『お菓子の家』に本気で耐震工事を施してみた! 柱と梁を設置し、屋根と壁はチョコでコーティング… 実際の建築技術をもとに徹底的に補強していく
今回紹介するのは、ラムダ技術部さん投稿の『【超頑丈】お菓子の家に耐震工事を施してみた』という動画です。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
最近のお菓子の家はかんたんに作れてすごいですね。しかし、住むには少し心もとないなと思う点も見つかりました。そこで今回はお菓子の家を強化して、頑丈で長持ちするようにするアレンジを考えてみました。お菓子の家の耐震基準に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
童話などで目にする「お菓子の家」。無印良品から「組み立てるヘクセンハウス」という組み立てるだけでお菓子の家を作れる画期的な商品が販売されています。
中身は屋根や壁などが入っていて、アイシングパウダーを使って貼り合わせるだけで簡単に作ることができます。
そんなお菓子の家ですが、ラムダ技術部さん曰く「最近の建築技術は凄いんだなと思う一方で住むには少し心もとないなと思う点もあります」とのこと。
全体的に軽い素材で出来ているので、重心が屋根の方にあり揺れに弱い構造になっているそうです。そのため、横揺れを与えると滑って家ごと移動してしまいます。
また縦や横方向からの力にはある程度耐えられるそうですが、対角線方向の力には弱いそうです。
さらに問題点が続きます。屋根の素材もクッキーなため防水性に乏しく、雨が降った際に屋根がふやけてしまうといった問題点があります。
今回、これらの問題点を解決するためにラムダ技術部さんが立ち向かいます。
その前に初めに行なう重要なことがあります。
それは家を建てる土地を浄化し工事の安全を祈ります。あまりにも本格的かつ隙のない安全祈願に動画内でも大量のコメントで埋め尽くされていました。
ラムダ技術部さん曰く「なんだかんだこういうところが一番強度に効いてきます。キリスト教のお祭りを象徴するおじさんとは文化が異なるような気もしますが大事なのは気持ちなので問題ないです」とのことでした。
安全祈願の後は耐震作業に取りかかります。
まずはチョコレートを溶かして基礎を作ります。基礎は家の土台部分で、これがあるかないかでは家の安定性が全く異なります。
ここで注目したいのが、カカオバターの温度の違いによる結晶構造の違いです。チョコレートを50℃まで温めると、全ての結晶が溶けます。25℃付近まで冷ますと4・5・6型の結晶ができ始めます。
一般的なチョコレートは艶があって口溶けも良い5型を使っていますが、今回は食用としての美味しさよりも耐久力を重視するために安定していて熱に強い6型を目指して35℃まで温めます。
次の作業はチョコレートを流し込むための枠を作ります。まずは軸となる正方形の枠を作ります。
プリッツを格子状に配置していきます。これは鉄筋コンクリート造と同じ考え方で、性質の違う素材を組み合わせることでお互いの良いとこどりをして耐久性を確保しています。
プリッツは熱に強く温められた際の変形を防ぎ、チョコレートで覆うことでプリッツの座屈しやすさを克服します。
チョコレートを冷やすと白い模様が出ています。これは6型の結晶が出来たことになります。これで体温でも簡単には溶けない様になりました。
先ほどの土台にごまスティックを柱にして斜めにプリッツを取り付けます。
ただの四角では接合部分に大きな負担がかかりますが、プリッツで補強することで変形を阻止することができます。
梁を設置すれば骨組みは完成です。
屋根には防水加工を施します。こちらはシンプルにチョコレートを塗るだけになります。
次の作業ですが、煙突は水が溜まって耐震にはあまり好ましくないので廃止します。代わりに自然給気口を設置します。
今回は換気フードとしてポテコを設置します。
骨組みに沿うように壁材を貼り付け、最後に定礎の礎石を設置したら完成です。
完成したのがコチラ。最初に作ったお菓子の家とはオーラが違います。
最初の検証で行なった揺れの確認ですが「揺れに対しては引くほど強い」とのことで「思っていた100倍安定している」そうです。もちろん、斜めからの力に対してもしっかり耐えることができます。
防水性能も問題なく機能しており、屋根が水を弾いている様子が観察できます。
基礎の高さもあり、浸水被害も最小限に抑えられているのポイントです!
そんな安心と安全を考慮して作られた「お菓子の家」の詳しい制作過程を映像で見届けたい方は、ぜひ動画をご視聴ください!
視聴者のコメント
今から屋根にチョコ塗ってくるわ
何に備える気なんだ
料理で建築基準法遵守してる人初めて見た
ありがトラス!
※商品に白い模様が出来ても、風味は劣化しますが耐久力は上がります
▼動画はこちらから視聴できます▼
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