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純粋な音楽のクオリティのみで勝負!投稿企画・無色透名祭で話題になった「AKUMA!」は某人気ボカロPの曲だった?

 2022年7月に開催された投稿祭企画・無色透名祭。
 これは「アーティストの話題性や知名度に関係なく純粋に音楽を楽しむ」ことをコンセプトとした、参加者全員が匿名投稿での参加を行うイベントとなる。
 有名Pのネームバリューがどうしても先行しがちなボカロ界において、非常に革新的なシステムで運営された本企画。
 参加者リスナー共に多くの好評の声を受け、すでに2023年11月には第二回開催が決定となっている。

取材・文/曽我美なつめ


 昨年開催の第一回には、今まさに第一線を走る人気ボカロPやまだまだ名の知られていない新進気鋭のボカロPまで、約3000件の楽曲が投稿された。
 その中でもイベントのコンセプト通り多くのリスナーの耳を潜り抜け、最終結果発表時に公開された作者名で大勢の予想を鮮やかに裏切ったのが、今回ご紹介する「AKUMA!」である。

 使われている音声合成ソフトはSOLARIA。
 VOCALOIDに比べ知る人ぞ知るシリーズともなるSynthesizerVであることに加え、さらに通好みな英語歌唱を主とする女性声のソフトだ。
 ソフト自体の特性である、AI学習を由来とする滑らかな英語の発話。それに加えサビにかけては、英詞の語尾の響きを揃え韻を踏んだ歌詞となっており、非常にテクニカルな作詞をしていることが伺える。

 サウンド面に関して見てみると、楽曲全体の造りとしてはバンドサウンドを前面に押し出した、いわゆるVOCAROCKジャンルに相当するテイストの楽曲だ。
 疾走感のあるハイハットの刻みと、テクニカルに動くギターのリフ。ややトリッキーなリズム感で、ともすれば鋭く攻撃的な印象すら受ける曲に仕上がっているだろう。

 この無色透名祭の楽しみ方には様々な形があり、そのうちのひとつ大きなものが、事前に参加を表明していたボカロPの投稿曲を当てにいくというものだ。
 歌詞の内容や曲調、音色のテイストに、使っている音声合成ソフトの種類など。
 動画の表現がかなり制限されている以上、作者を当てる手掛かりは企画趣旨通り、純粋に楽曲の音の要素のみとなる。

 一方、参加する作り手もそのスタンスは実に千差万別だ。
 確実に自分であるとわかる楽曲を作り、リスナーの予想を裏切らない王道を進む人。あるいは同様に自身の個性を前面に出した曲で、名前を伏せた状態でもそれらがきちんと個性として発揮されるかを立証しに行く人。

 そして敢えてその真反対を行き、従来作ってきた楽曲とはまったく異なる曲調で参加する事で、文字通り“透名”となりカメレオンのような擬態を楽しむ人、
 蓋を開け結果的に判明したことだったが、この「AKUMA!」はその中でも完全なる後者で、とあるボカロPの擬態の結果生まれた曲であった。

 本来であれば自身が普段よく用いる、複雑なスケールのピアノやシンセサイザーによる不協和音をなるべく排除。加えて今回初となる音声合成ソフト・SOLARIAの起用。
 イベント期間中、本作が今まさにシーンを最前線で牽引するボカロP・いよわの楽曲であると気づいた人は、おそらく本当にごく少数のリスナーだったのではないだろうか。

 匿名であるおかげで、純粋にクオリティの高い楽曲が評価される大前提はそのままに。
 加えてイベント後には一部の作者名が明かされる二段構成となることで、意外性や予想通りの発見による盛り上がりも楽しめる。
 このように、何重にもボカロ曲を楽しめる仕掛けが施された投稿企画となる無色透名祭。
 おそらく今年11月の開催時も、ボカロP・リスナー共に自由自在な楽しみ方が行われることで、前回以上の大きな話題や盛り上がりを提供してくれる投稿祭になるに違いない。


AKUMA! 配信リンク

「The VOCALOID Collection」 公式サイト

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