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漫画家を目指していたボカロP・ピノキオピー、活動の原点や影響を受けた作品を振り返る 新人ボカロPへの助言や今後の活動についても言及

 今のニコニコを伝える、今後のニコニコについてみんなで考える番組『週刊ニコニコインフォ』。
 51回目の放送では、司会に百花繚乱氏、運営から栗田穣崇氏、そして今週のピックアップゲストコーナーには、これまで100曲以上の楽曲を生み出してきたボカロP・ピノキオピー氏が登場。

 漫画家を目指していた頃に息抜きで音楽を始めたボカロ活動の原点、子どもの頃に読んだ「藤子・F・不二雄先生のSF短編集」から受けた創作に対する感性、新人ボカロPへのアドバイスなど、ピノキオピー氏のトークを余すところなくお届けします。

▼ダイジェスト動画▼

左から、司会の百花繚乱氏、リモートゲストのピノキオピー氏、ニコニコ代表の栗田穣崇氏

制作した楽曲は100作以上! ボカロP・ピノキオピー氏が登場

 今回のゲストのピノキオピー氏は、2009年よりボーカロイドを用いた楽曲制作。イラストやMVの制作、他アーティストへの楽曲提供など多方面で活躍。今年の8月11日には、 5th Album『ラヴ』がリリースされています。

──17日のゲスト予定だった歌い手&絵師の月乃さんから、ピノキオピーさんに質問を頂いています。いくつか質問があるのですが、まずは「好きです!」とのことです。

一同:
 (笑)

ピノキオピー氏(以下、ピノキオピー):
 簡潔な思いが伝わってきました!ありがとうございます!

──そして質問に移りまして、「ボカロPをしてきて、一番嬉しかったことはなんですか?」とのことです。

ピノキオピー:
 今に至るまでなんですが、創作活動で暮らすことが夢だったので、そうやって生活できていることが本当に嬉しいですね。

──続いての質問です。作詞、または作曲をする時、何か大事にされていることはありますか?

ピノキオピー:
 自分が「面白い!」と思うことを素直に「面白いぞ!」と表現することです。
 例えば「これがウケるな」と思ったとしても、それが自分に合ってなかったらなるべくやらないようにしていますね。自分の中で納得がいくような表現方法にしています。

──ピノキオピーさんの動画に登場する「アイマイナちゃん」はどうやって生まれたのですか?

ピノキオピー:
 これは結構前なんですけど、「アイマイナ」という曲がありまして、画面の中にいっぱい小さなキャラクターがいるという絵が作りたいなと思ったんです。その時に描いたキャラクターが何故か気に入ってしまって、いろんな楽曲を上げる際に、そのキャラクターがどこかにいるというのが決まりごとのようになってしまって、マスコットキャラクターのようになっています。

アイマイナちゃん
(画像は、「アイマイナ / 初音ミク」より)

──ニコニコを知ったきっかけを教えてください。

ピノキオピー:
 2007年頃、ニコニコが10万人限定でアカウント募集を開始していた頃、友達から「こういうサービスあるよ。お前も入れば?」と教えてもらって入った覚えがあります。

──ご自身で投稿された動画の中で思い入れのあるものは?

ピノキオピー:
 もちろんほとんどの動画を気に入ってはいるんですが、中でも思い入れがあるのは、投稿10作目の「eight hundred」です。この曲をきっかけに沢山の人が見てくれるようになりました。マイリストも初めて4桁になりました。
 姉の結婚式で山形に行っている時にこの注目度の高まりを知り、「こんなに注目されたの初めてだな、嬉しいな、どうしよう!」と思ったことを覚えています。

eight hundred / 初音ミク」を番組中に紹介

──人気が出た作品があったりすると、次の作品へのプレッシャーなんかはありましたか?

ピノキオピー:
 そうでもなかったですね。そういったプレッシャーや責任感を感じない時期で良かったと思っています。

──ボカロ曲に興味を持たれたきっかけは?

