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岡田斗司夫が完全復刻版『デビルマン』を語る――「申し訳ないんですけど、新作カットはいらない」

 『マインド・ゲーム』『ピンポン THE ANIMATION』などを手掛けたアニメーション監督湯浅政明氏が、2018年春にNetflixで独占配信されるアニメ『デビルマン』の監督を務めることが明らかとなった。

 この話題を受けて3月19日配信の『岡田斗司夫ゼミ』にて、永井豪の原作『デビルマン』の魅力について言及。岡田斗司夫氏が『デビルマン(豪華愛蔵版)』に対して「漫画家の先生に言うのは申し訳ないんですけど、新作カットはいらない」とコメントした真意とは何なのでしょうか。


漫画『デビルマン』は完全復刻版がおすすめ

岡田:
 湯浅政明監督が来年Netflix(ネットフリックス)で原作通りの『デビルマン』を作るそうです。

 みなさんに気を付けてほしいことは、原作『デビルマン』の文庫本とかいろんなバージョンが出てますけど、完全復刻版と書いてある『デビルマン』を買って下さいね。今、普通に売ってる豪華愛蔵版も、講談社漫画文庫版もダメなんですよ。なぜなら永井豪先生の新作カットが入ってるから。漫画家の先生に言うのは申し訳ないんですけど、新作カットはいらないんですよ(笑)。

 僕らは連載されていた頃の永井豪の絵で読みたい。でも、新作カットのおかげで、3巻あたりで、時間的順序が逆になっちゃったり、ネタばらしみたいなエピソードが入っちゃったりしてて、興が削がれるんですよ。それに、この頃の永井豪のデッサンの狂いは格好いいけれど、今のデッサンの狂いは、ダメなんですね。今の方が、昔より絵は上手いんですよ。上手い分、デッサンの狂いがわかっちゃう。でもこの頃のデッサンの狂いは味になってるんですよね。

永井先生が今描き直したら、怖くない

岡田:
 『デビルマン』で僕が一番すごいと思ったのは、ヒロインである美樹の弟の友達にススムくんという子がいるんですが、家に帰らないススムくんに、彼の友達が心配して、「なんで帰らないの?」と、言ったら「お母さんが最近変なんだ」って言うんですね。友達は「うちに泊まるか?」と、励ましてくれるんですが、ススムくんは「そこまで心配かけれないよ」と断るんです。そしたら急にお母さんが迎えに来るんですよね。

岡田:
 この目とか、デッサンが上手くなった永井先生が今描き直したら、怖くないんですよ。お母さんが優しく「ウソ言ったらだめよ」と、言った後、友達が帰ったら「パパがそんなに早く帰るとお思いかい。はっはっは」っていう風に怖い展開になってきて、「その年、人間はじょじょにデーモンにかえられつつあった」っていう少年誌の描き方ですね。この「じょじょに」がひらがなであったり、「かえられてきつつあった」がひらがなであったり、あくまで少年誌の範囲内での展開の仕方ですね。

 次に、主人公の不動明が「やあみなさん、ここまでついに読んでしまいましたね。みなさんは、これを、少年漫画を読んでいる。『デビルマン』の漫画として読んでるでしょ。でも違います。これからあなたに関係のある話になっています。なぜなら、これから待ち受ける地獄は、私個人のドラマではなく、みなさんのドラマでもあるからです」という、不吉な見開きがあって、じわじわっと、こっから怖くなっていく。

読者に語りかける主人公、不動明。

モダンホラー・血みどろホラー・黙示録的ストーリーが絶妙なバランスの永井豪『デビルマン』

岡田:
 つまりモダンホラーとして始まったものが、血みどろホラーになって、ついには人間全部を巻き込んでいく黙示録的な話になっていくというのが、ものすごく絶妙なバランスでできているんですよ。

 このバランスを今の永井豪の絵で、格好いい絵とかを入れられても、全然乗れないんですよね。たぶん年末くらいに再出版されるんですけど、おそらくこれからの出版物って、今のダイナミックプロが出したい『デビルマン』になっちゃうと思うので、ほぼ確実に改悪版と僕はあえて呼びますけど、それが出回ると思います。

 この放送を見ている人は、「完全復刻板」と書いてあるものか、もしくはAmazonのレビューが10個以上ついてて、「これは今の先生の絵が入っているからダメだよ」というのがついていないのを買えば大丈夫です。よくレビューを見て『デビルマン』を買って下さい。

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