“小さな鰹節”のような「カツオゾウムシ」の生態。 日本全国に分布するキュートなゾウムシを写真付きで解説
今回紹介する、ききみみさん投稿の『【ゆっくり解説】鰹節のようなゾウムシ! カツオゾウムシを解説』という動画では、ゾウムシ科の昆虫のひとつである「カツオゾウムシ」の生態について解説を行っていきます。
小さな鰹節? 「カツオゾウムシ」の生態とは
今回解説するのは、カツオゾウムシという昆虫です。カツオゾウムシはコウチュウ目ゾウムシ科カツオゾウムシ亜科に属する、ゾウムシの一種です。北海道、本州、四国、九州、沖縄など、日本全国に分布しています。
彼らは平地や山地の草むらや雑木林で生活し、タデ科のイタドリやミゾソバなどを餌にしています。産卵は春から夏にかけて行われ、卵は植物の茎の中などに産み付けられます。
孵化した幼虫は、茎や葉の内部を食べ進めてトンネルを造り、そこで生活します。そのまま冬を迎え冬眠し、サナギとなり、春になると晴れて成虫となります。
成虫は5月から9月に出現するのですが、5月から6月にかけてが特に多くみられるそうです。体調は10ミリから12ミリほど、体はくびれのない細長い体型で、羽根の後方部分が少し尖っています。
頭部はゾウムシ科の昆虫特有の象の鼻のような長い口を持ち、この長い口は餌を食べるためのみならず、産卵地に植物の茎に穴を開けるためにも用いられます。
昼行性で普段はのっそりとした動きをしているのですが、身の危険を感じると、素早く葉の裏や茎の影に隠れ、敵をやり過ごそうとします。
そしてこのゾウムシの最大の特徴は、その見た目にあります。赤錆のような体色と細長い体が鰹節のように見えるため、カツオゾウムシという名がついたようです。
この赤錆色は、このゾウムシの地の色ではなく、体表面に付着した粉の色で、地の体色は、鉛色や茶色などをしています。この粉は羽化したばかりの頃は全身を覆っているのですが、時間がたつごとに段々と落ちていき、最終的には全て落ちてしまい真っ黒な見た目になってしまいます。
なぜこのゾウムシにこのような粉がついているのか、この粉には何の意味があるのか、そもそもこの粉は何なのかなど、このゾウムシと粉の関係性はよく分かっていません。
素人の私が思うに、この粉は擬態のためではないでしょうか。ゾウムシの赤錆色と、イタドリの茎の色と質感がなんとなく似ているような気がします。
羽化したばかりの頃に粉が全身を覆っているのは、羽化した直後は無防備であるため、この粉を利用して茎に擬態し、敵の目を欺いているのではないかと思いました。
まあ、素人の浅い考えなので、多分違うでしょう。この鰹節粉、もといゾウムシ粉の謎が解けるのはいつのことになるのでしょうか。
粉に覆われたカツオゾウムシの生体は、まさに可愛らしい「小さい鰹節」といったところでしょうか。解説をノーカットでご覧になりたい方はぜひ動画をご視聴ください。
『【ゆっくり解説】鰹節のようなゾウムシ! カツオゾウムシを解説』
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