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野球の“ストレート”は“変化球”って知ってた? ピッチャーが放ったボールにかかるバックスピンと重力の関係性を物理的に解説してみた!

 今回紹介する、赤城さんが投稿した『【VOICEROID解説】どうしてストレートは変化球なの?琴葉姉妹の工学情報局番外編』では、音声読み上げソフトを使用して、野球の直球(ストレート)も変化球に含まれることについて解説を行います。

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バックスピンをかけて重力に逆らうのが直球

茜:
 今回はなぜストレートが変化球なのかを話していく。ストレートって変化球やと思うか?

葵:
 あまり野球に詳しくないけど、ストレートって日本語にすると 直球って言わない?直球って言葉からは変化球っていうイメージ感じないけど。

茜:
 まずは変化球とは何なのかというところから考えてみようか。そのためにまずは水平投射というものに登場してもらおうか。高校の物理で扱う内容やけど、身構える必要はない。物体を水平に投げ出したら、どんな軌道になるかっていう話。

葵:
 物体を水平に投げ出したら、それはまっすぐ飛んでいくんじゃないの?

茜:
 残念ながら不正解や。実際は重力の影響を受けて放物線を描くんや。

 その重力の影響を受けるのは、投手が投げているボールだって例外ではない。投手がボールを水平投射していると考えると、捕手にボールが到達するまでに2メートル前後落下する計算になる。

 重力の影響だけを受けていると考えた場合の軌道と比べて変化しているから、ストレートも変化球という扱いになるんや。

葵:
 今の話が本当なら、ストレートが変化球という話は理解できるけど、じゃあなんで投手の投げるストレートは放物線にならないの?

茜:
 それはストレートのボールにはバックスピンがかかってるからやねん。

葵:
 バックスピンがかかっていると放物線にならないの?

茜:
 これはマグヌス効果っていうねんけど、実はボールは回転方向に力を受けてるねん。やからバックスピンしているボールは上向きの力を受ける。この上向きの力のおかげでストレートは重力の影響を受けても落下せずに真っ直ぐキャッチャーミットに届くわけ。

葵:
 なるほど。マグヌス効果が働いているからストレートは放物線じゃなくてまっすぐ飛んでいくんだね。

茜:
 今回はコアンダ効果っちゅうもんを使って、マグヌス効果を説明していくで。いかにもな名前ついてるけど、流れの中にものを置くと、流れは物体の側面に沿うように流れるってだけの話や。物体が力を受けるっていうのは、別のわかりやすい実験があるから、そっちを紹介しようか。

 まず、テーブルの上にテープか何かでティッシュをこんな感じに固定する。反対方向からテーブルの上に風を送るんや。

葵:
 ティッシュが持ち上がってきたよ!どうしてなの?

茜:
 この現象を説明すると、扇風機で発生した空気の流れはティッシュに沿って流れていきたいわけやけど、特に力がかからへんと流れる向きって変わらへんよな。イメージとしては、空気がティッシュから伸びてるロープを手繰り寄せることで、空気はティッシュに沿うように流れようとする。この時の力に引き寄せられるから、ティッシュは持ち上がるというわけやな。

 まあロープの例は張力が介在してるから厳密な説明じゃないけど、とにかくコアンダ効果が発生していると物体は力を受けているってことや。それで今の話を野球ボールについて当てはめてみる。もしボールが無回転やったら、ボールの周りの流れはこんな感じになる。この時、コアンダ効果によってボールは力を受けるわけやけど、ボールの上面と下面で打ち消し合っているから、差し引きを考えるとボールは力を受けてないわけや。

葵:
 じゃボールが回転するとどうなるの?

茜:
 ボールが回転すると、こんな感じの空気の流れになる。上面のほうがコアンダ効果で受ける力が大きくなるっちゅうことや! ロープの例をだすと、上側のほうがたくさんロープを手繰り寄せなあかんっちゅう話やな。

葵:
 それで差し引きを考えるとボールは上側の方向に力を受けるんだね。

茜:
 その通りや! というわけで、これがコアンダ効果を使ったマグヌス効果の説明になるで。それで今回はストレートについて扱ったけど、カーブなんかの横に変化するもんの説明も、マグヌス効果によって説明できるで。

 最後にまとめてもらおうか。

葵:
 ストレートが変化球と言われるのは、重力だけを考えた場合の放物運動と異なる軌道を描くからだよ。じゃあなんでストレートは放物運動にならないかと言うと、バックスピンがかかっているからマグヌス効果によって上向きの力を受けているからだよ。  それでマグヌス効果の原理は、流れが物体に沿うように流れる時に、物体が力を受けているというコアンダ効果によって説明することができるよ。

 重力の影響を受けるので、力学的に考えると直球も変化球だと言えるようです。解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画を視聴してみてください。


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