ピノキオピー:
 「みっくみくにしてあげる」の頃からボカロの存在は知っていたのですが、ただ知っているレベルでそこまで興味は持っていませんでした。
 ところが、アゴアニキさんの「ダブルラリアット」を聴いて「こういう泥臭いロックで上げていいんだ!」と思うようになってボカロに興味を持ちましたし、僕も投稿しようかなという気持ちになりました。

【巡音ルカ】ダブルラリアット【オリジナル】」を番組中に紹介

──ピノキオピーさんもこの曲を聴いて回ってらっしゃいましたか?

ピノキオピー:
 心の中では回ってました(笑)。
 この曲に出会った頃は漫画家を目指して漫画を描いていたんですよ。フリーターをしながら。
 集英社さんに原稿を送ったりしていましたね。

一同:
 えええええ!?

ピノキオピー:
 そういった漫画への反応もイマイチで、難しいなこれはと思うようになり、息抜きに音楽を始めたのがきっかけです。

栗田:
 ちなみに漫画はどんなタイトルでどんな作品だったんですか?

ピノキオピー:
 「モヒ」というタイトルで、人間の頭に寄生する、カツラ星人、カツラの生き物という作品だったんです。
 最終的に地球を覆うカツラになるというお話です。

一同:
 (笑)

──漫画を描く活動は動画投稿にも活かされましたか?

ピノキオピー:
 動画を投稿する際の一枚絵を自分で用意できるので楽でした。

──「今までにないものを作りたい」という思いは最初からあったのでしょうか?

ピノキオピー:
 「今までにないもの」というものは、「多くの人に喜んでもらえるもの」から乖離してしまう危険性も伴っているので、どちらかというと「自分が作ることに意味のあるもの」を目指しています。

──作曲するうえでアイデアはどのように湧いてくるのでしょうか?

ピノキオピー:
 僕は作曲する際、まずテーマを決めています。言葉の羅列をメモ書きにして、その言葉の素材と同時に曲を作り、それをハメていくことで曲を完成させています。
 なので、いいテーマが決まりさえすれば一気に完成しちゃったりもします。

栗田:
 ボカロと一緒にご自身でも動画に出演される方って少なかった印象ですが、ピノキオピーさんが出演されるようになったきっかけってどのようなものでしたか?

ピノキオピー:
 元々ボカロと一緒にライブをやっていたので、「自分はボカロと一緒にライブをやっているよ」ということを見せたいという思いで動画に出るようになりました。
 ボカロという人じゃないものと、生々しい人間が一緒にいるという構成が面白いかなという思いもありました。
 より人間じゃないというところが強調されると言いますか。

──カゲプロのじんさんが週ニコのゲストに来てくれたときに「活動のきっかけはピノキオピーさん」とおっしゃっていましたが、多くのクリエイターに影響を与えているという認識は持っていらっしゃいますか?

ピノキオピー:
 僕自身にそういったフィードバックが返ってきたことってあまりないんで、いないんじゃないかと思っていました(笑)。
 ですが最近になり、じんさんやhigmaさんがそう言ってくださったのを知って、「あ、僕の曲を聴いてこういったことを言ってくださる方もいるんだ!」と嬉しくなりました。

──創作の感性はどこから来てますか?

ピノキオピー:
 藤子・F・不二雄先生のSF短編集が家にあったんですが、これを子どもの頃に読んだ影響が大きいですね。宇宙人視点で地球人を見るという作品が多いので、そこから「普通」だと思っていることが、実は普通じゃないと考えるようになりました。
 今回のアルバム『ラヴ』も、色んな視点からのLOVEをテーマにしていますので、買って聴いて頂けると嬉しいです。

──漫画から音楽作品のインスピレーションを受けられることは?

ピノキオピー:
 ありますね。最近読んだ作品ですと、魚豊先生の『チ。―地球の運動について―』が面白かったですね。
 天動説の時代に地動説の正しさをどう説明していくかという漫画ですね。「ちいかわ」(なんか小さくてかわいいやつ)も好きですよ(笑)。

──ピノキオピーさんにとって、ライブとはどのような活動の場になりますか?

