ、回転はするものの横に回っている印象でした。真っ直ぐ飛びません。
筒の中で矢が寝ていて、こすれながら加速しているのが悪いのだろうか、と原因を考えるtekeliliさん。
細長い形状、おしりの方が分厚い形状など試行錯誤を繰り返し……
前側に重心がある方が良いという感触を得ました。
4度目の正直でテストしたところ、良い感じに回っています。ただ、矢が重いせいか飛距離が短く2、3mが限界です。弾道が山なりで弾速も遅いため物足りないという欠点も。
スポンジダーツくらいのキレが欲しいと思っていると……
ジャストフィットでした!
ということで、矢の代わりにスポンジダーツを使った吹き矢を作ります。
筒については、筒全体をライフリング化するとパワーロスが大きくなりそうなので先端だけを作ることにしました。
突起はなるべく摩擦を抑えたいので、ツルツル素材のPTFEチューブを使用。3Dプリンターで作ったガワの溝にチューブを挿し込んでライフリング部分の完成です。
スポンジダーツを押し出してみるとちゃんと回っています。
テストしていると、しっかり回転しながら飛んでいるのが確認できました。
しかしスポンジダーツの個体差により、少し細くて回転のかからないものがあるという問題が発生。もっと溝を押しつけながらも摩擦が大きくならない方法を考えた結果、ローラーを使うことにしました。
改良したライフリング部です。少しゴツくなったのも好みだとか。
先ほどより回転力が強く感じられます。
さっそく命中率が上がっているかを試します。
まずはライフリング無しで吹いてみました。レーザーサイトで中心を狙うものの、左右に大きくバラけてしまいます。
次はライフリング有りです。レーザーサイトで狙った中心に当たっているものもありますし、何より左右のバラつきが少なくなっています。
結果を重ねてみました。左右のブレは弾道の精度、上下のブレを飛距離の違いと考えると、ライフリング無しは飛距離が安定するも弾はバラけ、ライフリング有りは弾がまとまるが飛距離が落ちやすいという結論に。
飛距離の問題は残ったものの、集弾率は明らかに向上したライフリング。tekeliliさんとしても、「結構それっぽいものが作れたな~」と満足する作品となりました。
ところが、ネットサーフィン中に海外で似たものがナーフのパーツとして売られているものを発見。「自分が思いついたことは、大抵誰かがすでに思いついている」と感じたというtekeliliさんですが、「これはすごい」「0からそこに辿り着いたのは大したモンだ」「これが収斂進化ってやつか」などの称賛のコメントが寄せられています。
実際に飛ぶ様子など、作品の詳細に興味を持たれた方はどうぞ動画をご視聴ください。
視聴者のコメント
・おお、すごい。
・なんか掘削機のヘッドみたいww
・横のブレがなくなったのは効果あるな
・見た目まで似てて草
・自力で思い付いたのは普通に凄いと思う
・あとは肺活量を鍛えれば完璧だな!
▼動画はこちらから視聴できます▼
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