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『風の谷のナウシカ』王蟲の未公開セル画が“ゴミの中”からほぼ完全な状態で発見される

 5月6日放送の『岡田斗司夫ゼミ』にて、評論家の岡田斗司夫氏が、『風の谷のナウシカ』の撮影に使われた「王蟲」のセル画が発見されたことを明かしました。

 これまではアニメの映像や、制作人の証言といったものしか「王蟲」に関する資料はありませんでした。今回発見されたセル画について、岡田氏は「ゴミに出される寸前のものが回収された」と、貴重な資料の回収経路について、熱をもって語りました。

岡田斗司夫氏

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『風の谷のナウシカ』の王蟲のセル画が発見された

岡田:
 これは僕のFacebookやTwitterでも書いたんですけども、『風の谷のナウシカ』というアニメがありますよね。あの王蟲のセル画が見つかりました

 この王蟲のシーンというのは、アニメの映像としては残っているんですけども、これをどうやって撮影したのかについては、宮崎さんや制作スタッフ、あとは当時のアニメ雑誌の記者の方の証言のみしか残っていません。

 「撮影風景がTVで放映された」という噂もあるんですけど、その映像にしろ、現在ではどこにもアップされていない状況なので、追いかけようがなかったんですね。

王蟲のセル画が発見された『風の谷のナウシカ』 (画像はAmazonより)

失われたはずだった王蟲のセルは、今もほぼ完全な形で保管されている

 その昔、僕は『ナウシカ』の製作に参加していた、映画監督の庵野秀明くんや、彼を通したイラストレーターの赤井孝美くんから、「アニメ雑誌で紹介された“ゴムマルチ【※】”と呼ばれる撮影方法は嘘で、実は、パンタグラフ上の機械を使ってやっていた」と聞きました。その話を聞いて、僕もずっとそれを信じていたんですけど。

※ゴムマルチ
通称「王蟲マルチ」。複雑な構成の殻をもつ王蟲の体をそれぞれ違ったタイミングで動かすことは、当時の撮影台では不可能だったため、それを撮影するように考案された装置のこと。

 実は先日、放送でその話をしたところ、ニコ生を見たある方からメッセージをいただきました。その方によると、「ある人物が『ナウシカ』の王蟲のシーンのセルを丸々保管している」とのことだったのです。

 その証拠の写真というのがこれですね。これが保管されていた、王蟲のセルの現物です。カット袋に入っていて、かなり大きなものなんですよ。

 これは、手前に飛んでるナウシカを追いかけているシーンでの、正面を向いた王蟲のセルですね。この正面向けのものも含めて、王蟲のセル画は、全てカット袋に入った完全な状態で、数種類確認されています

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