ピノキオピー:
 ネットだとコメントなど嬉しいのですが、画面の向こう側にいる人たちの熱量が伝わりにくい部分がありますが、ライブだと、実際に人が来てくれるんだ、こういう風に楽しんでくれているんだということが肌で体感できるので貴重な場だと思っています。

 それまでは人前でライブをするということが苦手で、当初のライブでは後ろの方でDJをしたりして、前には全身タイツの人に立ってもらったりしていたんです。それが初めてのリリースイベントで「歌ってみようかな」と思うようになり、そこでお客さんと通じた気がしたんです。
 そこから作っている人が実際に演奏したり歌ったりすることって大事なんだなと思えるようになりました。

──今作の『ラヴ』では、これまでの作品との違いなどありますか?

ピノキオピー:
 これまでは音を足せば足すほど盛り上がるんじゃないかという足し算で考えていたんですが、今回は音を減らすという引き算の考え方で挑めています。
 少ない音でもソリッドな説得力を持たせられることを学びました。

──ちょっと前にボカコレTwitterで発信した「#新人ボカロPこれだけはやっておけ」というタグが話題になりましたが、ピノキオピーさんからのアドバイスなどありましたらお願いします。

ピノキオピー:
 今ってそれこそSNSなどで「見られるための努力」が先行してしまうところがあって、「こうしたら見られる」というノウハウばかり気にしてしまったりすると思うんですよ。
 そういった“ガワ”だけではなく、しっかり「面白い」という中身を入れてあげられるようにした方がいいと思います。自分だから出来るという何かを入れて上げられるように。

──最近気になっている若手のボカロPはいますか?

ピノキオピー:
 yanagamiyukiさんの楽曲「サイバーかわいくないガール」がめちゃくちゃカッコ良かったですね。尊敬するレベルです。凄い若手の方がドンドン出てくれると、ボカロ自体も盛り上がるので嬉しいですね。

──長く活動を続けるために必要なものはありますか?

ピノキオピー:
 ある程度「根拠のない自信」は必要だと思っています(笑)。
 ただ、そうなっている自分を客観的に批判する目線も必要だと思っています。

──ピノキオピーさんでも承認欲求ってあるもんですか? なんだかあふれ出る創作意欲で活動されているイメージがありますが。

ピノキオピー:
 やっぱり作品を発表している以上、承認欲求はあります。「面白い!」って言って頂けると凄く嬉しいですね!

百花繚乱:
 ピノキオピーさんの作品は本当に色んな面白さ、そして幅の広さがありますもんね。

栗田:
 今、「おモヒろい」ってコメントが。

一同:
 (笑)

百花繚乱:
 コメントしてくれる人にもやっぱりセンスあるなー!

──ピノキオピーさんにとって、ニコニコってどんな場所ですか?

ピノキオピー:
 ずっと戦っていられる場所であり、生まれ故郷でもあると言いますか、ニコ動がなかったらピノキオピーという名前で活動もしていないので実家という感覚もあります。

──ニコニコに感じる問題点などありますか?

ピノキオピー:
 最近できたシリーズ機能は便利だなと思っています。
 ボカロだけが見られるページ(ボカニコ)が以前はあったんですが、これが2~3年前になくなってしまったので、これが復活してくれると嬉しいです。

栗田:
 貴重なご意見ありがとうございます。恐らく費用対効果の問題などで消されてしまったのかもしれませんが、ニコニコでもボカロを推していくという思いがあるので、こういったご意見は非常にありがたいです。どこかで新たな形のものがご用意出来ればと思っています。

百花繚乱:
 ボカロのランキングであればnicoboxが便利ですが、先ほどnicoboxでピノキオピーさんの特集が始まりましたね!

栗田:
 これですね。ピノキオピーさんの間違いない15曲が入っています!

──今後の活動でやってみたいことなどございますか?

ピノキオピー:
 「ピノキオピー」という名前での活動はボカロを使ったものだと思っているんですが、ボカロが歌う作品で紅白に出たいなと思っています。「なんだ歌合戦なのに歌ってないじゃないか!ひっこめ!」って言われたいですね。

一同:
 (笑)

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