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イメージ的にはスピルバーグ版『サマーウォーズ』

中井:
 確かにキャラがいっぱい出ているからといって、面白いのかと言うと、それはある種の面白さでしかないと僕は思います。

鈴木:
 本質じゃないからね。ただ遊び心として……。

中井:
 遊び心はかなり満たされるような。しかもですよ、キャラクターのお話をしましたけれども、あるシーンにおいては、なかなか言いづらいのですが、誰もが認める世界的巨匠の、誰もが認める名作が一本ありまして、その名作をまるまる引用しています。

 まるまる引用というのは、引用を超えていて、その作品を見ていないと「意味わからへんぞ」みたいなくらいの引用です。

岡村:
 気になる。

中井:
 引用というか、まんま。コピー。その世界観を持ってきています。監督名くらいは言ってもいいかなと思うのですが、スタンリー・キューブリックですね。キューブリックの作品をまるまる、しかも結構長いパートを使っているので、見ていたほうがいいかもしれないです。

 ある種の僕らのマニアの心っていうものは楽しませてくれるんですが、一方でこの作品っていうか、元々スピルバーグ自体が元々はエンターテイメントを得意としている監督なわけですね。もちろん『シンドラーのリスト』とかもありますけれど、『ジョーズ』とか、今までいっぱいエンターテイメント作品を作ってきたわけですよ。

鈴木:
 娯楽の人だよね。

中井:
 スピルバーグはそういう人なので、この作品はエンターテイメントとして作っているわけですよ。だから一部のマニアにだけ訴えてもヒットしないじゃないですか。なので、ちゃんとエンターテイメントとしてみんなにわかるように落とし込んでいるんですよ。

 そこがポイントになっているのかなと僕は思うんです。イメージ的に言うと、細田守さんの『サマーウォーズ』という映画があったじゃないですか。僕は『サマーウォーズ』に通ずるものがあるなと思うんですよ。『サマーウォーズ』もVR世界というか、仮想現実の世界だったんですよね。

 仮想世界の中の連帯というものをテーマにしたと思うんですけれど、まさにこの作品もスピルバーグ版『サマーウォーズ』。

『サマーウォーズ』。
(画像はAmazonより)

岡村:
 大好き。

中井:
 つまりオアシスの世界の中の人の連帯を描いているんですよ。だからそういう点においてはおそらく、多くの人が共感をしていくことができるんじゃないのかなと思います。

 それに加えて言うと、スピルバーグはいわゆるシリアスものも作るわけなんですが、この作品自体も単なる娯楽になっているわけではなくて、近未来に起こりえる仮想現実世界への警鐘を鳴らすというイメージが入っているんですね。

 実は仮想現実の世界になったらこうなるんじゃないかっていうことまで予感させるという、そういうところまで入り込んでいるんですね。さすがスピルバーグだな、というふうになっているので、非常に楽しく見られるんじゃないかと。万人向けだと思いますよ。

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