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悪質ダフ屋の手口を転売規制派の議員が解説「東日本大震災のチャリティーチケットを転売」

 自民党議員の山本一太氏が番組ホストを務める「直滑降ストリーム」に、同じく自民党衆議院議員の平将明氏がゲストで登場し、チケット高額転売問題について対談を行いました。

 チケット転売は何が問題なのか、どこからが違反になるのか、そして違反者にはどのような罰則があるのか等、山本氏と平氏が参加するライブ・エンタテインメント議員連盟で進めている議員立法の中身について平氏が詳しく解説しました。

左から山本一太氏、平将明氏。

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個人同士のやりとりは規制の対象外

平:
 議員立法で取り組みたいことにチケット転売問題というのがあって、これは何かと言うと、人気のアーティストのコンサートチケットとかスポーツの試合のチケット等を、一人で大量に買い込んで、それをネットで高く転売するっていう人たちが結構いるんですよ。

 こういう人たちを野放しにしていいのかと、世界中のアーティストたちが立ち上がっています。日本でもおかしいんじゃないかと、アーティストの人やスポーツ選手などのいろいろな方が言っています。ネットでシェアリングエコノミー【※1】というのが入ってきたから、ネットのプラットフォーマー【※2】を使うと、簡単にできるんですよね。

※1シェアリングエコノミー
物・サービス・場所などを、多くの人と共有・交換して利用する社会的な仕組み。

※2プラットフォーマー
商品販売やサービス提供を行う電子商取引のベンダー(店舗)に対し、そのための環境を提供する事業者のこと。

 だから、これはやらなきゃいかんということで、2020年に東京オリンピック・パラリンピックがあるので、IOCからも転売問題を対応してくれと言われているので、これはエンタメ議連でずっと議論を重ねています。

山本:
 会長が石破茂さんの、ライブ・エンタテイメント議員連盟のことですね。

ライブ・エンタテインメント議員連盟総会の様子
(画像は石破茂オフィシャルブログより)

平:
 いよいよ議員立法としてできてきたので、これを是非国会でやりたいのですが、一方で誤解も多いんですよ。たとえば「どんなに高くても、行きたいんだからいいじゃないか」と。「誰も損していないじゃないか」「俺は払うんだ」と言う人もいるんですけれども……。

 実はアーティストの人たちが一番困っているのは、たくさん買い占めて、バカみたいな値段をつけられて、全部売り切れているのに、当日観客席に空席がパラパラあるとか……。

 吉本の芸人さんも言っていたけれど、笑いは観客席との一体感じゃないですか。なのに空席がいっぱいある、と。あと一番ひどい例は、東日本大震災のみんなを元気付けようとして一流のアーティストが集まって、本当に安い価格で、ほぼチャリティーでコンサートをやろうとしました。

 それをたくさん買い占めて高い値段で転売をしたという事例があって、これはよくないよねと。だから個人が買って、風邪を引いて行けなくなっちゃったとか、子供が熱を出しちゃったとか。それを規制するつもりは全くなくて、CtoC(個人間取引)というのは全く規制の対象ではないです。

 一方で「行きたいんだから金はいくらでも払う」っていう、嫌なやつは世の中にいくらでもいるじゃないですか。そういう人たちの主張は何でダメかと言うと、クリエイティブの人たちは、いいものをできるだけ安く価格設定して多くの人に聞いてもらいたいというメンタリティでやっているわけです。

 だから彼らのやる気を削いでしまったり、能力を削いでしまうのでダメだということで、今回の議員立法でやらせていただきました。

山本:
 平さんたちの活動に私も参加させてもらって、新鮮な発見があったのですが、アーティストの人たちは、買い占めて全部チケット買っちゃって全部売り切れちゃってるのに空席っていう物理的な問題もあるので、それよりも自分たちの音楽をあるいは自分たちが作ったものをできるだけ安いコストで、大勢の人に聞いてもらいたいと思っているんですよね。

平:
 この前、さだまさしさんも、そのようなことをおっしゃってました。

山本:
 それはアーティストの人の気持ちも考えて、すごくいいなと思いました。風邪を引いて同じ値段でチケットを譲るというのは全く問題ないですからね。これをやったら捕まるんじゃないかというのはないですから。

処罰の対象になる三つの基準

平:
 そもそも最近のコンサートのチケットはどうなってるかと言うと、「無断で転売したら無効ですよ」と書いてあります。そもそも無効になるものを売っている時点でアウトじゃないですか。価値がないものだから。

 だから「これは転売したら無効です」、もしくは「主催者の興行主の許可なく転売してもいけません」、「譲り渡してもいけません」と書いてあるチケットだけが対象なんです。そもそも渡したら無効のものを渡したり売るという行為は詐欺的行為だと思っています。

山本:
 だってそうだよね、入れないんだからね。

平:
 ただ本人認証が全部はできないので入ることができたり、実は業者みたいなのが一緒に行って入るところまでやってあげたりというのは、いろいろやっているんですよ。

山本:
 そうするとわからないまま入れちゃう。

平:
 そもそも「転売がダメ、譲り渡しがダメ」というチケットだけが対象。これがまず一つ。二つ目は、これは業としてなので、個人がプラットフォーマーでやる分には問題ないんです。ただああいうプラットフォーマーでやると、たとえば、年間に100回も売ったり、一つのコンサートチケットを10枚、20枚も売っているとなれば、これはビジネスですよね。

 これはBtoC(企業と個人の取引)ですから、業としてやっている人たちはダメです。三つ目は、買った価格よりも高く売ったらダメです。この三つを全部満たさないと、処罰の対象にはならない。

山本:
 ここはすごく大事ですよね。この法律を勘違いしてる人は結構多いですね。

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